事故物件で住宅ローンは組めるのか

審査は「人」と「物件」の両面で行われます。
審査は「人」と「物件」の両面で行われます。

審査で見られる2つのこと

住宅ローンの審査では、大きく2つのことが見られます。ひとつは借りる人の返済能力(年収、勤続年数、ほかの借入れなど)。もうひとつは物件の担保価値です。担保価値とは、返済が止まったときに物件を売って回収できる金額の見込みのことです。

事故物件は担保評価が下がりやすい

事故物件は買い手が限られ、売るときに価格が下がりやすいため、担保価値も低めに見られることがあります。その結果、物件価格の全額を借りられず、自己資金を多めに用意するよう求められることがあります。金融機関によっては、事故物件への融資自体を慎重に扱うこともあります。

金融機関によって判断が違う

どの程度評価を下げるか、そもそも融資をするかは、金融機関ごとに考え方が違います。ある金融機関で断られても、別の金融機関では通ることがあります。一つの結果だけであきらめず、複数の金融機関に相談するのが現実的です。価格の下がり方の考え方は事故物件はどれくらい安くなる?で整理しています。

審査の流れ

  1. 物件を決め、金融機関に事前審査を申し込む(年収・借入れ・物件資料を提出)
  2. 事前審査の結果を見て、売買契約を結ぶ(ローン特約をつける)
  3. 本審査を申し込む(重要事項説明書や売買契約書などを提出)
  4. 金銭消費貸借契約(ローン契約)を結び、決済日に融資が実行される

事故物件の場合、物件の資料に告知事項が書かれているため、事前審査の段階から事情を共有しておくと、後で慌てずに済みます。

なお、金融機関が見る担保評価と、実際に売買される価格は同じではありません。担保評価は、金融機関が回収できる金額を慎重に見積もったものなので、売買価格より低くなることがふつうです。事故物件では、その差がさらに大きくなることがあります。融資額の見込みを早めに知っておくことが、資金計画の第一歩です。

買主がローンを組むときの準備

事前審査と特約で、契約後に困らないようにします。
事前審査と特約で、契約後に困らないようにします。

事前審査で物件の事情を伝える

物件が決まったら、売買契約の前に金融機関の事前審査を受けます。このとき、告知事項があることを伏せずに伝えましょう。金融機関は重要事項説明書などの資料を確認することが多く、後からわかると審査がやり直しになることがあります。最初から伝えておけば、融資額の見込みを早くつかめます。

「ローン特約」を必ず確認する

ローン特約とは、住宅ローンの本審査が通らなかった場合に、売買契約を白紙に戻せる取り決めです。この特約があれば、支払った手付金も返ってくるのが一般的です。特約の期限や、どの金融機関に申し込むかが契約書に書かれているので、内容をよく確認してください。特約がないまま契約すると、ローンが通らなかったときに手付金を失うおそれがあります。

自己資金と予算に余裕をもたせる

担保評価が低く出ると、借りられる額が希望より少なくなることがあります。その差を埋める自己資金を用意できるかを、事前に考えておきましょう。また、事故物件は将来売るときも価格が下がりやすいため、返済の途中で売ることになってもローンが残らないよう、無理のない借入額にしておくことが大切です。

住宅ローン以外の資金の選択肢

住宅ローンが希望どおりに組めない場合、自己資金を増やす、購入価格の低い物件に変える、親族からの援助を受けるといった方法を考えることになります。親や祖父母からの資金援助は、金額や条件によって贈与税の非課税の特例が使える場合があります。条件は毎年の税制改正で変わることがあるため、税務署や税理士に確認してください。

事前審査に通っても、本審査で物件の評価が改めて行われ、融資額が変わることもあります。本審査の結果が出るまでは、引っ越しの手配やリフォームの契約など、取り消しにくい約束はなるべく控えておくと安心です。

ローンが残っている事故物件を売るとき(売主)

売却額でローンを返しきれるかが最初の確認点です。
売却額でローンを返しきれるかが最初の確認点です。

売却代金でローンを完済できるか

住宅ローンが残っている家には、金融機関の抵当権(返済できないときに家を売って回収できる権利)がついています。売るときは、引き渡しまでにローンを完済し、抵当権を抹消するのが原則です。そのため、まず金融機関に残りの金額(残債)を確認し、査定額と比べます。

売却額が残債に届かないとき

事故の影響で売却額が下がり、残債を返しきれないことがあります。この場合、不足分を自己資金で用意するか、金融機関と相談して売却を進めることになります。金融機関の同意を得て、残債より低い価格で売る方法を任意売却と呼びます。任意売却は金融機関との調整が必要で、残った借金の返し方も話し合いになります。早めに金融機関と専門家に相談してください。

買主のローン事情で売却が遅れることも

仲介で一般の買主に売る場合、買主のローン審査が通らず、契約が白紙になることがあります。事故物件では担保評価の問題でこれが起きやすく、売却までの期間が延びる原因になります。ローンを使わない買主(現金で買う人や、不動産会社の直接買取)であれば、この心配はありません。売り方の比べ方は事故物件は売れる?を参考にしてください。

売却の前に金融機関へ連絡する

ローンの残っている家を売るときは、売り出す前に金融機関へ連絡し、残債の金額と、一括返済の手続き・手数料を確認しておきましょう。決済の日には、買主から受け取った代金でローンを返済し、同時に抵当権を抹消する登記を行うのが一般的な流れです。抵当権の抹消は司法書士が手続きを担当します。売却の流れ全体は事故物件の売却の流れと必要書類でまとめています。

亡くなった方にローンがあった場合(団体信用生命保険)

相続した家のローンは、まず保険の有無を確認します。
相続した家のローンは、まず保険の有無を確認します。

団信に入っていればローンが完済されることがある

住宅ローンを借りるとき、多くの場合は団体信用生命保険(団信)に加入します。団信は、借りた人が亡くなったときに保険金でローンの残りを返済する仕組みです。親が住宅ローンを返している途中で亡くなった場合は、まず金融機関に連絡し、団信の手続きができるかを確認してください。

保険金が出ない場合もある

団信も生命保険の一種なので、加入時の告知内容に誤りがあった場合や、契約で定められた免責事由にあたる場合は、保険金が支払われないことがあります。加入から一定期間内の自殺を免責とする定めがある契約もあり、内容は契約ごとに違います。必ず金融機関と保険の契約内容を確認してください。

相続放棄との関係

団信でローンが完済されれば、家は借金のない状態で相続できます。反対に、団信がなく、ほかにも借金がある場合は、相続放棄を検討することになります。放棄は相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。判断は弁護士・司法書士に確認し、事故物件を相続してしまったら?も参考にしてください。

団信以外の保険も確認する

住宅ローンとは別に、亡くなった方が生命保険や共済に入っていた場合は、受取人に保険金が支払われることがあります。受取人が指定されている保険金は、原則として受取人固有の財産と考えられますが、相続放棄や相続税との関係は専門家に確認してください。保険証券や通帳の引き落とし記録から、加入していた保険を探しておきましょう。

団信の手続きには、死亡診断書(死体検案書)の写しや戸籍謄本などが必要になるのが一般的です。必要な書類は金融機関によって違うため、連絡したときに一覧をもらっておくと、相続の手続きとまとめて準備できます。

よくある誤解と注意点

ローンのために事情を隠すのは、いちばん避けるべきことです。
ローンのために事情を隠すのは、いちばん避けるべきことです。

「告知事項を金融機関に言わなければ通る」は危険

審査を通すために事情を伏せるのは避けてください。金融機関は重要事項説明書などで物件の情報を確認することが多く、隠していたことがわかれば信用を失います。売主側が告知を省いて売れば、後に契約の解除や損害賠償を求められるおそれもあります。

「フラット35なら大丈夫」とは限らない

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携するフラット35は、物件の技術基準などを定めています。事故物件かどうかだけで一律に判断されるわけではありませんが、審査は取扱金融機関が行い、融資額は物件の価格や評価にも左右されます。利用を考える場合は、取扱金融機関に事前に相談してください。

リフォームローンを組み合わせる場合

購入と同時に大がかりなリフォームをする場合は、購入資金とリフォーム費用をまとめて借りられる商品もあります。工事の見積もりが必要になるため、購入前にリフォームの範囲と費用の目安を決めておくと、審査がスムーズです。費用の考え方は事故物件のリフォーム費用で解説しています。

「安い物件ならローンは不要」と考える前に

事故物件は価格が低いため、現金で買えると考える人もいます。ただ、手元の資金をすべて使ってしまうと、リフォームや急な修繕に対応できなくなります。一部をローンで借りて手元に資金を残すなど、無理のない計画を立てることが大切です。

また、ローンの審査に通るよう、売買価格を実際より高く書いた契約書を作るといった行為は、金融機関をだますことになり、決してしてはいけません。そのような提案をする業者とは取引しないでください。

次に何をすればいいか

立場ごとに、まず確認すべき数字があります。
立場ごとに、まず確認すべき数字があります。

買主の方

物件の事情を伝えたうえで、複数の金融機関に事前審査を相談しましょう。契約前にローン特約の内容を確認し、自己資金に余裕をもたせた資金計画を立ててください。

売主の方

金融機関にローンの残りを確認し、査定額と比べます。亡くなった方のローンなら、まず団信の手続きができるかを確認してください。買主のローン審査を待たずに売りたい場合は、直接買取も選択肢になります。

株式会社GEEZへの相談

株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買い取る不動産会社です。当社が買主になるため、買主の住宅ローン審査を待つ必要がありません。特殊清掃前や家財が残ったままでもご相談いただけ、契約不適合責任は免責でお買い取りします。ローンの残りと売却額の関係が気になる方も、まずは無料査定で目安を確認してください。無料査定・相談フォームから秘密厳守でご相談いただけます。

売主の方で、ローンの残りが売却額を上回りそうなときも、早めにご相談ください。査定額がわかれば、金融機関との話し合いや、専門家への相談も進めやすくなります。