マンションの違う部屋での事故は告知対象?結論と早見表

基準は「取引する部屋」と「その部屋に住む人が日常使う場所」です。
基準は「取引する部屋」と「その部屋に住む人が日常使う場所」です。

原則は「取引する部屋」と「日常使う共用部分」だけ

2021年10月に国土交通省が公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、告知の対象を、取引する住戸と、その住戸に住む人が日常生活で通常使う共用部分で起きた事案としています。隣の部屋や別の階の部屋など、ほかの住戸で起きた事案は、原則として告知の対象外です。

場所ごとの早見表

事案が起きた場所告知の扱い(原則)
取引する部屋の中自殺・他殺・特殊清掃をした孤独死などは告知が必要
その部屋のベランダ・専用庭部屋と同じように扱う
日常使う廊下・階段・エレベーター・エントランス告知の対象になり得る
隣の部屋・上下の部屋・別の階の部屋原則対象外
屋上・機械室など日常使わない共用部分原則対象外

「原則対象外」でも告知が必要になる場合

隣の部屋や通常使わない共用部分での事案でも、事件性・周知性・社会的影響が特に大きい場合は告知が必要になることがあります。また、買主・借主から「このマンションで何かありましたか」と聞かれた場合や、買主・借主にとって特に重要な事情があることがわかっている場合は、把握している事実を伝えます。ガイドラインの全体像は国交省ガイドラインのやさしい解説で紹介しています。

共用部分での死亡:「日常使うかどうか」が分かれ目

同じ共用部分でも、住人が毎日通る場所かどうかで扱いが変わります。
同じ共用部分でも、住人が毎日通る場所かどうかで扱いが変わります。

日常生活で通常使う共用部分とは

ガイドラインでは、ベランダなどの専用使用部分のほか、共用の玄関、エレベーター、廊下、階段のうち、その部屋に住む人が日常生活で通常使うものが対象とされています。毎日の出入りで必ず通る場所で起きた事案は、住む人の気持ちに影響しやすいためです。

日常生活で通常使わない共用部分

屋上、機械室、受水槽まわり、管理用の倉庫など、住人がふだん立ち入らない場所で起きた事案は、原則として告知の対象外です。ただし、立ち入りが自由な屋上で住人が日常的に過ごしているなど、物件によって実態が違うこともあるため、使われ方で判断します。

同じ棟でも、部屋によって扱いが違うことがある

たとえば、ある階の廊下で事案が起きた場合、その廊下を毎日通る同じ階の住戸と、別の階の住戸では受け止め方が違います。エレベーターが1基しかないマンションなら、ほぼ全住戸が日常的に使う共用部分です。反対に、棟が分かれている大規模マンションで別の棟の廊下で起きた事案は、日常使う場所には当たらないと考えられます。どの住戸にとって「日常使う場所」に当たるかは、建物のつくりで変わるため、管理会社や不動産会社と確認してください。

敷地内の駐車場・駐輪場・ゴミ置き場

マンションの敷地内にある駐車場や駐輪場、ゴミ置き場なども、住人が日常的に使う場所であれば共用部分と同じように考えます。一方、敷地の外の道路や近くの公園で起きた事案は、そのマンションでの事案には当たりません。ただし事件として大きく報道され、マンション名とあわせて知られている場合などは、周知性の観点から慎重に判断します。

隣室・別の階で事故があった部屋を売る・貸すときの考え方

告知が原則不要でも、聞かれたら事実を答えるのが基本です。
告知が原則不要でも、聞かれたら事実を答えるのが基本です。

売主・貸主としては「聞かれたら答える」

自分の部屋ではなく隣の部屋で事案があった場合、告知書に必ず書かなければならないわけではありません。ただし、買主・借主から質問された場合は、知っている範囲で事実を伝えます。隣の部屋の詳しい事情や、亡くなった方の個人的な情報まで伝える必要はありません。そもそも、ほかの住戸の事情は売主・貸主が正確に知らないことも多いものです。知らないことは「詳しくは把握していない」と答えれば足ります。

事件として広く知られている場合

報道されて地域でも広く知られている事件や、マンション名と結びついてネット上で話題になっている事案は、隣の部屋や別の階であっても、買主・借主の判断に影響すると考えられます。このような場合は告知を検討するのが安全です。事故物件の情報サイトに建物ごと掲載されているときの対応は事故物件サイトに載ったときの対応で説明しています。

迷ったら書面で伝えておく

告知が必要かどうか迷う場合は、伝えておく方がトラブルを防げます。「同じマンションの別住戸において、20XX年X月に居住者の死亡がありました。本住戸には関係ありません」のように、事実を簡潔に書く方法があります。書き方は重要事項説明書・告知書の記載例を参考にしてください。

賃貸と売買での違い

日常使う共用部分で告知が必要な事案が起きた場合、賃貸では部屋の中の事案と同じく、事案の発生(特殊清掃をした場合は発覚)からおおむね3年が経てば原則告知不要になります。売買にはこの期間の目安がなく、事案の内容や周りの認識で判断します。賃貸の扱いは賃貸の告知義務で詳しく説明しています。

マンション全体の資産価値への影響

影響は、事案のあった部屋が最も大きく、ほかの部屋は限られることが多いです。
影響は、事案のあった部屋が最も大きく、ほかの部屋は限られることが多いです。

事案のあった部屋の価格は下がりやすい

告知が必要な事案があった部屋は、売却価格や家賃が相場より下がるのが一般的です。下がり方は、死因、経過した年数、立地、リフォームの状態などで大きく変わります。目安は事故物件はどれくらい安くなる?にまとめています。

ほかの部屋への影響は限られることが多い

隣の部屋や別の階の住戸は、原則として告知の対象外です。そのため、一般的には事案のあった部屋以外の価格への影響は限られることが多いといえます。大規模なマンションほど、一室で起きた事案が建物全体の評価に与える影響は小さくなる傾向があります。

建物全体に影響が出やすいケース

  • 大きく報道された事件で、マンション名が広く知られている
  • エントランスや共用廊下など、全住人が使う場所で起きた
  • 戸数が少なく、一室の事案が建物全体の印象になりやすい
  • 同じ建物で短期間に複数の事案が起きた

こうした場合は、事案のあった部屋以外でも問い合わせが減ったり、価格交渉が入りやすくなったりすることがあります。とくに建物全体が事故物件の情報サイトに表示されている場合は、ネットで調べた買主が気にすることがあります。ただし、時間の経過とともに影響は小さくなっていくのが一般的です。

分譲マンションで事案が起きたときの管理組合・住人の対応

管理組合・管理会社と住人が協力して、落ち着いて対応することが大切です。
管理組合・管理会社と住人が協力して、落ち着いて対応することが大切です。

共用部分の清掃や消臭は管理組合の判断

孤独死の発見が遅れた場合、臭いが廊下や上下の階に広がったり、害虫が共用部分に出たりすることがあります。共用部分の清掃や消臭は、管理組合や管理会社が判断して対応します。対応の流れはマンションで孤独死が起きたときの管理組合の対応で詳しく説明しています。

住人どうしでうわさを広げない

亡くなった方とご遺族への配慮から、事案の詳細を住人どうしで広めることは避けたいところです。うわさが広がることで、かえってマンション全体の印象を悪くしてしまうこともあります。管理組合からの案内は、事実を簡潔に伝える程度にとどめるのが一般的です。住人から問い合わせがあった場合も、管理会社が窓口になって対応すると、個々の住人が説明に困ることを防げます。

近隣住戸への影響が気になる場合

臭いが自分の部屋に入ってきた、配管を通じて影響が出た、といった場合は、管理会社に連絡して状況を確認してもらいましょう。被害がある場合の費用負担は、原因や契約内容によって変わるため、管理会社や弁護士に相談してください。臭いの性質と残る期間は孤独死のにおいはいつまで残る?で解説しています。

マンションを買う・借りる側が確認すべきこと

気になる人は、部屋だけでなく建物全体について質問しておきましょう。
気になる人は、部屋だけでなく建物全体について質問しておきましょう。

「この部屋」と「この建物」の両方を聞く

不動産会社に質問するときは、「この部屋で人が亡くなったことはありますか」に加えて、「このマンションの共用部分や、ほかの部屋で何か事件や事故はありましたか」と聞くと、知っている範囲で答えてもらえます。聞き方のコツは不動産屋は事故物件を聞いたら教えてくれる?で紹介しています。

管理状態も一緒に確認する

管理会社が共用部分の清掃や修繕をきちんと行っているかは、事案の有無以上にマンションの住み心地と資産価値を左右します。重要事項調査報告書などで、管理費・修繕積立金の滞納状況や修繕の履歴も確認しましょう。

賃貸で借りる場合の注意

賃貸では、事案から3年を過ぎると原則として告知されなくなります。ほかの部屋や共用部分のことも含めて気になる方は、契約前に質問し、答えをメールなど記録に残る形でもらっておくと安心です。住んでから気になることがわかった場合の対応は事故物件と知らされなかったときの解約で説明しています。

自分で調べる方法

事故物件の情報を集めたサイト(大島てるなど)で建物を検索する方法もありますが、掲載情報がすべて正確とは限りません。気になる情報があれば、不動産会社に確認してください。中古マンションの確認方法は中古マンションの事故物件の見分け方にまとめています。

事故のあったマンションの部屋を売るなら:次にすべきこと

部屋の事案か、建物の事案かを整理してから相談しましょう。
部屋の事案か、建物の事案かを整理してから相談しましょう。

まず、どこで何があったかを整理する

自分の部屋で起きた事案なのか、ほかの部屋や共用部分の事案なのかで、告知の要否は大きく変わります。時期、場所、死因、清掃や工事の有無を整理し、判断が難しいときは弁護士に確認してください。売主の告知義務は事故物件の売却と告知義務で詳しく説明しています。

事案のあった部屋の売却は、仲介と買取を比べる

事案のあった部屋は、仲介で一般の買主を探すと時間がかかることがあります。ポータルサイトに「告知事項あり」と掲載されると、同じマンションの住人の目に触れる可能性もあります。管理費や修繕積立金は売れるまで毎月かかり続けるため、売却にかかる期間も含めて比べることが大切です。マンション特有の売却のポイントは事故物件のマンションを売却する方法で解説しています。

近所に知られずに売りたいなら

株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件の買取を行っています。当社が直接買主になるため、チラシやポータルサイトに掲載せず、同じマンションの住人に知られずに売却を進められます。特殊清掃前や家財が残ったままでも相談でき、契約不適合責任は免責で買い取ります。査定・相談は無料、秘密は厳守します。大阪市北区・中央区などの都心のマンションから郊外の団地まで対応しています(例:大阪市北区)。無料相談フォームまたはお電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)でご相談ください。