孤独死を防ぐ見守りサービスは5種類:まず全体像を比較

見守りサービスの役割は「異変に早く気づく」こと
見守りサービスは、病気を防ぐものではありません。役割は、倒れたり亡くなったりしたときに、できるだけ早く誰かが気づける状態をつくることです。内閣府は、自宅で亡くなった一人暮らしの方のうち死後8日以上たって見つかった方を孤立死の目安として推計しています。見守りサービスを使えば、こうした長期間の発見の遅れを防ぎやすくなります。
5種類の見守りサービスの比較
| 種類 | 仕組み | 向いている人 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| 訪問型 | スタッフが定期的に自宅を訪ね、様子を家族に報告 | 会話の機会も増やしたい人 | 訪問の間隔があくと、その間の異変には気づけない |
| センサー型 | 人感センサーや電気・ポット・ドアの使用状況で異変を通知 | 見られている感じを嫌がる人 | 通知のあと誰が確認に行くかを決める必要がある |
| 電話・メール型 | 決まった時間に自動の電話やメールが届き、応答で安否を確認 | 電話やスマートフォンを使い慣れた人 | 本人が応答を忘れると誤報が増える |
| カメラ型 | 室内カメラの映像を家族がスマートフォンで確認 | 見守る側が様子を直接見たい場合 | 本人のプライバシーへの配慮が必要 |
| 緊急通報型 | ペンダントやボタンを押すと通報先につながる。駆けつけ対応付きもある | 持病があり、急な体調変化が心配な人 | 意識を失うとボタンを押せない |
1つに頼らず組み合わせるのが基本
どの方法にも弱点があります。たとえば緊急通報ボタンは、意識を失ってしまうと押せません。訪問型は、訪問日と訪問日の間の異変には気づけません。そのため、「毎日自動で気づく仕組み」と「人が様子を見る機会」を組み合わせるのが、孤独死対策としては効果的です。たとえば「毎日の自動電話」と「週1回の配食」、「人感センサー」と「月1回の訪問」のように、性格の違う方法を2つ選ぶと、互いの弱点を補えます。対策の全体像は孤独死の対策で解説しています。
訪問型・電話型の見守りサービスの特徴

訪問型:顔を見て話せる安心感
訪問型は、スタッフが月に1回や週に1回など決まった間隔で自宅を訪ね、体調や暮らしの様子を確認して家族に報告するサービスです。郵便局や配食サービス、警備会社、乳酸菌飲料などの宅配サービスが、訪問や配達とあわせて見守りを行っている例もあります。本人と会話ができるので、体調の変化や物忘れ、部屋の様子など、機械ではわからない変化に気づけるのが一番の強みです。
電話・メール型:毎日の安否を手軽に確認
電話型は、決まった時間に自動音声の電話がかかってきて、本人がボタンで体調を答えると、その結果が家族に届く仕組みです。メールやアプリ型は、スマートフォンに届く通知に本人がタップで応えるものが多くあります。毎日確認できるうえ、費用が比較的おさえられるサービスが多いのが特徴です。応答がないときは家族に知らせが届くので、その後に誰が電話をかけ直し、誰が確認に行くかを決めておきましょう。
人の見守りが向いている人
話し相手が少なく、家にこもりがちな方には、人が関わる見守りが向いています。「誰かが来る」「誰かと話す」予定があること自体が、生活のリズムや外への関心を保つことにつながるからです。社会的な孤立が心配な方は、孤独死の原因もあわせて読んでみてください。
センサー型・カメラ型・緊急通報型の見守りサービスの特徴

センサー型:普段どおりの生活で見守れる
センサー型は、部屋に置いた人感センサーや、冷蔵庫・トイレのドアの開け閉め、電気ポットの使用、電気の使用量などから生活の動きを読み取り、一定時間動きがないと家族に通知する仕組みです。本人は特別な操作をしなくてよく、カメラのように見られている感覚もないため、見守りを嫌がる方にも受け入れられやすい方法です。電力会社やガス会社が、使用量のデータを使った見守りサービスを提供している例もあります。
カメラ型:様子を直接確認できるが配慮が必要
カメラ型は、室内に置いたカメラの映像を家族がスマートフォンで見られる仕組みです。倒れている姿を直接確認できるのが強みですが、本人にとっては常に見られている状態になります。設置する場合は、本人の同意を得て、映す範囲を居間などに限るといった配慮をしましょう。寝室や浴室、トイレは映さないのが基本です。見守る側も、毎日映像を確認し続けるのは負担になります。動きを検知したときだけ通知する機能があるかも確認しておきましょう。
緊急通報型:急な体調の変化に備える
緊急通報型は、首から下げるペンダントや、部屋に置いたボタンを押すと、家族や受付センターにつながる仕組みです。警備会社のサービスでは、通報を受けて警備員が駆けつけるものもあります。持病があって急な発作が心配な方に向いています。ただし、意識を失った場合は押せないため、センサー型と組み合わせると安心です。
自治体・地域の見守りも活用する

自治体の緊急通報装置・配食サービス
多くの市区町村では、一人暮らしの高齢者などを対象に、緊急通報装置の貸し出しや、安否確認を兼ねた配食サービスを行っています。対象者の条件、費用の負担、申し込み窓口は自治体によって違います。親が住んでいる市区町村の高齢福祉の窓口や、地域包括支援センターに問い合わせてみてください。
地域包括支援センター・民生委員
地域包括支援センターは、高齢者の介護や暮らしの困りごとを相談できる公的な窓口です。見守りが必要な状態かどうかの相談や、介護保険のサービスにつなぐ手続きも支援してもらえます。地域の民生委員も、一人暮らしの高齢者の訪問や相談に応じています。本人が支援を嫌がる場合でも、家族から相談することができます。
大阪市の「見守り相談室」
大阪市では、各区の社会福祉協議会に「見守り相談室」を置き、福祉の専門職が孤立しがちな方を訪ねて地域の見守りや福祉サービスにつなぐ取り組みを行っています。本人の同意を得て作る名簿を、地域の見守り活動に生かす仕組みもあります。窓口や内容は区によって違うため、お住まいの区の社会福祉協議会や区役所に確認してください。当社のエリアページ(たとえば城東区)では、大阪市内の各区の住まいの事情と、事故物件・孤独死物件のご相談について紹介しています。
見守りサービスの選び方:確認すべき5つのポイント

本人が無理なく続けられるか
見守りサービスは、続かなければ意味がありません。スマートフォンを使わない方にアプリ型を選んだり、見られるのを嫌がる方にカメラを付けたりすると、途中でやめてしまうことがあります。本人の生活習慣と気持ちに合うかどうかを一番に考え、できれば一緒に選びましょう。
異常のとき、誰に・どう知らせが届くか
通知が家族のスマートフォンに届くのか、受付センターが電話してくれるのか、警備員などが駆けつけてくれるのか、サービスによって対応が大きく違います。家族が遠方に住んでいる場合は、駆けつけ対応があるか、ある場合は鍵の預かりが必要かを確認してください。
- 本人が負担なく続けられる方法か
- 異常の通知先と、通知のあとの対応(駆けつけの有無)
- 初期費用・月額料金・解約の条件
- 機器の設置工事やインターネット回線が必要か
- 自治体のサービスや介護保険のサービスと組み合わせられるか
費用は初期費用・月額・解約条件で比べる
料金はサービスの種類や内容によって大きく違います。月額料金だけでなく、機器の購入や設置の初期費用、最低利用期間や解約金の有無も確認しましょう。自治体の制度で費用の一部が補助される場合もあるので、契約前に市区町村の窓口に聞いておくと安心です。
また、すでに介護保険の認定を受けている方は、訪問介護やデイサービスの利用日そのものが見守りの役割を果たします。ケアマネジャーに「一人暮らしで発見の遅れが心配」と伝えれば、サービスの曜日を分散させるなど、人が来ない日が続かないように調整してもらえることがあります。民間の見守りサービスは、こうした介護サービスの「すき間」を埋めるものとして考えると、無駄のない組み合わせになります。
見守りサービスを入れるときの注意点

「通知が来たら誰が動くか」を決めておく
見守りサービスで一番多い失敗は、通知を受け取ったあとに誰も確認に行けないことです。家族が複数いる場合は、通知を受ける順番と、電話がつながらないときに現地を確認する人を決めておきましょう。近くに住む親族がいなければ、管理会社や近所の方、地域包括支援センターに協力をお願いできるかも考えておきます。賃貸住宅に住んでいる場合は、管理会社の連絡先と、鍵を開けてもらうときの手順も事前に確認しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
誤報が続くと見守りが形だけになる
センサーの置き場所が悪い、本人が電話の応答を忘れがち、といった理由で誤報が続くと、家族は通知に慣れてしまい、本当の異変を見逃すおそれがあります。設置後しばらくは様子を見て、通知の条件(何時間動きがなければ知らせるか)を調整することが大切です。
異変のときは自分で無理に入らない
通知が来て、電話もつながらないときは、まず近くの人に確認を頼むか、管理会社や警察に相談します。窓を割るなどして無理に入るのは危険です。通報の目安は孤独死が疑われるときのサインと通報先にまとめています。
見守りを始めたら、次に何をすればいいか

家族で連絡のルールを話し合う
見守りサービスはあくまで道具です。離れて暮らす親との連絡の頻度や話し方、地域とのつながりの作り方は、離れて暮らす親の孤独死を防ぐ方法で紹介しています。大家さんの立場で入居者の見守りを考えている方は、孤独死保険や大家ができる孤独死予防もあわせてご覧ください。
住まいの将来も早めに考えておく
一人暮らしの親が持ち家に住んでいる場合、もしものときに家をどうするかを家族で話しておくと、相続のときに迷わずにすみます。相続登記は2024年4月1日から義務になっています。法律や税金の判断は、司法書士や税理士に確認してください。
孤独死があった家のご相談は当社へ
もしご家族が孤独死で亡くなり、家の扱いに困った場合は、株式会社GEEZにご相談ください。当社は大阪府全域で事故物件・孤独死物件を直接買い取っており、特殊清掃の前や、遺品・家財が残ったままでもご相談いただけます。査定・相談は無料、秘密厳守です。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333)でご連絡ください。









