一軒家の特殊清掃費用の目安:清掃と遺品整理は分けて考える

金額はすべて目安です。家の状態・季節・地域で変わります。
金額はすべて目安です。家の状態・季節・地域で変わります。

費用は「特殊清掃」「遺品整理」「原状回復」の3つに分かれる

一軒家の孤独死の現場で必要になる作業は、大きく3つに分けられます。1つ目は、亡くなった場所の汚れ・におい・害虫を取り除く特殊清掃。2つ目は、家じゅうの家財を仕分けて運び出す遺品整理。3つ目は、床や壁を直して住める状態に戻す原状回復(リフォーム)です。ワンルームと違い、一軒家では2つ目の遺品整理の比重がとても大きくなります。

間取り別・作業別の目安

作業2LDK〜3LDK(マンション)一戸建て(4LDK前後)
特殊清掃(汚れの除去・消毒・消臭・害虫駆除)十数万円〜数十万円十数万円〜数十万円
遺品整理(仕分け・搬出・処分)数十万円数十万円〜100万円前後
床・壁の解体と下地処理汚れの範囲による汚れの範囲による

この表はあくまで目安です。特殊清掃の費用は、亡くなった場所の広さよりも、発見までの期間と季節で大きく変わります。遺品整理の費用は家財の量で決まり、同じ3LDKでも物が少ない家と、押し入れや物置まで物がいっぱいの家とでは何倍も違います。

マンションの2LDK〜3LDKと一戸建ての違い

同じ3LDKでも、分譲マンションと一戸建てでは作業の中身が変わります。マンションはコンクリートの床の上に床材が張られていることが多く、体液が床材の下に回っていても、処理の範囲を部屋の中にしぼりやすい傾向があります。その代わり、においや害虫が共用廊下や上下左右の住戸に広がりやすく、管理組合や管理会社との調整、作業時間帯の制限などが加わります。一戸建ては、近隣への影響はマンションより小さいこともありますが、床下・物置・庭を含めて作業の範囲が広がりやすいのが特徴です。

特殊清掃の費用の全体像

特殊清掃の費用の基本や、誰が負担するのかは孤独死の特殊清掃の費用相場で解説しています。ワンルームや1Kの場合は1K・ワンルームの特殊清掃相場をご覧ください。

一軒家ならではの費用が増える要因

長年住んだ家には、思っている以上の量の家財が残っています。
長年住んだ家には、思っている以上の量の家財が残っています。

家財の量と「物置・庭・倉庫」

一軒家は収納が多く、何十年も住んでいると、押し入れ・天袋・納戸・物置・倉庫・庭に物がたまっています。遺品整理の見積もりでは、部屋の中だけでなく、物置や庭の物、車や自転車まで含めるのかを確認してください。見積もりに入っていなかった物置の中身が、当日に追加費用になるのはよくある話です。

処分に費用がかかりやすい物

  • エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機など、家電リサイクル法の対象になる家電
  • 仏壇・神棚(供養をしてから処分することが多い)
  • タンス・ベッドなどの大型家具、ピアノ
  • 庭石・植木・物置そのもの
  • 灯油やペンキ、農薬などの処分しにくい物

建物の条件で増える要因

大阪の市街地に多い、前の道が狭くトラックが横付けできない家や、長屋・連棟の住宅では、手で運ぶ距離が長くなり、人手と時間がかかります。2階で亡くなっていた場合は、汚れた物を階段で運び下ろす手間も加わります。また、木造の一軒家は畳やフローリングの下に床下の空間があり、体液が床下まで届いていると、床をはがして下地や土台の処理をする必要が出てきます。

遺品整理込みの総額イメージ(計算例)

総額は「どこまで自分でやるか」「家をどうするか」でも変わります。
総額は「どこまで自分でやるか」「家をどうするか」でも変わります。

計算例:3LDKの一戸建て、1階の寝室で発見が遅れた場合

計算例(仮の数字です)特殊清掃(寝室の汚れの除去・消毒・害虫駆除・オゾン脱臭):30万円/寝室の床の解体と下地処理:15万円/家じゅうの遺品整理(仕分け・搬出・処分):50万円/仏壇の供養:数万円/合計:100万円前後。これは総額のイメージをつかむための計算例で、相場を示すものではありません。実際の金額は家の状態・季節・業者で変わります。

この計算例に、壁紙や床を張り替えるリフォーム費用は含めていません。住み続ける、または貸すために原状回復までするなら、さらに費用がかかります。

総額を左右するのは「その後の使い道」

家族が住む、貸す、売る、解体する。どれを選ぶかで、必要な作業の範囲が変わります。たとえば解体して土地として売るなら、きれいなリフォームは必要ありません。一方、貸すならにおいが完全に取れたことを確認してから内装を直す必要があります。使い道を決めないまま全部の作業を進めると、あとから不要だった工事にお金をかけていた、ということになりかねません。家族の中で意見が分かれているときは、まず緊急の清掃だけを済ませ、使い道が決まるまで残りの作業を待つのも一つの方法です。

家財の買取で費用を相殺できることも

遺品の中には、骨董品、着物、貴金属、まだ使える家電や家具など、値段がつく物が含まれていることがあります。古物商許可を持つ業者であれば、それらを買い取って作業費用と相殺できる場合があります。ただし、汚れやにおいがついた物は値段がつかないことが多いので、過度な期待は禁物です。遺品整理の費用の考え方は遺品整理の費用相場でもくわしく扱っています。

一軒家の特殊清掃・遺品整理を依頼する手順

遠方に住む家族でも、順番を決めておけば立ち会いの回数を減らせます。
遠方に住む家族でも、順番を決めておけば立ち会いの回数を減らせます。

まずは緊急の作業から

発見直後は、警察による確認が終わってから部屋に入れるようになります。その後、においや害虫が近所に広がっているときは、消毒・害虫駆除・汚れた物の撤去といった緊急の作業を先に行います。家全体の遺品整理は、家族で形見分けを話し合ってからでも遅くありません。孤独死の発見から葬儀までの流れは孤独死の発見から葬儀までの流れで解説しています。

依頼の順番

  1. 特殊清掃(汚れ・におい・害虫の処理)
  2. 貴重品・重要書類の捜索(通帳、印鑑、権利証、保険証券、遺言書など)
  3. 形見分けの品の取り分け
  4. 遺品整理(家財の搬出・処分、買取)
  5. 必要に応じて床・壁の解体と下地処理、最終の消臭
  6. 家の使い道に合わせたリフォーム、または解体・売却

相続放棄を考えている場合は、手を付ける前に専門家へ

相続放棄は、相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申し立てます。相続財産を処分すると、相続を認めた(法定単純承認)とみなされるおそれがあります。衛生のために必要な最低限の清掃と、家財の処分や売却とでは扱いが異なると考えられていますが、どこまでが許されるかは事情によって違います。遺品整理を始める前に、弁護士・司法書士に確認してください。あわせて親が孤独死したら相続放棄すべき?もご覧ください。

一軒家の特殊清掃でよくある誤解と注意点

近所への配慮も、一軒家の清掃では大切なポイントです。
近所への配慮も、一軒家の清掃では大切なポイントです。

誤解1:「全部きれいにすれば事故物件ではなくなる」

国土交通省のガイドラインでは、病死や老衰などの自然死は原則として告知不要ですが、長期間発見されず特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、告知の対象とされています。売買の場合、告知が不要になる期間の目安は示されていません。つまり、清掃やリフォームをしても、売るときに伝えるべき事実はなくなりません。くわしくは孤独死は事故物件になる?をご覧ください。

誤解2:「家族で片付ければ安く済む」

家財の整理を家族で進めること自体は、費用を抑える方法の一つです。ただし、亡くなった場所の周りの片付けは、専門業者に任せてください。汚れには細菌などが含まれることがあり、防護具なしで触れるのは危険です。家族で行うのは、汚れていない部屋の形見分けや書類探しまで、と線を引くのが安全です。

近所への配慮

一軒家は隣家との距離が近いことも多く、においや害虫、作業車の出入りで近所に心配をかけることがあります。作業前に一言あいさつをしておく、作業時間帯を伝えておくなど、ちょっとした配慮でその後の関係が変わります。空き家のまま長く置いておくと、においや害虫だけでなく、庭木の伸びすぎや建物の傷みで近所に迷惑をかけることもあるため、清掃後の管理の方法もあわせて考えておきましょう。どう説明すればよいか迷う場合は、業者に相談すると、作業内容をぼかした言い方などを提案してくれることもあります。

清掃費用を先に払わずに実家を手放す方法

住む予定がない実家なら、清掃前に売却の相談をする選択肢もあります。
住む予定がない実家なら、清掃前に売却の相談をする選択肢もあります。

清掃してから売るか、そのまま売るか

住む予定も貸す予定もない実家なら、特殊清掃や遺品整理をする前に、そのままの状態で売れるか相談するという方法があります。清掃と遺品整理を済ませてから仲介で売りに出すと、先に数十万〜100万円単位の費用を立て替えたうえで、買い手が見つかるのを待つことになります。事故物件は買い手が見つかるまでに時間がかかることも多く、そのあいだも固定資産税や管理の手間がかかり続けます。

買取なら清掃・家財の処分は買主側で

不動産会社が直接買い取る「買取」では、清掃や家財の処分を買主側が引き受け、その費用を見込んだうえで価格を出すのが一般的です。売主は、清掃業者や遺品整理業者を探したり、何度も立ち会ったりする必要がなくなります。仲介と比べると価格は下がりやすいものの、先に費用を払わずに済む、早く終わる、といった利点があります。売却の考え方は孤独死があった家を売るまでの手順や事故物件は売れる?で解説しています。

相続した家の売却で使える税の特例も確認を

亡くなった親が一人で住んでいた家を相続して売る場合、条件を満たすと、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける「被相続人居住用家屋の3,000万円特別控除」が使えることがあります。1981年5月31日以前に建てられた家であることなど細かい条件があり、適用期限は2027年12月31日です。使えるかどうかは、税理士や税務署に確認してください。

一軒家の特殊清掃と売却、まとめてご相談ください

清掃前・家財が残ったままの状態でもご相談いただけます。
清掃前・家財が残ったままの状態でもご相談いただけます。

大阪府全域の事故物件・孤独死物件を直接買い取ります

株式会社GEEZは、事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買主となって買い取る不動産会社です。大阪府全域に対応しています。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可を持っているため、家財の回収もあわせて行えます。

売ったあとの不安と、近所への気がかりを減らす

当社は契約不適合責任を免責として買い取ります。売ったあとに建物の不具合などで責任を問われる心配を減らせます。また、チラシやポータルサイトへの掲載をしないため、近所に知られずに売却を進められます。

まずは状況をお聞かせください

「清掃を先にするべきか」「遺品整理の見積もりが高くて迷っている」という段階でもかまいません。査定・相談は無料、秘密は厳守します。相談フォーム、またはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でお問い合わせください。