孤独死とは?法律上の定義はなく「一人で亡くなり、時間がたって見つかること」

孤独死という言葉は、法律用語ではなく社会の中で広まった言葉です。
孤独死という言葉は、法律用語ではなく社会の中で広まった言葉です。

一般的な意味:自宅で誰にも看取られずに亡くなること

孤独死という言葉は、一般に一人暮らしの方が自宅で亡くなり、そのことに誰も気づかないまま時間がたって発見されることを指して使われます。病気で急に倒れた、入浴中に意識を失った、といった自然な亡くなり方が多くを占めます。「孤独」という言葉が入っていますが、亡くなった方の人生が寂しいものだったという意味ではありません。家族や友人がいて、普段は元気に暮らしていた方でも、一人で住んでいれば起こり得ることです。

法律や制度に「孤独死」の定義はない

孤独死は、法律で定義された言葉ではありません。何日たって見つかれば孤独死なのか、自宅以外も含むのか、といった線引きは、使う人や団体によってばらばらです。たとえば、保険会社や業界団体、研究者、自治体がそれぞれの目的で独自に基準を決めて数えています。そのため、「孤独死は年に何人」という数字を見たときは、どの基準で数えた数字かを確認することが大切です。

公的な統計では「自宅で亡くなった一人暮らしの方」として数えている

警察庁は2024年から、警察が取り扱ったご遺体のうち「自宅において死亡した一人暮らしの者」の人数を公表しています。これは「孤独死」という名前の統計ではありませんが、孤独死の実態に最も近い公的なデータです。亡くなってから発見されるまでの日数も集計されており、すぐに見つかった方から、長い期間見つからなかった方までが含まれています。くわしい数字は孤独死の統計と件数の記事で解説しています。

孤独死と孤立死の違い

孤独死は一般的な呼び方、孤立死は国が統計などで使う呼び方です。
孤独死は一般的な呼び方、孤立死は国が統計などで使う呼び方です。

孤立死は国が使う言葉で「社会からの孤立」に注目している

国や自治体の資料では、「孤独死」よりも「孤立死」という言葉がよく使われます。孤独は本人の気持ちの問題も含みますが、孤立は「人とのつながりや支えがない状態」という客観的な状態を指します。国が問題にしているのは、亡くなったこと自体ではなく、周りとのつながりが切れていたために、亡くなっても長く気づかれなかったという点です。

内閣府は「死後8日以上で見つかった方」を孤立死の目安にしている

2024年4月1日に「孤独・孤立対策推進法」が施行され、国は孤独・孤立の対策を本格的に進めています。その中で内閣府のワーキンググループは、警察庁のデータのうち自宅で亡くなった一人暮らしの方で、死後8日以上たって発見された方を、生前に社会的に孤立していた可能性が高い「孤立死」として推計する考え方を示しました。8日という線は、生前に毎週のように連絡を取り合う相手がいれば、それより前に気づかれたはずだという考え方にもとづく目安です。

項目孤独死孤立死
使われる場面報道・日常会話・不動産や保険の業界国・自治体の資料、統計
定義決まった定義はない内閣府は「自宅で亡くなった一人暮らしの方のうち死後8日以上で発見」を推計の目安としている
注目している点一人で亡くなったこと社会とのつながりがなかったこと

この記事での使い方

不動産や遺族の手続きの場面では、発見までの日数が数日でも「孤独死」と呼ばれることが多くあります。この記事でも、一般的な呼び方として「孤独死」を使い、国の統計の話をするときだけ「孤立死」を使います。

孤独死はどれくらい起きている?公的データで見る概要

数字は警察庁が公表している「自宅において死亡した一人暮らしの者」のデータです。
数字は警察庁が公表している「自宅において死亡した一人暮らしの者」のデータです。

2025年は自宅で亡くなった一人暮らしの方が7万6,941人

警察庁の公表データによると、2025年(令和7年)に警察が取り扱ったご遺体は20万4,562体で、そのうち自宅で亡くなった一人暮らしの方は7万6,941人(37.6%)でした。2024年(令和6年)は7万6,020人(37.2%)で、2年続けて7万人台半ばを超えています。このうち65歳以上の方が約4分の3を占めます。

多くは早く見つかっているが、8日以上たって見つかる方も2万人を超える

同じデータを発見までの日数で見ると、亡くなった当日から翌日までに見つかった方が最も多く、2025年は2万8,398人でした。一方で、死後8日以上たってから見つかった方は2025年で2万2,222人にのぼり、国はこれを孤立死の推計として扱っています。1か月以上、なかには1年近く、あるいはそれ以上たってから見つかる方もいます。

高齢者だけの問題ではない

65歳未満の方も、2025年で1万7,000人を超えています。仕事をしている世代でも、一人暮らしで人との行き来が少ないと、発見が遅れることがあります。若い世代の実情は30代・40代の孤独死の記事で取り上げています。

孤独死はなぜ問題になるのか

孤独死は、亡くなった方の尊厳、遺族の負担、住まいの問題が重なります。
孤独死は、亡くなった方の尊厳、遺族の負担、住まいの問題が重なります。

亡くなった方の尊厳が守られにくい

発見が遅れると、ご遺体の状態が変わり、ご家族が最期のお顔を見てお別れすることが難しくなる場合があります。身元の確認に時間がかかり、葬儀までの日数が延びることもあります。孤独死が問題とされる一番の理由は、人が人として見送られる機会が失われやすいことです。発見から葬儀までの流れは孤独死の発見から葬儀までの流れにまとめています。

遺族に手続きと費用の負担が一度にかかる

ご家族は、悲しむ間もなく、警察からの連絡、身元の確認、葬儀、役所の手続き、部屋の片付けに追われます。発見が遅れた場合は、においや汚れを取り除く特殊清掃が必要になり、遺品整理と合わせて費用がかさみます。賃貸住宅なら大家さんとの原状回復の話し合い、持ち家なら相続と家の扱いを決めなければなりません。疎遠だった親族のもとに、ある日突然こうした連絡が届くこともあります。

住まいが「事故物件」として扱われることがある

発見が遅れて特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合、その住まいは売買や賃貸のときに告知が必要な、いわゆる事故物件として扱われます。大家さんにとっては家賃収入の減少や空室、持ち家のご遺族にとっては売却価格への影響という形で、亡くなった後にも問題が残ります。近隣の住戸ににおいや害虫の影響が出ることもあり、マンションやアパートでは周りの住民の生活にも関わります。

孤独死があった家は事故物件になる?告知との関係

孤独死かどうかではなく、発見の状況と特殊清掃の有無で扱いが分かれます。
孤独死かどうかではなく、発見の状況と特殊清掃の有無で扱いが分かれます。

自然死で早く見つかった場合は原則として告知不要

2021年10月8日に国土交通省が公表した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、老衰や病気による自然死、自宅の階段からの転落・入浴中の溺死・食事中の誤嚥などの日常生活の中での不慮の死は、原則として告知しなくてよいとされています。孤独死の多くは病死などの自然死なので、早く見つかっていれば、それだけで事故物件になるわけではありません。

長く見つからず特殊清掃をした場合は告知の対象

一方で、自然死であっても長い期間発見されず、特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、告知の対象になります。賃貸の場合は、発覚からおおむね3年がたてば原則として告知は不要とされていますが、売買には期間の目安がありません。くわしくは孤独死は事故物件になる?と事故物件の告知義務は何年で消える?で解説しています。

何日たてば事故物件、という決まりはないガイドラインに「何日以上で告知が必要」という日数の基準はありません。判断の目安は、日数そのものより、特殊清掃や大規模なリフォームが必要になったかどうかです。季節や室温によって状況は大きく変わります。

隣の部屋や共用部分での孤独死は原則として対象外

ガイドラインでは、隣の住戸や、日常生活で通常使わない共用部分で起きた死は、原則として告知の対象外とされています。マンションで別の部屋の孤独死があった場合の考え方は、マンションの違う部屋での死亡と告知を参考にしてください。

孤独死についてよくある誤解

孤独死への思い込みは、ご遺族を必要以上に苦しめることがあります。
孤独死への思い込みは、ご遺族を必要以上に苦しめることがあります。

誤解1:孤独死は家族が冷たかったから起きる

孤独死は、家族が面倒を見なかったから起きる、というものではありません。頻繁に連絡を取っていても、急な病気で倒れれば、次の連絡までの間に亡くなることはあります。ご遺族が「もっと電話していれば」とご自分を責めることは多いのですが、一人暮らしを選ぶこと自体は本人の自由で、防ぎきれないことも多いということは知っておいてください。

誤解2:孤独死があった家は必ず事故物件になり、売れない

前の章のとおり、早く見つかった自然死であれば原則として告知は不要です。告知が必要なケースでも、売れないわけではありません。価格への影響は物件や事情で違いますが、売却の方法はあります。相場の考え方は事故物件はどれくらい安くなる?をご覧ください。

誤解3:孤独死は高齢の男性だけの問題

統計では高齢の方、とくに男性が多いのは事実です。ただ、女性も、現役世代も、自宅で一人で亡くなり発見が遅れるケースがあります。「うちの親はまだ元気だから」「自分はまだ若いから」と考えず、一人暮らしである限り誰にでも起こり得ると考えて備えるのが現実的です。原因となりやすい事情は孤独死の原因となりやすい人の特徴で整理しています。

孤独死について次に何をすればいいか

防ぐための備えと、起きてしまった後の相談先を分けて考えましょう。
防ぐための備えと、起きてしまった後の相談先を分けて考えましょう。

防ぎたい方:見守りの仕組みをつくる

孤独死そのものを完全に防ぐことは難しくても、亡くなってから長く気づかれない状態は、仕組みで防げます。定期的な連絡、見守りサービス、地域包括支援センターなどの相談先を組み合わせるのが基本です。全体像は孤独死の対策、具体的なサービスは見守りサービスの種類と選び方、離れて暮らす親が心配な方は親の孤独死を防ぐ方法をご覧ください。

すでに起きてしまった方:手続きを一つずつ

ご家族が孤独死で亡くなった場合は、死亡届(死亡の事実を知った日から7日以内)や葬儀に加え、相続をどうするかを決める必要があります。相続放棄を考えるなら、相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。判断に迷うときは親が孤独死したら相続放棄すべき?を読み、弁護士や司法書士にも確認してください。

家の扱いに困ったら、早めにご相談ください

株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件の買取を行っています。当社が直接の買主になるため、チラシやポータルサイトに載せず、近所に知られずに売却を進められます。特殊清掃の前や、遺品・家財が残ったままの状態でもご相談いただけます。査定・相談は無料で、秘密は守ります。「この家をどうすればいいかわからない」という段階でもかまいません。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333)でお気軽にご連絡ください。