孤独死の件数は年間7万人台:警察庁の統計の結論

警察庁の公表データは、孤独死の実態に最も近い全国統計です。
警察庁の公表データは、孤独死の実態に最も近い全国統計です。

2025年は7万6,941人、2024年は7万6,020人

警察庁の公表によると、2025年(令和7年)に警察が取り扱ったご遺体20万4,562体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの方は7万6,941体(37.6%)でした。初めて1年分がまとめられた2024年(令和6年)は、20万4,184体のうち7万6,020体(37.2%)です。警察が取り扱うご遺体のうち、およそ3体に1体以上が「自宅で亡くなった一人暮らしの方」ということになります。

年警察取扱死体の総数うち自宅で死亡した一人暮らしの者割合
2024年(令和6年)20万4,184体7万6,020体37.2%
2025年(令和7年)20万4,562体7万6,941体37.6%

「警察取扱死体」とはどういうご遺体か

病院で医師に看取られて亡くなった場合、通常は警察は関わりません。警察が取り扱うのは、自宅などで亡くなって見つかったときや、死因がはっきりしないときなどです。一人暮らしの方が自宅で亡くなって見つかると、多くは警察が呼ばれ、事件性がないかを確認します。そのため、警察のデータは孤独死の実態をつかむうえで最も近い全国の数字といえます。

この数字は「孤独死の数」そのものではない

ただし、この統計は「孤独死」を数えたものではありません。亡くなってすぐに見つかった方も含まれますし、自宅で倒れて救急搬送され病院で亡くなった方は含まれません。数字を使うときは、「自宅で亡くなった一人暮らしの方の数」として紹介するのが正確です。

孤独死の統計で見る年代の傾向:65歳以上が約77%、85歳以上が最多

高齢の一人暮らしが多くを占めますが、現役世代も少なくありません。
高齢の一人暮らしが多くを占めますが、現役世代も少なくありません。

65歳以上が5万8,919人で全体の約77%

2025年のデータを年齢別に見ると、65歳以上の方は5万8,919人で、全体の約77%を占めています。5歳ごとの区分では85歳以上が1万5,079人で最も多く、次いで75〜79歳が1万3,412人、80〜84歳が1万1,366人、70〜74歳が1万1,004人と続きます。高齢になるほど持病を抱える方が増え、配偶者に先立たれて一人暮らしになる方も増えることが表れています。

65歳未満も1万7,860人

一方で、65歳未満の方も1万7,860人いました。60〜64歳が6,125人、55〜59歳が4,477人、50〜54歳が3,091人と、50代から数が大きく増えます。40代以下も合わせると数千人規模です。現役世代の一人暮らしは、職場に通っていれば欠勤で気づかれることもありますが、仕事をしていない時期や在宅勤務、休みの期間には発見が遅れやすくなります。現役世代の実情は若者・30代・40代の孤独死でくわしく扱っています。

年齢人数(2025年)
85歳以上1万5,079人
80〜84歳1万1,366人
75〜79歳1万3,412人
70〜74歳1万1,004人
65〜69歳8,058人
65歳未満の合計1万7,860人

男女では男性が多い

内閣府のワーキンググループが2024年分のデータで推計した「孤立死」(死後8日以上で発見)2万1,856人のうち、男性は1万7,364人、女性は4,466人で、約8割が男性でした。男性は退職後に地域とのつながりが薄くなりやすい、家事や通院を後回しにしやすいといった点が、発見の遅れにつながっていると考えられています。

発見までの日数の統計:多くは翌日までに見つかるが、8日以上も2万人超

発見までの日数は、住まいへの影響や遺族の負担を大きく左右します。
発見までの日数は、住まいへの影響や遺族の負担を大きく左右します。

最も多いのは「当日〜翌日」に見つかったケース

2025年のデータで亡くなってから発見されるまでの日数を見ると、0〜1日で見つかった方が2万8,398人と最も多く、2〜3日が1万5,865人、4〜7日が1万456人でした。全体の7割ほどは1週間以内に見つかっています。毎日のように家族や知人、ヘルパーなどが出入りしている方は、早く気づいてもらえることがわかります。

死後8日以上で見つかった方は2万2,222人

一方で、死後8日以上たってから見つかった方は2万2,222人にのぼります。中には、さらに長い期間見つからなかった方もいます。国はこの「死後8日以上」の数を、生前に社会から孤立していた可能性が高い「孤立死」の推計として扱っています。2024年の推計は2万1,856人でした。

発見が遅れるほど住まいへの影響も大きくなる

発見までの日数が延びると、においや汚れが室内に広がり、特殊清掃や床・壁の張り替えが必要になることが増えます。その結果、売買や賃貸のときに告知が必要な事故物件として扱われることがあります。何日で影響が出るかは季節や室温で大きく違うため、日数の一律の基準はありません。くわしくは孤独死は事故物件になる?をご覧ください。

孤独死が増えている背景

一人暮らしの高齢者の増加と、人とのつながりの変化が背景にあります。
一人暮らしの高齢者の増加と、人とのつながりの変化が背景にあります。

一人暮らしの高齢者が増えている

高齢化が進み、配偶者と死別した方や、結婚していない方、子どもと別に暮らす方が増えたことで、一人暮らしの高齢者は増え続けています。一人暮らしそのものは悪いことではありませんが、体調が急変したときにすぐ気づける人がそばにいない状況が増えている、ということです。

家族・地域とのつながりが薄くなっている

子ども世代が遠方に住んでいる、近所づきあいが少ない、マンションで隣の人の顔を知らない、という暮らし方は珍しくありません。電話やメッセージでの連絡はできても、「数日連絡がつかない」ことに気づく仕組みがないと、発見は遅れます。とくに都市部では、自治会や近所の目が届きにくい傾向があります。

経済的な困難やセルフネグレクト

収入が少なく通院や食事を控える、病気があっても受診しない、部屋の片付けができなくなる、といった状態が重なると、体調を崩しやすく、周囲も異変に気づきにくくなります。自分の世話をする意欲が落ちてしまう状態をセルフネグレクト(自己放任)と呼び、孤独死の大きな要因の一つとされています。原因については孤独死の原因・なりやすい人の特徴でくわしく解説しています。

国が実態を数えはじめたのは最近のこと
2024年4月1日に「孤独・孤立対策推進法」が施行され、国は孤独・孤立を社会全体の課題として扱うようになりました。警察庁が自宅で亡くなった一人暮らしの方の数を公表しはじめたのも、この流れの中です。それ以前は全国の数字がなかったため、「急に増えた」のではなく「ようやく見えるようになった」という面もあります。今後、年ごとの数字が積み重なれば、増えているのか減っているのかがよりはっきりします。

孤独死の統計を見るときの注意点

数字の出どころと定義を確認すると、誤解なく読むことができます。
数字の出どころと定義を確認すると、誤解なく読むことができます。

民間の「孤独死の数」とは基準が違う

保険会社や業界団体が独自に「孤独死」の数や平均年齢を発表していることがあります。これらは保険金の支払い事例など、対象を限ったデータであることが多く、警察庁の全国データとは基準が違います。どの調査の、どの基準の数字なのかを確かめずに比べると、誤った印象を持ってしまいます。

都道府県別のデータも公表されている

警察庁は都道府県別の人数も公表しています。人口が多い都道府県ほど人数は多くなるため、地域ごとに比べるときは人口や一人暮らし世帯の数も合わせて見る必要があります。大阪府のように都市部で一人暮らしが多い地域では、件数も多くなります。最新の数字は警察庁の統計ページで確認してください。

数字は毎年更新されますこの記事の数字は、警察庁が公表した2024年分と2025年分のデータにもとづいています。年の途中には上半期の暫定値も公表されます。最新の数字は出典の警察庁のページでご確認ください。

数字の裏には一人ひとりの暮らしがある

統計は全体の傾向をつかむためのものです。数字が大きいからといって、身近な人が孤独死するとは限りませんし、数字が小さい年代なら安心というわけでもありません。大切なのは、統計から「どんな状況で発見が遅れやすいか」を知り、自分や家族の暮らしに当てはめて備えることです。

統計から読み取れる、孤独死の発見が遅れやすい暮らし

数字の傾向を、自分や家族の暮らしに当てはめてみましょう。
数字の傾向を、自分や家族の暮らしに当てはめてみましょう。

毎日の「人の出入り」がない

発見までの日数の統計で、当日から翌日に見つかった方が最も多いのは、毎日顔を合わせる家族や、訪問介護・配食・デイサービスなどで人が出入りしている方が多いためと考えられます。逆に言えば、決まった曜日に誰かが来る予定がない暮らしは、発見が遅れやすいということです。介護サービスを使っていない元気な高齢者や、仕事をしていない現役世代は、この点で注意が必要です。

連絡が途切れても「いつものこと」と思われる

普段から電話に出ないことが多い、家族とは月に一度しか話さない、という関係だと、連絡がつかなくても周りが異変と受け取りません。8日以上たって見つかった方が2万人を超えるという数字は、1週間連絡がなくても誰も不思議に思わない暮らしが多いことを示しています。連絡の頻度そのものより、「連絡がなければ確認する」という約束をしておくことが大切です。

近所から様子が見えにくい

オートロックのマンションや、隣と行き来のない住宅では、郵便物がたまっていても、明かりがつけっぱなしでも、気づかれにくくなります。異変のサインと気づいたときの連絡先は孤独死が疑われるときのサインと通報先にまとめています。

統計を知ったうえで、次に何をすればいいか

数字を知ることは、備えを始めるきっかけになります。
数字を知ることは、備えを始めるきっかけになります。

一人暮らしの家族がいる方は「8日」より前に気づける仕組みを

統計からわかるのは、日ごろから誰かが出入りしている人は早く見つかるということです。電話や見守りサービス、近所の方や地域包括支援センターとのつながりを組み合わせ、数日連絡がつかないときに気づける仕組みをつくりましょう。具体的な方法は孤独死の対策と見守りサービスの選び方で解説しています。

賃貸オーナーの方は、入居時の備えを

高齢の入居者を受け入れる大家さんは、緊急連絡先の確認、見守りサービスの導入、孤独死保険への加入などで、もしものときの負担を小さくできます。入居時にできる予防は大家ができる孤独死予防にまとめています。

孤独死があった家の扱いに困ったら

ご家族が亡くなった家をどうするか決められない、特殊清掃が必要で売れるか不安、という方は、株式会社GEEZにご相談ください。当社は大阪府全域で事故物件・孤独死物件を直接買い取っており、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。査定・相談は無料、秘密厳守です。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333)で受け付けています。