孤独死の原因は「亡くなる原因」と「見つからない原因」の2つ

孤独死は、急な体調の変化と、気づく人がいない状況が重なって起こります。
孤独死は、急な体調の変化と、気づく人がいない状況が重なって起こります。

亡くなる原因:多くは病気による急な体調の変化

一人暮らしの方が自宅で亡くなる直接の原因は、心臓や脳の病気、持病の悪化、入浴中や夜間の急な体調の変化など、病気や自然な亡くなり方が多くを占めます。家族と暮らしていればすぐに救急車を呼べた場面でも、一人だと助けを呼べないまま亡くなることがあります。つまり、孤独死の多くは「特別な死」ではなく、誰にでも起こる急病が、一人のときに起きたものです。

見つからない原因:つながりの少なさ

亡くなってから長く気づかれないのは、毎日のように顔を合わせる人や、連絡がないと心配してくれる人がいないためです。家族が遠方に住んでいる、近所づきあいがない、仕事や趣味の集まりがない、といった状態が重なると、数日から数週間、ときにはそれ以上気づかれないことがあります。国が「孤立死」という言葉で問題にしているのは、この発見の遅れの部分です。

対策も2つに分けて考える

亡くなる原因に対しては、健康診断や持病の治療、住まいの寒暖差を減らすといった健康面の対策が中心になります。見つからない原因に対しては、見守りや定期的な連絡などつながりの対策が中心です。この2つを分けて考えると、何から始めればいいかがわかりやすくなります。対策の全体像は孤独死の対策で解説しています。

病気・健康面の原因:一人だと助けを呼べない

急な体調の変化は、家族と暮らしていれば助かった可能性がある場面でも起こります。
急な体調の変化は、家族と暮らしていれば助かった可能性がある場面でも起こります。

心臓や脳の病気による突然の発症

心筋梗塞や脳卒中などは、前ぶれなく起きることがあります。意識を失ったり、体が動かなくなったりすると、一人では電話もかけられません。高血圧や糖尿病などの持病がある方、治療を途中でやめてしまった方は、とくに注意が必要です。

入浴中・トイレ・寝ている間の体調の変化

冬場の脱衣所と浴室の寒暖差による体調の急変(いわゆるヒートショック)や、入浴中の意識の低下は、高齢の一人暮らしで起こりやすい出来事です。夏場は、エアコンを使わずに過ごして室内で熱中症になることもあります。浴室で亡くなった場合の住まいへの影響は浴室での孤独死と清掃でくわしく取り上げています。

お酒の飲みすぎや食事の偏り

一人暮らしでは、食事が簡単なものに偏ったり、お酒の量が増えたりしがちです。体調を崩しても受診せずに我慢していると、病気が進んでから急に悪化することがあります。家族が離れて暮らしている場合は、通院しているか、薬をきちんと飲んでいるかをときどき確認するだけでも違います。

社会的孤立:孤独死になりやすい人の特徴

人とのつながりが切れるきっかけは、退職や死別など人生の節目に多くあります。
人とのつながりが切れるきっかけは、退職や死別など人生の節目に多くあります。

退職・死別・離婚など、生活が大きく変わった人

仕事を辞めると、毎日会っていた同僚とのつながりがなくなります。配偶者に先立たれたり、離婚したりすると、身近に体調を気にかけてくれる人がいなくなります。こうした人生の節目のあとに、人とのつながりが急に減ることが、孤立のきっかけになりやすいといわれています。

男性・未婚・子どもと離れて暮らす人

内閣府のワーキンググループが推計した2024年の孤立死(自宅で亡くなった一人暮らしの方のうち死後8日以上で発見)は2万1,856人で、そのうち約8割が男性でした。男性は地域の集まりに参加する機会が少なく、困っていても人に相談しない傾向があるとされます。結婚していない方や、子どもが遠方に住んでいる方も、日常的に様子を見てくれる人がいない状況になりやすくなります。数字の詳細は孤独死の統計・件数をご覧ください。

近所づきあいがない住まい

都市部のマンションやアパートでは、隣の部屋に誰が住んでいるか知らないことも珍しくありません。郵便物がたまっていても、明かりがつけっぱなしでも、気にかける人がいなければ異変は伝わりません。大阪市内のように一人暮らしの世帯が多い地域では、こうした住まい方が身近です。

  • 一人暮らしで、毎日会話をする相手がいない
  • 家族や友人と週に1回も連絡を取らない
  • 介護サービスや配食などで定期的に訪ねてくる人がいない
  • 近所の人と挨拶程度の関わりもない
  • 体調が悪くても病院に行かず我慢する

いくつも当てはまる場合は、見守りの仕組みを早めに考えておくと安心です。

セルフネグレクト:孤独死の大きな原因

セルフネグレクトは本人の怠けではなく、支援が必要な状態です。
セルフネグレクトは本人の怠けではなく、支援が必要な状態です。

セルフネグレクトとは「自分の世話ができなくなる状態」

セルフネグレクト(自己放任)とは、食事・入浴・掃除・通院など、自分の生活や健康を守るための行動ができなくなる、またはしなくなる状態のことです。部屋にごみがたまる、ライフラインが止まっても気にしない、病気の治療を拒む、といった形で表れます。本人が「放っておいてほしい」と支援を断ることも多く、周りが関わりにくいのが特徴です。

きっかけは喪失体験・病気・認知機能の低下など

家族との死別、仕事や収入の喪失、うつ状態、認知症の始まり、体力の低下などがきっかけになるといわれます。「だらしない人がなるもの」ではなく、誰でも心や体の状態によってなり得るものです。責めたり説得したりするより、地域包括支援センターや自治体の福祉窓口など専門の相談先につなぐことが大切です。

ごみの多い部屋は発見の遅れと清掃の負担につながる

セルフネグレクトの状態で亡くなると、人の出入りがないため発見が遅れやすく、室内にごみが多いため清掃の負担も大きくなります。ご遺族が片付けに直面したときの費用や進め方は、ゴミ屋敷清掃と特殊清掃で解説しています。

セルフネグレクトに気づくためのサイン
次のような変化が見られたら、本人の状態が変わってきているサインかもしれません。一つだけで判断せず、いくつか重なっていないかを見てください。

  • 服装や髪が以前より整っていない、同じ服を着続けている
  • 部屋や玄関まわりにごみや物がたまってきた
  • 冷蔵庫に古い食品が残っている、食事をとっていない様子がある
  • 郵便物や請求書が開けられずにたまっている
  • 通院や服薬をやめてしまった、病院の話をしたがらない
  • 電話に出ない、訪問を嫌がるようになった

本人に直接注意すると、かえって心を閉ざしてしまうことがあります。家族だけで抱え込まず、地域包括支援センターに「様子が心配」と相談するのが近道です。

経済的な困りごと・住まいの環境も孤独死の原因になる

お金や住まいの問題は、健康と人とのつながりの両方に影響します。
お金や住まいの問題は、健康と人とのつながりの両方に影響します。

収入が少なく、受診や食事を控えてしまう

年金だけで暮らしている、仕事を失って収入が途絶えた、という状況では、医療費を心配して病院に行かなくなったり、食費を切り詰めたりしがちです。その結果、病気が見つかるのが遅れ、急に悪化することがあります。また、交際費を減らすために人と会う機会も少なくなり、健康面とつながりの面の両方でリスクが高まるのが、経済的な困りごとの特徴です。生活に困ったときは、市区町村の生活相談窓口や社会福祉協議会に相談できます。

電気・ガス・水道を節約しすぎる

光熱費を気にして、夏にエアコンを使わない、冬に暖房を入れない、という高齢の方は少なくありません。室温が極端になると、熱中症や寒さによる体調の急変が起こりやすくなります。家族が訪ねたときに、エアコンが使える状態か、実際に使っているかを確認するのは、簡単で効果のある見守りです。

古い住まい・人目に触れにくい住まい

断熱性の低い古い家は、部屋ごとの寒暖差が大きく、冬場の体調の急変が起きやすい環境です。また、路地の奥の長屋や、オートロックで外から様子が見えないマンションなど、外から生活の気配が見えにくい住まいは、異変に気づかれにくくなります。郵便受けや玄関まわり、窓の明かりといった「外から見えるサイン」が伝わりにくいためです。

ペットだけが家族、という暮らし
ペットと暮らす一人暮らしの方は、ペットが心の支えになる一方で、外出や人づきあいが少なくなることもあります。飼い主が亡くなると、ペットも助けを求められません。もしものときの対応は孤独死でペットが残された場合で解説しています。

孤独死の原因についてよくある誤解

思い込みで判断すると、本当に必要な備えを見落とすことがあります。
思い込みで判断すると、本当に必要な備えを見落とすことがあります。

誤解1:家族がいれば孤独死にはならない

家族がいても、一人で暮らしていれば孤独死は起こり得ます。仲のよい親子でも、電話は週に1回、ということは珍しくありません。大切なのは家族の有無より、連絡がつかなかったときに誰がどう確認するかが決まっているかどうかです。

誤解2:お金があれば防げる

経済的に余裕のある方でも、持ち家で一人暮らしをしていて人の出入りがなければ、発見が遅れることはあります。生活の困りごとは孤立のきっかけの一つですが、それだけが原因ではありません。

誤解3:本人の性格の問題だ

「人づきあいが苦手な人がなる」と考えられがちですが、孤立は退職や死別、病気など、本人の努力では避けにくい出来事から始まることも多くあります。本人を責めるのではなく、周りが仕組みとして気づける状態をつくることが現実的な対策です。

誤解4:孤独死があった家は原因によって必ず事故物件になる
病死などの自然死であれば、国土交通省のガイドラインでは原則として告知は不要です。告知が必要になるのは、長く見つからずに特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合などです。つまり住まいへの影響を左右するのは、亡くなった原因よりも発見までの時間です。くわしくは孤独死は事故物件になる?をご覧ください。

原因を知ったら、次に何をすればいいか

原因に合わせて、できることから一つずつ始めましょう。
原因に合わせて、できることから一つずつ始めましょう。

家族ができること

離れて暮らす親がいる方は、連絡の頻度を決める、見守りサービスを検討する、親が住む地域の地域包括支援センターを調べておく、といったことから始められます。具体的な進め方は親の孤独死を防ぐ方法と見守りサービスの種類と選び方をご覧ください。

大家さん・近所の方ができること

大家さんは入居時の緊急連絡先の確認や見守りの導入、近所の方は挨拶や「最近見かけない」に気づくことが、早期発見につながります。異変に気づいたときの通報先は孤独死が疑われるときのサインと通報先にまとめています。

もし家族が孤独死で亡くなり、家のことで困ったら

株式会社GEEZは、大阪府全域で孤独死があった家や事故物件を直接買い取っています。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可を持っているため、家財の回収もあわせて行えます。査定・相談は無料、秘密厳守で、近所に知られずに進められます。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333)でご連絡ください。