親の孤独死を防ぐ3つの柱:連絡・見守り・地域とのつながり

子ども一人で抱え込まず、仕組みと地域の力を組み合わせましょう。
子ども一人で抱え込まず、仕組みと地域の力を組み合わせましょう。

「防ぐ」とは、亡くなってから長く気づかれない状態をなくすこと

親が一人で暮らしている以上、急な病気で倒れる可能性をゼロにすることはできません。子ども世代ができる「孤独死を防ぐ」とは、倒れたときや亡くなったときに、できるだけ早く気づける状態をつくることです。内閣府は、自宅で亡くなった一人暮らしの方のうち死後8日以上たって見つかった方を孤立死の目安として推計しています。まずは「1週間連絡がなくても誰も気づかない」状態をなくすことを目標にしましょう。

3つの柱を組み合わせる

柱具体的にすること担う人
連絡連絡の頻度と、つながらないときの行動を決める子ども・きょうだい
見守りセンサーや電話、訪問などの見守りサービスを使う民間サービス・自治体
地域とのつながり地域包括支援センター、民生委員、近所の方、かかりつけ医とつながる地域・行政

連絡だけに頼ると、子どもが忙しい時期や体調を崩した時期に途切れてしまいます。見守りサービスだけに頼ると、通知のあとに動ける人がいません。地域とのつながりだけでは、毎日の確認までは難しいのが実情です。3つを少しずつ組み合わせることで、どれか1つが途切れても気づける状態になります。

きょうだいで役割を分ける

きょうだいがいる場合は、連絡の担当、緊急時に駆けつける担当、お金や手続きの担当など、役割を分けておくと負担が偏りません。一番近くに住んでいる人に任せきりにしないことが、長く続けるためのポイントです。孤独死対策の全体像は孤独死の対策でも解説しています。

親との連絡の頻度と「つながらないときのルール」

連絡は、回数よりも「途切れたときにすぐ気づける形」にすることが大切です。
連絡は、回数よりも「途切れたときにすぐ気づける形」にすることが大切です。

連絡の頻度は「毎日の合図+週1回の会話」が目安

理想は毎日の連絡ですが、毎日電話で話すのはお互いに負担です。おすすめは、毎日は短いメッセージやスタンプなどの「合図」だけ、週に1回はゆっくり電話で話すという組み合わせです。メッセージを使わない親なら、毎朝決まった時間に電話を1回鳴らすだけ、という方法もあります。大事なのは「いつもの合図がない」ことにすぐ気づけることです。

つながらないときの行動を段階で決める

  1. いつもの時間に合図がない:数時間後にもう一度連絡する
  2. それでもつながらない:電話をかけ、留守電を残す
  3. 半日〜翌朝になってもつながらない:近くに住む親族・知人に様子を見に行ってもらう
  4. 確認できる人がいない、または家の中から応答がない:管理会社や警察に相談する

あらかじめ親にも「連絡がつかなかったら、近所の〇〇さんに見に行ってもらうね」と伝えておくと、本人も納得しやすくなります。

電話で聞きたいこと

電話では、元気かどうかだけでなく、食事・睡眠・通院・外出の様子をさりげなく聞いてみましょう。「最近どこか出かけた?」「病院はいつ行った?」といった質問なら、責められている感じを与えずに暮らしの変化に気づけます。同じ話を繰り返す、日付がわからなくなっている、といった変化は、認知機能の低下のサインのこともあります。気になる変化があれば、かかりつけ医や地域包括支援センターに早めに伝えておきましょう。また、親の側から「最近体調が悪い」と言い出しにくいこともあります。「何かあったら遠慮なく言ってね」と繰り返し伝えておくだけでも、困ったときに声を上げてもらいやすくなります。

親が嫌がらない見守りの選び方

見守りは、親の性格と暮らし方に合ったものを一緒に選びましょう。
見守りは、親の性格と暮らし方に合ったものを一緒に選びましょう。

「監視されている」と感じさせない工夫

見守りサービスをすすめると、「まだそんな年じゃない」「監視されたくない」と嫌がる親は少なくありません。そんなときは、「あなたのためではなく、私が安心したいから」と伝えると受け入れてもらいやすくなります。カメラのように映像で見られる方法より、電気やポットの使用状況で知らせるセンサー型や、自動の電話確認のほうが抵抗感は少なめです。

親のタイプ別の選び方

親のタイプ向いている見守り
見られるのを嫌がるセンサー型(人感・電気・ポット・ドアの開閉など)
話し相手が少ない訪問型、配食サービスとあわせた見守り
持病があり急な発作が心配緊急通報型(ボタン・ペンダント、駆けつけ付き)
スマートフォンを使えるアプリやメールでの安否確認

通知を受けたあとの動きまで決める

見守りサービスを入れても、通知が届いたときに誰が確認に行くかが決まっていなければ意味がありません。遠方に住んでいる場合は、警備会社などの駆けつけ対応があるサービスや、近くの親族・知人に協力を頼めるかを考えておきましょう。サービスの種類と比較は孤独死の見守りサービスの種類と選び方で解説しています。

地域包括支援センターと地域の見守りにつながる

地域包括支援センターは、離れて暮らす家族からの相談も受け付けています。
地域包括支援センターは、離れて暮らす家族からの相談も受け付けています。

地域包括支援センターとは

地域包括支援センターは、高齢者の介護・健康・暮らしの困りごとを無料で相談できる公的な窓口で、市区町村ごとに置かれています。介護保険の申請の手伝い、見守りが必要な方への支援、福祉サービスの紹介などを行っています。本人だけでなく、離れて暮らす家族からの相談も受け付けているので、「一人暮らしの親が心配」と電話してみることから始められます。

親が住む地域の窓口を調べておく

親の住所を担当する地域包括支援センターは、市区町村のホームページで調べられます。連絡先を控えておき、帰省のときに親と一緒に顔を出しておくと、いざというときに相談しやすくなります。大阪市では、各区の社会福祉協議会に「見守り相談室」があり、孤立しがちな方を福祉の専門職が訪ねて支援につなぐ取り組みも行われています。

近所の方・かかりつけ医とのつながり

帰省したときに、親の隣近所の方やマンションの管理人さんに挨拶し、「何かあったら連絡をいただけませんか」と連絡先を渡しておくのも効果的です。かかりつけ医や薬局も、通院が途切れたことに気づける存在です。地域の民生委員も一人暮らしの高齢者の相談に応じています。親が賃貸住宅に住んでいる場合は、管理会社や大家さんの連絡先も控えておきましょう。連絡がつかないときに鍵を開けてもらう手順を確認しておくと、いざというときに慌てずにすみます。趣味のサークルや地域のサロン、デイサービスなど、親が週に何度か人と会う場があるかどうかも、発見の早さを左右します。

帰省したときに確認したいこと

帰省は、親の暮らしの変化に気づける貴重な機会です。
帰省は、親の暮らしの変化に気づける貴重な機会です。

家の中の様子で気づける変化

電話では元気そうでも、家の中を見ると変化に気づくことがあります。次のような点をさりげなく確認してみてください。

  • 冷蔵庫に古い食品がたまっていないか
  • 郵便物や請求書が開けられずにたまっていないか
  • 部屋が以前より散らかっていないか、ごみが出せているか
  • 薬が飲み残されていないか
  • エアコンや暖房が使える状態か、実際に使っているか
  • 浴室・脱衣所が寒すぎないか、手すりなど転倒の対策があるか

いくつか当てはまる場合は、自分の世話ができなくなっているサインのこともあります。責めずに、地域包括支援センターに相談しましょう。

もしものときのための情報を共有する

かかりつけの病院、服用中の薬、親しい友人の連絡先、預金口座や保険、家の権利証や固定資産税の書類の保管場所を、親と一緒に確認しておきましょう。エンディングノートに書いてもらうのも一つの方法です。合鍵を預かっておくことも、緊急時の確認に欠かせません。遠方に住んでいる場合は、子どもだけでなく近くに住む親族や信頼できる知人にも預けておくと、駆けつけまでの時間を短くできます。

実家の名義と将来を話しておく

親が持ち家に住んでいる場合は、家の名義が誰になっているか、祖父母の代から名義が変わっていないか、といった点も確認しておくと安心です。相続登記は2024年4月1日から義務になり、取得を知った日から3年以内に申請が必要です。「この家をどうしたいか」を元気なうちに聞いておくと、相続のときに家族が迷わずにすみます。

親の孤独死についてよくある不安と誤解

必要以上に自分を責めないことも、家族にとって大切です。
必要以上に自分を責めないことも、家族にとって大切です。

同居や施設入居しか防ぐ方法はない?

同居や施設への入居は一つの選択肢ですが、親が住み慣れた家での一人暮らしを望むなら、その気持ちを尊重することも大切です。連絡のルール、見守りサービス、地域とのつながりを組み合わせれば、一人暮らしを続けながら発見の遅れを防ぐことは十分にできます。

もし孤独死が起きたら、家族の責任?

どれだけ気をつけていても、急な病気で連絡の合間に亡くなることはあります。孤独死は家族が冷たかったから起きるものではありません。ご遺族が「もっと連絡していれば」とご自分を責めてしまうことは多いのですが、防ぎきれないことがあるのも事実です。孤独死そのものについては孤独死とはで解説しています。

実家が事故物件になってしまう?

病死などの自然死で早く見つかった場合は、国土交通省のガイドラインでは原則として告知は不要です。告知が必要になるのは、長く発見されず特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合などです。早く気づく仕組みをつくることは、親の尊厳を守るだけでなく、実家という財産を守ることにもつながります。くわしくは孤独死は事故物件になる?をご覧ください。

親の孤独死に備えて、次に何をすればいいか

今日できることから一つずつ始めましょう。
今日できることから一つずつ始めましょう。

今日からできる3つのこと

  1. 親と「毎日の合図」と「つながらないときの段取り」を決める
  2. 親が住む地域の地域包括支援センターの連絡先を調べて控える
  3. 近くに住む親族・知人に、緊急時の確認をお願いできるか相談する

そのうえで、必要に応じて見守りサービスを検討し、次の帰省のときに家の中の様子や大切な書類の場所を確認しましょう。

もしものことがあったときは

親が自宅で亡くなって見つかった場合は、警察の確認、葬儀、役所の手続き、部屋の片付けと続きます。流れは孤独死の発見から葬儀までの流れ、相続の判断は親が孤独死したら相続放棄すべき?をご覧ください。相続放棄は相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。法律の判断は弁護士・司法書士に確認してください。

実家の扱いに困ったらご相談ください

株式会社GEEZは、大阪府全域で孤独死物件・相続物件・空き家を直接買い取っています。遠方にお住まいで実家の片付けに通えない方でも、遺品や家財が残ったままでご相談いただけます。古物商許可があるため家財の回収もあわせて行えます。査定・相談は無料、秘密厳守で、近所に知られずに売却を進められます。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333)でご連絡ください。