特殊清掃の見積もりは「項目ごと」に確認する

同じ総額でも、含まれている作業が違えば比べられません。
同じ総額でも、含まれている作業が違えば比べられません。

「一式」だけの見積書は要注意

特殊清掃は、消毒、汚れた物の撤去、清掃、消臭、害虫の駆除、家財の処分など、多くの作業の組み合わせです。見積書に「特殊清掃一式 〇〇万円」とだけ書かれていると、どの作業が含まれていて、どの作業が含まれていないのかが分かりません。あとから「消臭は別料金です」「家財の処分は含まれていません」と言われても、確認のしようがなくなります。一式と書かれている場合は、内訳を出してもらうよう頼みましょう。まっとうな業者であれば応じてくれます。

現地を見たうえでの見積もりか

特殊清掃の費用は、汚れの広がり、においの強さ、害虫の量、家財の量で大きく変わります。電話や写真だけで出された金額は、あくまで概算です。契約は、現地を確認したうえで出された見積書で行うのが基本です。遠方で立ち会えない場合は、業者に写真や動画を撮ってもらい、作業の範囲を一緒に確認してから契約します。

見積もりの段階で確認しておきたいこと

見積もりそのものに費用がかかるか、出張費が別にかかるかは業者によって違います。依頼する前に、見積もりにかかる費用の有無と、見積もり後に断った場合の扱いを確認しておくと安心です。また、見積もりの日には、残したい物、探してほしい物、作業後に家をどうするつもりかを、できるだけ具体的に伝えてください。伝える内容が業者ごとにばらばらだと、出てくる見積もりの前提もそろわず、比べにくくなります。業者選び全体のポイントは特殊清掃業者の選び方で解説しています。

特殊清掃の見積書によく出てくる項目と意味

項目の意味が分かると、見積書の比較がしやすくなります。
項目の意味が分かると、見積書の比較がしやすくなります。

清掃・消毒・消臭に関する項目

項目内容確認したいこと
初期消毒・除菌作業前に部屋全体を消毒する作業の最初と最後の両方に入っているか
汚染物撤去体液などで汚れた寝具・畳・カーペットなどの撤去と梱包処分費が含まれているか
特殊清掃(汚染箇所の清掃)床・壁などの汚れを専用の薬剤で取り除く範囲(部屋・場所)が書かれているか
消臭・脱臭(オゾン脱臭など)機械や薬剤でにおいを分解する方法・台数・日数、においが残った場合の対応
害虫駆除ハエ・ウジなどの駆除回数、作業後に出てきた場合の対応

家財・廃棄物に関する項目

項目内容確認したいこと
遺品整理・仕分け残す物・処分する物の仕分け、貴重品の捜索探してほしい物を伝えたか
搬出作業家財を運び出す作業(人数・時間)階段作業や長い距離の運搬が含まれるか
廃棄物処分費ごみ・不用品の処分費用許可業者で処分するか、量(トラック台数など)
家電リサイクル料金エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの処分台数ごとに書かれているか
買取(相殺)値段のつく家財を買い取り、費用から差し引く品目と金額が書かれているか

工事・その他の項目

  • 床材・下地の解体撤去:体液が染み込んだフローリングや下地をはがす作業
  • 壁紙(クロス)の撤去:においが染みた壁紙をはがす作業。張り替えは別のことが多い
  • 養生費:共用部やエレベーターを傷つけないよう保護する費用
  • 車両費・出張費・駐車場代:トラックや作業車の費用
  • 供養:仏壇や人形などの供養を手配する場合の費用

オゾン脱臭の仕組みは特殊清掃のオゾン脱臭で解説しています。

計算例で見る特殊清掃の見積書

計算例は内訳の見方をつかむためのもので、相場を示すものではありません。
計算例は内訳の見方をつかむためのもので、相場を示すものではありません。

計算例:1Kで発見が遅れた場合の見積書のイメージ

計算例(仮の数字です)初期消毒・除菌:2万円/汚染物撤去:3万円/特殊清掃(居室の汚染箇所):5万円/オゾン脱臭(3日):5万円/害虫駆除(2回):2万円/遺品整理・搬出:5万円/廃棄物処分費:4万円/家電リサイクル料金(2台):1万円/養生費・車両費:2万円/小計:29万円。実際の金額は物件・季節・業者で大きく変わります。

この計算例で注目してほしいのは、清掃そのものより、家財の整理・処分に関する費用の割合が大きいことです。家財が多い住まいほど、この部分がふくらみます。反対に、亡くなった場所の汚れが軽く、家財も少なければ、清掃と消臭だけの比較的小さな見積もりで済むこともあります。1K・ワンルームの費用の目安は1K・ワンルームの特殊清掃相場、一戸建ての場合は一軒家の特殊清掃費用をご覧ください。

見積書で見落としやすいところ

  • 消費税が含まれているか(税込か税別か)
  • 床の解体や壁紙の撤去が「必要に応じて別途」となっていないか
  • 張り替え・リフォームは含まれているか、別の見積もりか
  • 見積もりの有効期限と、作業日の目安

「安い見積もり」が安いとは限らない

総額が安く見えても、消臭や処分費が含まれていなかったり、追加費用の条件が広く設定されていたりすると、最終的な支払いは高くなることがあります。比べるときは、同じ作業がそろっているかを項目ごとに確認してから総額を見るようにしてください。反対に、ほかより極端に高い見積もりも、なぜその金額になるのかを質問してみる価値があります。作業の範囲を広く取っている、リフォームまで含めているなど、理由がはっきりしていれば、比べる材料になります。

追加費用が出やすいケースと、トラブルを防ぐ確認

追加費用はゼロにはできなくても、事前に条件を決めておくことはできます。
追加費用はゼロにはできなくても、事前に条件を決めておくことはできます。

追加費用が出やすいケース

  • 床材をはがしてみたら、下地やその下まで汚れが染みていた
  • 脱臭をしてもにおいが取れず、壁紙の撤去や追加の脱臭が必要になった
  • 押し入れ・物置・ベランダなど、見積もりに入っていなかった場所に家財があった
  • 作業後に、さなぎからかえったハエが出てきて再度の駆除が必要になった
  • 家財の量が見積もりより多く、トラックの台数が増えた

このうち、床の下地の汚れやにおいの残り方は、作業を始めてみないと分からないことも多く、追加費用が出る可能性は完全にはなくせません。だからこそ、出るかもしれない追加費用を最初の説明で正直に伝えてくれる業者のほうが、結果として安心して任せられることが多いのです。「追加費用は一切かかりません」と言い切る業者には、その分が最初の金額に上乗せされていないか、作業の範囲がせまく設定されていないかを確認してください。

トラブルを防ぐために決めておくこと

  1. 追加費用が出る可能性がある作業と、そのおおよその金額を見積書に書いてもらう
  2. 追加作業が必要になったときは、作業の前に連絡をもらい、了承してから進めると取り決める
  3. においが残った場合、虫が出た場合の再作業の条件と費用を確認する
  4. 口頭ではなく、書面やメールで記録を残す

もめたときの相談先

消費者ホットライン「188」請求額が見積もりと大きく違う、説明のない追加請求をされたといったときは、局番なしの188に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。見積書・契約書・請求書・やりとりの記録は捨てずに残しておいてください。

トラブルの防ぎ方は特殊清掃・遺品整理のトラブルと防ぎ方でもまとめています。

相見積もりで比べるコツ

比べる相手がいると、金額の妥当性と説明のていねいさが見えてきます。
比べる相手がいると、金額の妥当性と説明のていねいさが見えてきます。

相見積もりは2〜3社が目安

相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取って比べることです。特殊清掃では、2〜3社から取るのが現実的です。あまり多くの業者に見積もりを頼むと、そのたびに現地調査の立ち会いが必要になり、ご遺族の負担が大きくなります。

比べるときの手順

  1. 各社に同じ条件(作業の範囲、残したい物、作業後の使い道)を伝える
  2. 見積書を項目ごとに並べ、含まれている作業・含まれていない作業を書き出す
  3. 消臭の方法と日数、処分費、追加費用の条件を比べる
  4. 最後に総額を比べる

金額だけでなく、質問にていねいに答えてくれるか、作業の流れを分かりやすく説明してくれるかも、大切な判断材料です。

急ぎのときは「緊急の作業」と「あとの作業」を分ける

においや害虫が近隣に広がっているときは、何日もかけて比べている余裕がないこともあります。その場合は、消毒・害虫駆除・汚れた物の撤去など緊急の作業だけを先に依頼し、遺品整理や床の解体、リフォームは落ち着いてから改めて見積もりを取って比べる、という分け方ができます。賃貸住宅の場合は、どの業者に頼むか、費用をどう分けるかを、大家・管理会社と相談してから決めてください。

見積もりを取る前に考えておきたい「家の今後」

家の使い道によって、見積もりに入れるべき作業の範囲が変わります。
家の使い道によって、見積もりに入れるべき作業の範囲が変わります。

住む・貸す・売るで必要な作業は違う

特殊清掃の見積もりを取る前に、その家を今後どうするかを考えておくと、むだな作業を頼まずに済みます。家族が住む、または貸すのであれば、清掃からリフォームまで一定の水準が必要です。一方、売る予定なら、高額なリフォームの費用がそのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。解体して土地として売るなら、内装の工事は必要ありません。清掃と内装工事の範囲の違いは特殊清掃と原状回復の違いで解説しています。

清掃をしても告知は必要になることがある

国土交通省のガイドラインでは、自然死であっても長期間発見されず特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、告知の対象とされています。売買には告知が不要になる期間の目安がないため、きれいに清掃しても、売るときに伝えるべき事実は残ります。くわしくは孤独死は事故物件になる?をご覧ください。

相続放棄を考えている場合

相続放棄を考えている場合は、清掃や家財の処分を依頼する前に、弁護士・司法書士に確認してください。相続財産を処分すると、相続を認めたとみなされるおそれがあるためです。衛生上どうしても必要な最低限の作業と、家財の処分や売却とでは扱いが異なると考えられていますが、どこまでが許されるかは事情によって変わります。

見積もりが高くて迷ったら、そのまま売る方法もご相談ください

清掃前・家財が残ったままの状態でもご相談いただけます。
清掃前・家財が残ったままの状態でもご相談いただけます。

清掃前の事故物件・孤独死物件を直接買い取ります

株式会社GEEZは、事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買主となって買い取る不動産会社です。大阪府全域に対応しています。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可を持っているため、家財の回収もあわせて行えます。清掃の見積もりと、そのまま売った場合の手取りを比べたうえで判断していただけます。

近所に知られず、売ったあとの不安も少なく

チラシやポータルサイトへの掲載をしないため、近所に知られずに売却を進められます。契約不適合責任は免責で買い取るので、売ったあとに建物の不具合を理由に責任を問われる心配を減らせます。

相談・査定は無料です

「清掃の見積もりを取ったけれど、高くて迷っている」という段階でもかまいません。秘密は厳守します。相談フォーム、またはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でお問い合わせください。