オゾン脱臭とは?特殊清掃で使われる理由

オゾンは、においの成分を分解して別の物質に変えます。
オゾンは、においの成分を分解して別の物質に変えます。

オゾンでにおいを「分解」する

オゾンは酸素の仲間の気体で、ほかの物質と反応しやすい、つまり強い酸化力を持っています。オゾン発生器という機械で部屋の中にオゾンを満たすと、空気中や壁・床・天井に付いたにおいの成分とオゾンが反応し、においの元を分解します。芳香剤や消臭スプレーは、においの上から別の香りをかぶせたり、一部の成分を包み込んだりするものが多く、孤独死の現場のような強いにおいには追いつかないことがほとんどです。オゾンは反応したあと、時間がたつと酸素に戻るため、薬剤のように成分が部屋に残り続けないことも特徴の一つです。

なぜ特殊清掃でよく使われるのか

孤独死の現場のにおいは、空気だけでなく、壁紙、天井、カーテン、家具のすき間など、部屋中のあらゆる所に入り込みます。気体のオゾンは、すき間や手の届かない所にも行き渡るため、人の手で拭き取れない所のにおいにも働きかけられるのが強みです。また、除菌の効果も期待できるとされ、清掃後の仕上げとして広く使われています。におい全般については孤独死のにおいはどんな臭い?いつまで残る?で解説しています。

オゾン脱臭は「仕上げ」の作業

大事なのは、オゾン脱臭は汚れを取り除いたあとに行う仕上げだということです。体液が染み込んだ床材や寝具が残ったままでは、においの元が次々に出てくるため、オゾンをいくら使っても追いつきません。汚れの除去、消毒、汚れた物の撤去を終えてから、最後に残ったにおいを分解するのがオゾンの役割です。業者によっては、オゾンのほかに、薬剤の噴霧や、においを吸着する方法を組み合わせることもあります。特殊清掃の作業の全体像は特殊清掃とは?をご覧ください。

オゾン脱臭の効果と、効果が出にくいケース

においの元が建物の内部に残っていると、オゾンだけでは取りきれません。
においの元が建物の内部に残っていると、オゾンだけでは取りきれません。

効果が出やすいケース

  • 汚れた床材・寝具・家財をすでに撤去し、清掃と消毒が終わっている
  • においが部屋の空気や壁紙・天井の表面にとどまっている
  • 部屋を閉め切って、オゾンの濃さを保てる

効果が出にくいケース

  • 体液が床の下地や柱、コンクリートの中まで染み込んでいる
  • 浴槽の配管や排水口の奥に汚れが残っている
  • 家財が多く残り、においを吸った物が部屋に置かれたまま
  • すき間の多い古い建物で、オゾンが外に逃げてしまう

とくに浴室での孤独死では、浴槽の水や配管の中に汚れが残りやすく、オゾンだけでは対応しきれないことがよくあります(くわしくは浴室での孤独死と清掃)。こうした場合は、床をはがして下地を処理する、壁紙を張り替える、配管を洗浄・交換するなど、においの元そのものを取り除く作業が必要になります。そのあとで改めてオゾン脱臭を行うと、効果が出やすくなります。

「においが戻る」のはなぜか

脱臭直後はにおいが消えたように感じても、数日〜数週間たって、とくに気温や湿度が上がったときに、においが戻ってくることがあります。建物の内部に残ったにおいの元が、暖かくなると外に出てくるためです。業者に頼むときは、においが戻った場合に再作業してもらえるか、その費用はどうなるかを、契約前に確認しておきましょう。貸したり売ったりする予定があるなら、季節をまたいで様子を見てから内装工事に入ると、工事のやり直しを防ぎやすくなります。

オゾン脱臭の費用目安と作業日数

費用は、機械の台数と稼働させる日数でおおむね決まります。
費用は、機械の台数と稼働させる日数でおおむね決まります。

費用の決まり方

業者に頼むオゾン脱臭の費用は、部屋の広さ(使う機械の台数)と稼働させる日数でおおむね決まります。においが軽ければ短時間で済みますが、孤独死の現場では、数日にわたって機械を動かし、途中でにおいの残り具合を確認しながら進めることが多くなります。

費用の目安

状態作業の目安費用の目安
においが比較的軽い(1K程度)短時間〜1日程度の稼働数万円程度
部屋全体ににおいが染みている数日の稼働、途中で確認数万円〜十数万円
一戸建て・複数の部屋複数台を数日〜それ以上十数万円以上になることも

いずれも目安で、物件の状態や時期、業者によって変わります。多くの場合、オゾン脱臭は特殊清掃の見積もりの一項目として組み込まれています。見積書に「消臭作業」「脱臭」とだけ書かれているときは、オゾンを使うのか、何日動かすのかを確認してください。見積書の読み方は特殊清掃の見積もりの内訳と見方で解説しています。

日数がかかる理由

オゾン脱臭は、機械を動かしたあと、オゾンが分解されて濃さが下がるまで部屋に入れません。そのため、「動かす→換気する→においを確認する」を何度か繰り返すことになり、作業そのものは短くても、完了までの日数は延びやすいのが特徴です。集合住宅では、作業中にオゾンやにおいが廊下にもれないよう、玄関や換気口をふさぐ準備にも手間がかかります。日数が延びれば費用もかさむため、見積もりの段階で「何日動かす予定か」「延びたら費用はどうなるか」を確認しておくと安心です。

オゾン脱臭の安全上の注意

オゾンは、においの元だけでなく人の体にも作用します。
オゾンは、においの元だけでなく人の体にも作用します。

濃いオゾンは人体に有害

においの元を分解するほど強い力を持つオゾンは、人が吸い込むと目やのど、肺を刺激し、体調を崩す原因になります。特殊清掃で使う業務用の機械は、家庭用の空気清浄機とは比べものにならないほど濃いオゾンを出します。そのため、作業中は部屋を閉め切り、人もペットも室内に入らないのが原則です。市販のオゾン発生器でも、使い方によっては室内のオゾン濃度が高くなりすぎることがあるため、取扱説明書の使用条件を守りましょう。

作業中・作業後に気をつけること

  • 作業中は部屋に入らない。ドアに「立入禁止」の掲示をする
  • 観葉植物・ペット・熱帯魚などは事前に外に出す
  • 作業後は十分に換気し、オゾンのにおい(独特のツンとしたにおい)が消えてから入る
  • 集合住宅では、すき間から廊下や隣室にもれないよう配慮する

建物や家財への影響

オゾンは物の表面にも作用するため、長時間・高濃度で使い続けると、ゴム製品やプラスチック、布製品などが傷んだり色があせたりすることがあります。形見として残したい衣類や写真、着物、美術品などは、脱臭作業の前に部屋から出しておくと安心です。業者に頼む場合も、残したい物があることを必ず伝えてください。また、オゾン発生器は電気で動くため、電気が止められている部屋では、先に電気の利用を再開する手続きが必要になることもあります。

オゾン発生器はレンタルして自分で使える?

機械は借りられても、孤独死の現場で自分で使うのはおすすめしません。
機械は借りられても、孤独死の現場で自分で使うのはおすすめしません。

レンタル自体はできる

オゾン発生器は、インターネットなどでレンタルや購入ができ、たばこやペットのにおい対策に個人で使う人もいます。そのため、「業者に頼まずに自分でオゾン脱臭すれば安く済むのでは」と考える方もいます。

孤独死の現場で自分で使うのをおすすめしない理由

  • 汚れの除去が先:においの元が残ったままでは、機械を回しても効果が出ない
  • 汚れに触れる危険:においの元を取り除く作業には、専用の防護具と薬剤が必要
  • 濃さの管理が難しい:濃すぎれば人体や家財に害があり、薄すぎれば効果がない
  • 近隣への影響:集合住宅では、オゾンやにおいがもれて苦情になることがある

汚れの除去と消毒を業者が終えたあとで、残ったわずかなにおいの仕上げに使う、という場面なら、自分で使う選択肢もあります。その場合も、機械の説明書の使い方を守り、使用中は部屋に入らないでください。

市販の消臭剤との違い

市販の消臭スプレーや芳香剤は、日常のにおいには役立ちますが、孤独死の現場のにおいに対しては、一時的にまぎらわせるだけで、においの元は残ります。かえって、においの元がどこにあるのか分かりにくくなり、業者の作業が増えることもあります。業者に頼む前には、むやみに消臭剤をまかないでおくのが無難です。においが気になって近所から問い合わせがあるときは、窓を開け放つよりも、業者が来るまで部屋を閉めておき、早めに業者に連絡するほうが、においや害虫が広がるのを防げます。

脱臭してもにおいが残るとき・売却や賃貸への影響

においの問題と、告知の問題は分けて考える必要があります。
においの問題と、告知の問題は分けて考える必要があります。

においが残るときに考えること

オゾン脱臭を何度か行ってもにおいが残る場合は、建物の内部に原因が残っていると考えられます。床の下地、壁の中の断熱材、配管、コンクリートの床などを確認し、必要に応じて解体や交換をすることになります。清掃と内装工事の違い・範囲は特殊清掃と原状回復の違いで解説しています。

においが消えても、告知が不要になるわけではない

国土交通省のガイドラインでは、自然死であっても長期間発見されず特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、告知の対象とされています。賃貸では、特殊清掃などが行われた場合は発覚から、おおむね3年が経過すると原則として告知不要となりますが、売買には期間の目安がありません。においが完全に消えても、特殊清掃をしたという事実は残るため、貸す・売るときにどう伝えるかは別に考える必要があります。告知の考え方は事故物件の告知義務は何年で消える?をご覧ください。

売るなら、脱臭の前に相談するのも一つの方法

住む予定も貸す予定もない場合、何度も脱臭や工事を重ねるより、今の状態のまま売れるかを先に相談するほうが、出費を抑えられることがあります。買取であれば、清掃や脱臭、内装工事を買主側が引き受け、その費用を見込んで価格を出すのが一般的です。

清掃・脱臭の前に、まずはご相談ください

清掃前・においが残った状態でもご相談いただけます。
清掃前・においが残った状態でもご相談いただけます。

特殊清掃前の事故物件・孤独死物件も買い取ります

株式会社GEEZは、事故物件・孤独死物件を当社が直接買主となって買い取る不動産会社です。特殊清掃の前でも、においが残った状態でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可があるため、家財の回収も行えます。

近所に知られず、売ったあとの不安も少なく

チラシやポータルサイトに掲載しないため、近所に知られずに進められます。契約不適合責任は免責で買い取るので、売却後に建物の不具合を理由に責任を問われる心配を減らせます。大阪府全域に対応しています。

相談・査定は無料です

「脱臭を何度もしたのに、においが取れない」「このまま持っていてよいか迷っている」というご相談もお受けしています。秘密は厳守します。相談フォーム、またはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でお気軽にどうぞ。