事故物件の売却の流れ(全体像)

大きく5つの段階に分けて考えるとわかりやすくなります。
大きく5つの段階に分けて考えるとわかりやすくなります。

売却の5つのステップ

段階主にやること期間の目安
1. 相談・査定物件の状況と事故の内容を伝え、査定を受ける数日〜2週間ほど
2. 売り方の決定仲介か買取か、清掃・家財をどうするかを決める家族の話し合い次第
3. 告知書の作成・準備告知書(物件状況等報告書)を作り、書類をそろえる1〜2週間ほど
4. 売買契約契約書・重要事項説明書の確認、署名・押印、手付金の受け取り1日
5. 決済・引き渡し残代金の受け取り、登記の申請、鍵の引き渡し1日

期間は物件の状態や売り方で大きく変わるため、表はあくまで目安です。仲介では買主が見つかるまでの期間が加わり、数か月以上かかることもあります。直接買取では、買主を探す期間がないため、条件が合えば短期間で終わることがあります。

相続した物件は「相続の手続き」が先に入る

亡くなった方の名義のままでは、家を売ることはできません。相続人を確定し、遺産分割協議をして、相続登記をすることが必要です。相続登記は2024年4月から義務になり、取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。相続登記は売却の準備と並行して進められるので、司法書士に早めに相談しましょう。

清掃は売却より先に進めることが多い

発見が遅れた場合の特殊清掃は、においや衛生面の問題があるため、売り方を決める前に最低限の対応をしておくことが多くなります。ただし、相続放棄を考えている場合は、家財の処分などが相続の承認とみなされるおそれがあるため、手をつける前に弁護士・司法書士に確認してください。

どの段階でも、わからないことはそのままにせず、不動産会社や専門家に質問しながら進めるのが、結果として近道になります。特に事故物件は、告知の内容や家財の扱いなど、ふつうの売却にはない確認事項が多いため、一つずつ書面に残しておきましょう。

ステップ1・2:相談・査定と、売り方の決定

最初に事故の内容を正確に伝えることが、スムーズな売却の第一歩です。
最初に事故の内容を正確に伝えることが、スムーズな売却の第一歩です。

相談のときに伝えること

  • 物件の住所、種類(一戸建て・マンション・長屋など)、おおよその築年数
  • 事故の時期・場所・内容(わかる範囲で)
  • 特殊清掃をしたか、まだか
  • 家財が残っているか
  • 名義人は誰か、相続登記は済んでいるか
  • 住宅ローンなどの借入れが残っているか

伝えにくいことは、面談のときに話す形でもかまいません。事実を最初に伝えておけば、査定額が契約の直前に大きく変わることを防げます。査定の仕組みは事故物件の査定で詳しく解説しています。

査定は「机上」と「現地」の2段階

最初に、住所や間取りなどの情報から概算を出す机上査定を受け、そのあと現地を見て正式な金額を出すのが一般的です。現地の確認は、立ち会いがむずかしければ鍵を預けて行えることもあります。

売り方を決める

査定額を見ながら、仲介と買取のどちらで売るか、家財や清掃をどうするかを決めます。

比べる点仲介直接買取
買主一般の個人など不動産会社
価格相場に近い価格を目指せる仲介より低くなりやすい
期間買主が見つかるまで不確定条件が合えば短期間
家財・清掃売主が片付けてから引き渡すのが基本残したまま相談できる場合がある
近所に知られる心配広告で知られやすい広告を出さないので知られにくい

売り方の考え方は事故物件は売れる?も参考にしてください。

複数の会社に査定を依頼するときは

複数の会社に査定を頼む場合は、どの会社にも同じ情報を伝えることが大切です。伝える内容がそろっていないと、査定額を正しく比べられません。金額だけでなく、家財の扱い、引き渡しの時期、契約不適合責任の扱いなどの条件もあわせて比べてください。

ステップ3:告知書の作成と書類の準備

告知書は、売主が知っている事実を書く大切な書類です。
告知書は、売主が知っている事実を書く大切な書類です。

告知書(物件状況等報告書)に書くこと

売主は、物件の状態や過去の出来事を告知書に書き、買主に伝えます。国土交通省のガイドラインでも、宅建業者が売主に告知書への記載を求めることが望ましいとされています。人の死に関しては、次のことを書くのが基本です。

  • いつ(年月)
  • どこで(室内のどの場所か)
  • 何があったか(死因がわかる範囲で)
  • 特殊清掃やリフォームの内容

亡くなった方のお名前や詳しい経緯まで書く必要はありません。雨漏りや設備の故障など、事故以外の不具合も、知っていることは書きます。書き方は重要事項説明書・告知書の記載例で紹介しています。

知っていて書かなかったことは、免責されない

個人の売主は、特約で契約不適合責任を免責にできます。しかし、知りながら告げなかった事実は免責されません。告知書は、売主自身を守るための書類でもあると考えて、正確に書きましょう。

この段階でそろえる書類

次の章のチェックリストをもとに、契約の日までに書類を準備します。取り寄せに時間がかかる書類(戸籍謄本など)は、早めに手配してください。

マンションの場合は管理会社への確認も

分譲マンションを売る場合は、管理会社から管理費・修繕積立金の額や滞納の有無、管理規約などの情報を取り寄せます。買主や不動産会社が依頼することもありますが、売主として管理費の滞納がないかは事前に確認しておきましょう。マンション特有の注意点は事故物件のマンション売却で解説しています。

必要書類チェックリスト

相続した物件は、通常の書類に相続関係の書類が加わります。
相続した物件は、通常の書類に相続関係の書類が加わります。

すべての売却で必要な書類

書類取得先・備考
本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)手元にあるもの
実印と印鑑登録証明書市区町村の窓口など。登記に使う印鑑証明書は発行から3か月以内のもの
登記識別情報通知(または登記済権利証)家を取得したときに受け取った書類。紛失した場合は司法書士に相談
固定資産税の納税通知書・評価証明書毎年届く通知書。評価証明書は市区町村の税務担当窓口
住民票登記上の住所と今の住所が違う場合に必要
銀行口座の情報代金の振込先

あるとよい書類

  • 家を買ったとき・建てたときの売買契約書や請負契約書(税金の計算で取得費の証明に使う)
  • 建物の図面、建築確認の書類
  • マンションの場合は、管理規約や管理費の明細
  • 土地の測量図や境界確認書
  • 特殊清掃やリフォームの見積書・報告書

相続した物件で追加になる書類

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本(相続人の確定に使う)
  • 相続人全員の戸籍謄本・印鑑登録証明書
  • 遺産分割協議書(遺言書があればその写し)
  • 相続登記を済ませた後の登記事項証明書

戸籍の取り寄せは、2024年3月から本籍地以外の市区町村の窓口でもまとめて請求できるようになりました。相続登記の手続きは相続登記をしていない事故物件を売る方法で詳しく解説しています。

ステップ4・5:売買契約と決済・引き渡し

契約の日と決済の日、それぞれでやることを確認しておきます。
契約の日と決済の日、それぞれでやることを確認しておきます。

売買契約の日にやること

  1. 宅建業者から重要事項説明を受ける(仲介の場合。買主が受けるもの)
  2. 売買契約書の内容を読み合わせる
  3. 署名・押印をし、手付金を受け取る(直接買取では手付金を設けない場合もある)

契約書では、売買代金、引き渡しの日、家財をどうするか、契約不適合責任の扱い、契約を解除するときの条件を必ず確認します。わからない条文があれば、その場で質問してください。契約不適合責任の考え方は事故物件の契約不適合責任で解説しています。

決済・引き渡しの日にやること

  1. 金融機関や事務所に、売主・買主・司法書士・不動産会社が集まる
  2. 司法書士が登記に必要な書類を確認する
  3. 残代金を受け取る(ローンが残っていれば、その場で返済し抵当権を抹消する)
  4. 固定資産税などの精算をする
  5. 鍵と関係書類を引き渡す

所有権移転の登記は、司法書士が決済の日に法務局へ申請するのが一般的です。

売却後にやること

売った翌年の2月16日から3月15日までに、必要に応じて確定申告をします。3,000万円特別控除などの特例を使う場合は、税金がかからなくなるときでも申告が必要です。電気・水道・ガスの解約や、火災保険の解約も忘れずに行いましょう。税金については事故物件の売却にかかる税金をご覧ください。

引き渡しまでに家の中をどうするか

仲介で売る場合は、引き渡しの日までに家財を運び出し、契約で決めた状態にしておく必要があります。直接買取で家財ごと引き取ってもらう契約なら、残したまま引き渡せます。どちらの場合も、エアコンや照明、物置などをどうするかを契約書に書いておくと、引き渡しの当日に慌てずに済みます。

よくあるつまずきと注意点

書類と相続人の同意は、早めに確認しておくのがいちばんの対策です。
書類と相続人の同意は、早めに確認しておくのがいちばんの対策です。

権利証が見つからない

登記識別情報や権利証を紛失しても、家を売ることはできます。司法書士による本人確認の手続きなど、代わりの方法があります。費用がかかることがあるため、見つからない場合は早めに司法書士に相談してください。

相続人の一人が協力してくれない

相続人が複数いる場合、遺産分割協議には全員の合意が必要です。連絡が取れない相続人がいると、手続きが止まってしまいます。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を使う方法もあります。共有になってしまった場合の選択肢は共有名義の事故物件、自分の持分だけ売れる?で解説しています。

名義人が認知症で手続きできない

名義人が認知症などで判断能力が十分でない場合、本人の意思確認ができないため、そのままでは売買契約を結べません。成年後見制度を利用する方法があります。詳しくは親が認知症で家を売れないときをご覧ください。

遠方に住んでいて現地に行けない

物件から遠い場所に住んでいる場合でも、売却は進められます。現地の確認は鍵を預けて行い、契約書類は郵送でやりとりする方法があります。決済の日に立ち会えない場合は、司法書士と相談して、事前に書類を整えておく方法をとることもあります。

次に何をすればいいか

まずは相談と査定から。書類は並行して集めれば大丈夫です。
まずは相談と査定から。書類は並行して集めれば大丈夫です。

今日からできること

  • 登記識別情報(権利証)と固定資産税の通知書を探す
  • 名義人が誰かを確認する(わからなければ法務局で登記事項証明書を取る)
  • 事故の時期・場所・清掃の状況をメモにまとめる

株式会社GEEZへの相談

株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買い取る不動産会社です。当社が買主になるため、買主探しの期間がかからず、特殊清掃前や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可にもとづいて家財の回収も行い、契約不適合責任は免責でお買い取りします。相続登記など専門家の手続きが必要な場合も、進め方を一緒に整理します。

査定・相談は無料で、秘密は守ります。書類がそろっていない段階でもかまいません。お電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)または無料査定・相談フォームからご相談ください。