事故物件・孤独死の後に近隣から苦情が来るのはなぜ?

苦情の背景には、実際の困りごとと、先が見えない不安の両方があります。
苦情の背景には、実際の困りごとと、先が見えない不安の両方があります。

よく寄せられる苦情と原因

苦情の内容主な原因対応の方向
においがする発見が遅れた場合の臭気が、換気口や隙間から漏れる特殊清掃・消臭を早めに手配し、時期を伝える
ハエなどの虫が出る室内で発生した害虫が外へ出る駆除を手配し、窓を開けないよう注意する
人の出入りが多く落ち着かない警察・業者・親族の出入り、作業の音作業の日程と時間帯を事前に知らせる
何があったのか知りたい説明がないことへの不安、うわさ必要な範囲で短く事情を伝える
家の価値が下がるのでは自分の家への影響を心配している感情を受け止め、今後の管理の見通しを伝える

「説明がないこと」が苦情を大きくする

警察が来て、そのあと業者が出入りしているのに、何の説明もない。近所の方からすると、何が起きているのかわからず不安になります。その不安が、うわさや強い苦情に変わることがあります。反対に、早い段階で「ご迷惑をおかけしています。○日ごろまでに清掃を終える予定です」と一言あるだけで、受け止め方は大きく変わります。近隣対応で大切なのは、詳しい説明よりも、早さと誠実さです。

遺族が責められるべきことではない

一人暮らしの方が自宅で亡くなることは、どれだけ気をつけていても起こり得ます。近所の方からきつい言葉をかけられても、ご自身を責めすぎないでください。苦情の多くは、遺族個人への非難ではなく、目の前の困りごとへの訴えです。困りごとに対応する姿勢を見せることで、関係は落ち着いていくことがほとんどです。どうしても話がこじれる場合は、町内会の役員や管理会社など、間に入ってくれる人を頼ってください。

近隣へのお詫びと説明の仕方:伝えること・伝えなくていいこと

お詫びの目的は、事情を詳しく話すことではなく、不安を和らげることです。
お詫びの目的は、事情を詳しく話すことではなく、不安を和らげることです。

誰に、いつ、どうやって伝えるか

お詫びや説明をする相手は、まず両隣と、上下の部屋(集合住宅の場合)、向かいの家など、実際に影響を受けている可能性が高い方です。集合住宅なら、管理会社や管理組合を通じて伝える方法もあります。タイミングは、清掃や片付けの日程が決まった段階が目安です。直接訪ねるのが難しい場合は、手紙をポストに入れる方法もあります。手土産は必須ではありませんが、ちょっとした菓子折りを持参する方もいます。

賃貸住宅で亡くなった場合は、近隣への説明は基本的に大家や管理会社が窓口になります。遺族が個別に謝りに回るかどうかは、管理会社と相談して決めると、説明の内容がばらばらにならずに済みます。遠方に住んでいて直接うかがえない場合も、管理会社や町内会の方に伝言をお願いする方法があります。

伝えること・伝えなくていいこと

伝えること伝えなくていいこと
家族が亡くなったこと(「家族が亡くなりまして」程度で十分)亡くなった原因や、発見時の詳しい状況
ご迷惑をおかけしていることへのお詫び警察の捜査や検視の内容
清掃・片付けの予定と、終わる見込みの時期家族の事情や相続の話
困ったときの連絡先(遺族か管理会社)家を今後どうするか(決まっていなければ「検討中」でよい)

亡くなった原因を聞かれても、答える義務はありません。「詳しいことはお話しできないのですが」と前置きして、やわらかく伝えれば十分です。

伝え方の例

たとえば、次のような言い方が考えられます。「隣に住んでおりました○○の家族です。先日、○○が亡くなりまして、ご心配とご迷惑をおかけし申し訳ございません。○日に専門の業者が清掃に入り、○日ごろまでには終わる予定です。作業中は音や出入りがあるかと思います。何かお困りのことがあれば、こちらの番号にご連絡ください」。手紙の場合も同じ内容で、短くまとめると読みやすくなります。「いつまでに」「誰に連絡すればいいか」がわかるだけで、近所の方の不安は大きく減ります。

においや虫など実害があるときの対応

においや害虫は、専門の業者による早めの対応が近隣トラブルを防ぐ近道です。
においや害虫は、専門の業者による早めの対応が近隣トラブルを防ぐ近道です。

まずは原因を断つ:特殊清掃を早めに

においや虫の苦情があるときは、謝るだけでなく、原因そのものを早く取り除くことが何よりの対応です。発見が遅れた場合のにおいは、一般的な掃除や市販の消臭剤ではなかなか取れません。特殊清掃の専門業者に依頼し、汚れの除去と消臭を行ってもらいます。作業の前に、窓を開けて換気するとにおいや虫が外に広がることがあるため、自己判断で窓を開けないよう注意してください。においの性質や残る期間は孤独死のにおいはどんな臭い?いつまで残る?、害虫については孤独死現場のハエ・ウジの対策で解説しています。

集合住宅で隣の部屋に被害が出た場合

マンションやアパートでは、体液が床下を伝って下の階に染みる、においが換気口を通って隣室に入る、といった被害が出ることがあります。このような場合は、まず管理会社や管理組合に連絡し、被害の範囲を確認してもらいます。被害を受けた部屋の清掃や修理の費用を誰が負担するかは、事情によって変わります。相続人が負担を求められることもあるため、相続放棄を考えている場合は特に、支払いの約束をする前に弁護士に相談してください。分譲マンションの対応はマンションで孤独死が起きたときの管理組合の対応も参考にしてください。

費用の請求や強い要求があったとき

近隣の方から、クリーニング代や引っ越し代、資産価値が下がったことへの補償などを求められることがあります。その場で約束したり、口頭でお金を払ったりするのは避けましょう。「確認して改めてご連絡します」と伝え、要求の内容を記録しておくことが大切です。請求が妥当かどうかは法律の判断になるため、弁護士に相談してください。火災保険や個人賠償責任保険で対応できる場合もあるので、保険の内容も確認しましょう。

よくある誤解:近隣への説明と「告知義務」は別のもの

近隣への説明は礼儀の問題で、法律上の告知義務とは別に考えます。
近隣への説明は礼儀の問題で、法律上の告知義務とは別に考えます。

近所の方に説明する法律上の義務はない

「近所に事故のことを話さないといけないのか」と悩む方がいますが、近隣の方に亡くなった事情を説明する法律上の義務はありません。近隣へのお詫びや説明は、迷惑をかけていることへの礼儀として行うもので、話す範囲は遺族が決めてかまいません。むしろ、亡くなった方のプライバシーを守るためにも、詳しい事情は話さないほうがよい場合が多くあります。話した内容が人づてに広がり、事実と違ううわさになることもあるからです。「家族が亡くなりました」「ご迷惑をおかけしています」という事実とお詫びにとどめるのが、遺族にとっても近隣にとっても負担の少ない伝え方です。

告知が必要なのは、売る・貸すときの相手

法律や国土交通省のガイドラインで問題になる「告知」は、家を売るときの買主や、貸すときの借主に対するものです。ガイドラインでは、自然死や日常生活の中での不慮の死は原則として告知不要ですが、長期間発見されず特殊清掃などが行われた場合は告知の対象とされています。売買には期間の目安がなく、賃貸はおおむね3年が目安です。詳しくは事故物件の告知義務は何年で消える?をご覧ください。

隣の家・隣の部屋の人が売るときは原則対象外

ガイドラインでは、隣の住戸や、日常生活で通常使わない共用部分で起きた死は、原則として告知の対象外とされています。近所の方が「隣で亡くなった人がいるから、うちの家も事故物件になるのでは」と心配している場合、こうした考え方を知ってもらうと安心につながることがあります。ただし、事件性が高く広く報道されたような事案では、扱いが変わる場合もあります。マンションの別の部屋での事故の扱いはマンションの違う部屋での事故は告知対象?で解説しています。

売却するときの近隣への配慮:知られずに売る方法も

売り方によって、近所の目に触れる度合いは大きく変わります。
売り方によって、近所の目に触れる度合いは大きく変わります。

仲介で売ると、近所に知られやすい

一般的な仲介で売る場合、ポータルサイトへの掲載やチラシ、看板、内覧の出入りなどで、近所の方に売りに出していることが知られやすくなります。事故物件として告知したうえで募集するため、広告に「告知事項あり」と書かれることもあります。近所との関係がぎくしゃくしている場合、こうした動きがさらにうわさを広げることもあります。

買取なら、広告を出さずに売れる

不動産会社が直接買主になる買取なら、広告を出したり、多くの人が内覧に来たりすることがありません。そのため、近所の方に知られずに売却を進めやすくなります。価格は仲介より低めになりやすい一方、早く手放せ、近隣との関係で悩む時間を短くできます。近所に知られずに売る方法は事故物件を近所に知られずに売る方法で詳しく解説しています。

売却や工事のときも、一言のあいさつを

売却が決まったあとに解体やリフォームの工事が入る場合は、音やほこり、車の出入りで近所に負担がかかります。工事の前には、業者と一緒に、または業者を通じて、日程と時間帯を知らせておくと安心です。最後に「お世話になりました」と一言伝えておけば、遺族にとっても気持ちの区切りになり、新しい持ち主が近所と良い関係を始めるきっかけにもなります。

次に何をすればいい?近隣対応で疲れたら、早めに相談を

近隣対応を一人で抱え込まず、家の今後も含めて相談できる先を持ちましょう。
近隣対応を一人で抱え込まず、家の今後も含めて相談できる先を持ちましょう。

今すぐできること

  1. においや虫の苦情があれば、特殊清掃業者に早めに見積もりを依頼する
  2. 両隣・上下の部屋などに、清掃の予定と連絡先を伝える(手紙でもよい)
  3. 近隣からの要求や苦情の内容、日時をメモに残す
  4. 費用の請求があれば、その場で約束せず、弁護士や保険会社に確認する

家をどうするか決めることが、近隣対応のゴールにもなる

空き家の状態が続くと、近所の方の不安もなかなか消えません。家の今後が決まれば、近所の方にも「この家は○月ごろに引き渡します」と伝えられ、関係を落ち着かせやすくなります。株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件・相続物件の買取を行っており、当社が直接買主になります。チラシやポータルサイトに載せないため、近所に知られずに売却できます。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけ、古物商許可があるので家財の回収も行えます。

相談は無料・秘密厳守

「近所の目がつらい」「早く区切りをつけたい」と感じたら、どうぞ一人で抱え込まずにご相談ください。査定・相談は無料で、秘密は厳守します。契約不適合責任は免責で買い取ります。お電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)か相談フォームからご連絡ください。