孤独死した家を売却するまでの全体の流れ

売却までの7つのステップ
- 警察の対応・葬儀・死亡届(死亡の事実を知った日から7日以内)
- 相続人と財産の確認(戸籍の収集、預金・借金・不動産の把握)
- 相続するか放棄するかの判断(相続人になったことを知った時から3か月以内)
- 特殊清掃(発見が遅れた場合。においや害虫の対応)
- 遺品整理(形見分け、貴重品・書類の確認)
- 相続登記(遺産分割協議のあと、名義を相続人に変える)
- 査定・売買契約・決済
実際には、4〜6の手順が前後したり、並行して進んだりします。たとえば、相続登記の準備をしながら査定を受けておく、ということもよくあります。
順番を間違えると取り返しがつかないこと
最も注意したいのは、相続放棄をするかどうかを決める前に、家財を処分したり家を売る契約をしたりしないことです。相続財産を処分すると、民法921条により相続を認めた(法定単純承認)とみなされ、あとから放棄できなくなるおそれがあります。親に借金があるかもしれない、家の価値より負担が大きそうだという場合は、まず弁護士・司法書士に相談してください。
発見から葬儀までの流れは別の記事で
警察の検視や身元確認、遺体の引き取り、葬儀までの流れは孤独死の発見から葬儀までの流れで詳しく説明しています。この記事では、主に「家を売る」ことに関わる手順を中心に解説します。
手順1〜3:死亡届・相続人の確認・相続放棄の判断

死亡届と葬儀
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3か月以内)に提出します。孤独死の場合は、警察の検視を経て死体検案書が出されるため、通常より時間がかかることがあります。葬儀社が届出を代行してくれることも多いので、相談してみましょう。
相続人と財産を確認する
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めると、誰が相続人になるかがわかります。あわせて、預貯金・不動産・有価証券などのプラスの財産と、借金・未払いの税金・クレジットカードの残高などのマイナスの財産を調べます。実家の固定資産税の納税通知書や、郵便物、通帳は大切な手がかりです。家の価値を知るために、この段階で不動産の査定を受けておくのも一つの方法です。査定を受けるだけなら、財産の処分にはあたりません。
相続放棄の判断と期限
相続放棄は、相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。財産の調査に時間がかかる場合は、期間の伸長を申し立てることもできます。また、2023年4月に施行された改正民法940条では、放棄した時点で相続財産を現に占有している人は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、その財産を保存する義務があるとされています。放棄すれば家のことを何もしなくてよい、とは限らない点に注意してください。判断に迷うときは親が孤独死したら相続放棄すべき?を参考に、弁護士・司法書士に相談しましょう。
手順4・5:特殊清掃と遺品整理の進め方

特殊清掃は「先にやるべきこと」と「待てること」を分ける
発見が遅れた場合、室内には強いにおいや汚れ、害虫が残っていることがあります。近隣への影響が大きいときは、汚れの除去・消臭・害虫駆除などの応急的な作業を早めに行う必要があります。一方で、床や壁の張り替えといった本格的な工事は、売り方が決まってからでも遅くありません。特殊清掃の内容は特殊清掃とは、費用の目安は孤独死の特殊清掃の費用相場で解説しています。
相続放棄を考えている場合、近隣への被害を防ぐための最低限の清掃などは、財産の価値を保つための「保存行為」と考えられることがありますが、どこまでが許されるかは状況によります。作業を頼む前に、専門家に確認しておくと安心です。
遺品整理で必ず探しておきたいもの
- 通帳・キャッシュカード・印鑑・保険証券
- 登記済証(権利証)または登記識別情報、固定資産税の書類
- 遺言書(自筆の遺言書は、家庭裁判所での検認が必要な場合があります)
- 年金手帳・各種契約書・借入れの書類
- 写真や手紙など、家族にとって大切な品
家財を残したまま売るという選択肢
遺品整理は、気持ちの面でも体力の面でも大きな負担です。遠方に住んでいると、何度も実家に通うのは難しいものです。大切な品だけを先に持ち出し、残りの家財は家ごと買取業者に引き取ってもらう方法もあります。家財が残ったままの売却については遺品が残ったまま事故物件を売れるかをご覧ください。
手順6:相続登記で家の名義を変える

相続登記は売却の前提条件
家を売るには、登記簿上の名義を、亡くなった親から相続人に変える必要があります。相続人が複数いる場合は、誰が家を相続するかを話し合い、遺産分割協議書を作ります。1人が相続して売る方法のほか、相続人全員の共有名義にして全員で売る方法もあります。
2024年4月から相続登記は義務に
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務になりました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。施行前に発生した相続も対象で、こちらは2027年3月31日までの猶予があります。売るつもりがある家でも、まずは登記を済ませることが必要です。
なお、話し合いがまとまらず期限内に登記ができそうにない場合には、相続人であることを法務局に申し出る「相続人申告登記」という簡易な方法も設けられています。ただし、この申出だけでは家を売ることはできません。売却には、家を相続人の名義に変える相続登記が別に必要です。
司法書士に頼むとスムーズ
戸籍の収集、遺産分割協議書の作成、登記の申請は、司法書士に依頼できます。費用は登録免許税(登記にかかる税金)と司法書士の報酬がかかり、物件の評価額や相続人の数によって変わります。相続人の間で意見が合わないときは、兄弟で相続した実家の売却で揉めたときも参考にしてください。登記をしていない段階での売却の進め方は相続登記をしていない事故物件を売る方法で解説しています。
手順7:査定と売却方法の選び方

孤独死は必ず事故物件になるわけではない
国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、老衰や病死などの自然死は原則として告知不要とされています。ただし、長期間発見されず、特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、告知の対象になります。売買では、告知が不要になる期間の目安は示されていません。詳しくは孤独死は事故物件になる?で解説しています。
仲介と買取の選び方
| こんなとき | 向いている売り方 |
|---|---|
| 早期に発見され、告知が不要と考えられる | 仲介で一般の買主を探す選択肢がある |
| 特殊清掃が必要だった、においが残っている | 買取を検討 |
| 遠方に住んでいて、管理や内覧の立ち会いが難しい | 買取を検討 |
| 近所に知られずに売りたい | 広告を出さない買取を検討 |
| 時間をかけても価格を優先したい | 仲介を検討(買取査定も比較材料に) |
売ったあとの責任も考える
親が長く住んでいた古い家は、雨漏りや配管の傷みなど、見えない不具合を抱えていることがあります。契約不適合責任は個人の売主なら特約で免責にできますが、知っていて告げなかった事実は免責されません。買主が個人の場合は免責に応じてもらえないこともあるため、売ったあとの心配を減らしたい場合は、免責で買い取る業者を選ぶのも一つの方法です。
孤独死した家を売るときの税金と注意点

売って利益が出ると譲渡所得税がかかる
家を売って利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税と住民税がかかります。相続した家は、亡くなった親が買った時期と取得費(買った金額など)を引き継ぎます。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていれば税率は20.315%、5年以下なら39.63%です。取得費がわからない場合は、売却代金の5%を取得費とすることができます。
一人暮らしの親の家なら3,000万円控除を確認
孤独死があった家は、相続の直前に親が一人で住んでいたことが多く、被相続人居住用家屋の3,000万円特別控除の条件に当てはまる可能性があります。主な条件は、1981年5月31日以前の建築であること、区分所有登記の建物(マンションなど)でないこと、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であること、耐震改修か取り壊しを行うこと(2024年1月1日以後の売却は買主が翌年2月15日までに行ってもよい)などです。相続人が3人以上の場合は1人2,000万円となり、適用期限は2027年12月31日です。税金の詳しい考え方は事故物件の売却にかかる税金にまとめています。適用できるかは、必ず税理士か税務署に確認してください。
空き家のまま長く置かない
売るまでの間、空き家になった実家にも固定資産税がかかり続けます。2023年12月13日施行の改正空家対策特別措置法では、管理が不十分な空き家が「管理不全空家」として勧告を受けると、土地の住宅用地特例が外れて税額が上がるおそれがあります。建物の一部が落ちて人にけがをさせたときは、民法717条により所有者が責任を負うこともあります。手続きに時間がかかる場合でも、定期的な見回りや戸締まりは続けましょう。
次に何をすればいいか:期限のある手続きから始める

今週中にやること
- 死亡届の提出(葬儀社に相談)
- 実家の戸締まりと、近隣・管理会社への連絡
- 通帳・権利証・郵便物など重要書類の確保(処分はしない)
3か月以内にやること
- 相続人と財産・借金の確認
- 相続するか放棄するかの決定(迷ったら弁護士・司法書士へ)
- 家の査定を受け、売った場合の見込み額を知る
家の価値がわかると、相続するかどうかの判断材料にもなります。必要書類の一覧は事故物件の売却の流れと必要書類をご覧ください。
株式会社GEEZにご相談ください
株式会社GEEZは、大阪府全域で孤独死があった家・相続した家を当社が直接買主となって買い取っています。特殊清掃前、遺品や家財が残ったままの状態でもご相談いただけ、古物商許可があるため家財の回収も行えます。契約不適合責任は免責で、チラシやポータルサイトに載せないため、近所に知られずに進められます。相続や登記のことでお困りの場合も、まずは状況をお聞かせください。査定・相談は無料、秘密厳守です。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でご連絡ください。









