事故物件が売れない理由は4つに分けて考える

売れない原因のほとんどは4つのどれか
- 価格:事故の影響を織り込まず、周辺の相場に近い価格のままになっている
- 告知のしかた:告知の内容があいまいで、買主が不安を感じている
- 室内の状態:においや汚れ、家財が残っていて、内覧した人が具体的な暮らしを想像できない
- 売り方:事故物件の扱いに慣れていない会社に任せている、一般の買主だけを相手にしている
一つだけが原因のこともあれば、いくつかが重なっていることもあります。まずは「問い合わせが少ない」のか、「内覧はあるが決まらない」のかを分けて見ると、原因の見当がつきます。
問い合わせが少ないなら「価格」と「売り方」を疑う
広告を出しても反響がほとんどない場合は、物件を見る前の段階で選ばれていません。多くの場合、価格が事故物件として割高に見えているか、そもそも事故物件を探している層に情報が届いていないかのどちらかです。
内覧はあるのに決まらないなら「状態」と「告知」を疑う
内覧まで進むのに申し込みがない場合は、現地で不安を感じさせる要素が残っている可能性があります。におい、汚れ、家財の多さ、そして事故について質問したときの説明のあいまいさは、買主の気持ちを大きく左右します。
仲介会社に任せている場合は、内覧に来た人がどんな点を気にしていたか、断られた理由は何だったかを聞いてみてください。「価格が予算より高い」「においが気になった」「住宅ローンが通りにくいと言われた」など、具体的な声がわかれば、手を打つべき場所がはっきりします。反響や内覧の記録をこまめに報告してもらうことも、売れない状態を早く抜け出すための大事な一歩です。
価格が原因で売れない場合の対策

周辺相場をそのまま当てはめていないか
事故物件は、同じ地域・同じ広さの一般の物件より安くないと選ばれにくいのが実情です。どのくらい下がるかは、事故の内容、発生からの期間、清掃の状況、立地によって大きく変わるため、一律の割合はありません。考え方の目安は事故物件はどれくらい安くなる?価格・家賃の相場で解説しています。周辺の取引価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べることができます。
小刻みな値下げを繰り返さない
少しずつ値下げを続けると、「まだ下がるかもしれない」と買主に様子を見られやすくなります。見直すなら、反響の状況や他の物件と比べたうえで、一度でしっかり見直すほうが効果は出やすいと言えます。
また、ポータルサイトでは価格帯で絞り込んで物件を探す人が多いため、たとえば1,000万円や2,000万円といった区切りのすぐ上に価格があると、検索結果に出にくくなります。区切りの少し下に価格を合わせるだけで、目に触れる回数が増えることもあります。値下げの幅を決めるときは、こうした「見られ方」も意識しておくとよいでしょう。
「いくらなら売れるか」を先に知っておく
仲介で売り出す前に、買取業者にも査定を頼んでおくと、「最低でもこの金額なら売れる」という下限がわかります。下限がわかっていれば、仲介でどこまで粘るか、いつ買取に切り替えるかを冷静に決められます。
告知のしかたが原因で売れない場合の対策

伝えるべきことを、事実として簡潔に
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(2021年10月公表)では、自殺や他殺、発見が遅れて特殊清掃や大規模なリフォームが行われた孤独死などは告知の対象とされています。売買では、告知が不要になる期間の目安は示されていません。告知の範囲と考え方は事故物件の告知義務は何年で消える?で詳しく説明しています。
大切なのは、いつ・どの場所で・どのような事案があり、その後どんな対応(清掃・リフォーム)をしたかを、事実として簡潔に伝えることです。あいまいな説明は、かえって買主の想像をふくらませてしまいます。
対応した内容を書面で見せる
特殊清掃の作業報告書、交換した床材や設備の記録、消臭の実施内容などがあれば、買主に示せるよう用意しておきましょう。「どこまで手を入れたか」がわかると、不安はかなり和らぎます。
お祓いや供養を行った場合も、その旨を伝えると気持ちの面で安心する買主がいます。必須の手続きではありませんが、遺族の心の区切りにもなるため、行うかどうかを家族で話し合ってみてもよいでしょう。費用の目安は事故物件のお祓い費用の相場で紹介しています。
隠して売ると、あとでより大きな負担になる
告知すべき事実を隠して売ると、売ったあとに契約の解除や損害賠償を求められるおそれがあります。契約不適合責任を免責にする特約を付けていても、知っていながら告げなかった事実は免責されません。目先の売れやすさのために隠すことは、結果として損につながります。
室内の状態が原因で売れない場合の対策

においが残っていないか第三者に確かめる
住んでいた家族や、何度も出入りしている人は、においに慣れてしまっていることがあります。特殊清掃をしたあとでも、床下や壁の内側ににおいが残っていると、内覧で気づかれます。においの原因と消える目安は孤独死のにおいはいつまで残る?を参考にしてください。
家財が多いと「使えるイメージ」がわかない
遺品や家財が残ったままだと、部屋の広さや傷み具合が見えにくく、買主は判断できません。とはいえ、遺品整理や大きなリフォームを先に進めると、その費用は売れるかどうかにかかわらず先に出ていきます。費用をかけるべきかは、買取業者の査定を受けて「現状のまま売る場合」の金額と比べてから決めるのが合理的です。
建物の老朽化も合わせて考える
事故の影響だけでなく、建物の古さが売れにくさの原因になっていることもあります。1981年5月31日以前に建築確認を受けた旧耐震基準の建物や、雨漏り・シロアリ被害がある建物は、住宅ローンが使いにくい、修繕費がかかるといった理由で敬遠されがちです。この場合、建物を残すか、解体して土地として売るかの判断も必要になります。詳しくは事故物件は解体して更地で売るべきかをご覧ください。
売り方・業者選びが原因で売れない場合の対策

一般の買主だけを相手にしていないか
仲介で売る場合、買主の多くは自分で住むための家を探している一般の方です。事故物件を気にしない方もいますが、数は限られます。一方で、買取業者は事故物件であることを前提に価格を出し、自社で清掃やリフォームを行って再販売・賃貸します。相手を「住む人」から「買い取って活用する会社」に変えることで、話が進むことがあります。
仲介と買取の違い
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般の個人が中心 | 不動産会社 |
| 価格 | 買取より高くなる可能性がある | 仲介より低めになりやすい |
| 売れるまでの期間 | 読めない(長引くことも多い) | 条件が合えば短期間 |
| 近所への広まり | 広告を出すため知られやすい | 広告を出さずに進められる |
| 仲介手数料 | 成約時にかかる(法律で上限あり) | 直接の売買なので発生しない |
仲介から買取へ切り替える目安
たとえば、売り出しから一定期間たっても問い合わせがほとんどない、価格を見直しても反応が変わらない、固定資産税や管理費の負担が重い、相続人の間で早く現金化したい事情がある、といった場合は、買取への切り替えを考えるタイミングです。仲介の媒介契約を結んでいる場合は、契約の種類と期間、解約の条件を確認してから動きましょう。
売れ残るとかかるコストと放置のリスク

持っているだけでかかる主な費用
- 固定資産税・都市計画税(毎年1月1日時点の所有者に課税)
- マンションの場合は管理費・修繕積立金
- 火災保険料(空き家になると加入条件が変わることがある)
- 水道・電気の基本料金、庭木の手入れや見回りの交通費
計算例:固定資産税・都市計画税が年10万円、管理費・修繕積立金が月2万5千円、火災保険料が年2万円のマンションを2年間売れずに持っていた場合(仮の数字)、10万円×2+2.5万円×24か月+2万円×2=84万円が出ていく計算になります。早く売るために価格を見直した場合の差額と比べると、判断の材料になります。
空き家の放置は税金と責任のリスクも
2023年12月13日に施行された改正空家対策特別措置法では「管理不全空家」が新設されました。管理が不十分として勧告を受けると、土地の固定資産税を下げている住宅用地特例(200㎡以下の部分は課税標準が6分の1)が外れ、税額が上がるおそれがあります。また、建物の一部が落ちて通行人にけがをさせた場合などは、民法717条により所有者が過失がなくても責任を負うことがあります。
時間がたっても告知の必要は消えない
「何年か待てば普通に売れる」と考える方もいますが、売買では告知が不要になる期間の目安は示されていません。待っている間に建物は傷み、コストもかかり続けます。待つことのメリットとデメリットを、数字で比べてみることをおすすめします。
次に何をすればいいか:原因の切り分けと相談先

今の状況を3つの数字で整理する
- 売り出してからの期間と、問い合わせ・内覧の件数
- 現在の売り出し価格と、周辺の取引価格
- 持ち続けた場合に1年でかかる費用
この3つがわかると、価格を見直すべきか、売り方を変えるべきかが判断しやすくなります。相続や税金が関係する場合は、司法書士・税理士にも早めに相談しておくと安心です。
買取の査定で「下限」を知る
仲介を続けるにしても、買取の査定額を一度知っておくと、売れないまま時間が過ぎる不安が小さくなります。査定の仕組みは事故物件の査定、業者の比べ方は事故物件の買取業者の選び方で解説しています。
株式会社GEEZにご相談ください
株式会社GEEZは、大阪府全域(67エリア)で事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買主となって買い取っています。仲介で売れずに困っている物件、特殊清掃前の物件、遺品や家財が残ったままの物件もご相談いただけます。契約不適合責任は免責で、チラシやポータルサイトに載せずに進めるため、近所に知られる心配も抑えられます。査定・相談は無料、秘密厳守です。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でお気軽にどうぞ。









