特殊清掃・遺品整理のトラブルは「料金」と「作業内容」に集中する

トラブルの多くは、口約束やあいまいな見積もりから始まります。
トラブルの多くは、口約束やあいまいな見積もりから始まります。

国民生活センターも注意を呼びかけている

国民生活センターは2018年に、遺品整理サービスで「料金や作業内容に関するトラブルが発生している」として注意喚起を出しています。そこでは、事業者を慎重に選ぶこと、見積書の内容をよく確認すること、料金やキャンセル料、作業内容を事前に確かめること、残す物と処分する物をはっきり分けることがすすめられています。特殊清掃は遺品整理とあわせて頼むことが多く、同じ種類のトラブルが起きやすい分野です。

トラブルが起きやすい理由

  • 急いで決めてしまう:においや近所への影響が気になり、比較せずに契約しがち
  • 相場がわかりにくい:現場ごとに状況が違い、金額の妥当性を判断しにくい
  • 遺族が現場に立ち会いにくい:遠方に住んでいる、心理的に入るのがつらいなどの理由で、作業を任せきりになりやすい
  • 口約束が多い:電話で聞いた金額のまま、書面を残さずに作業が始まる

よくあるトラブルの種類

種類内容の例(一般的なパターン)
料金作業後に見積もりより大幅に高い金額を求められる。キャンセル料が高い
遺品の扱い残すはずの物や貴重品が処分された・見つからない
ごみの処分許可のない回収で、不法投棄されたおそれがある
仕上がり作業後もにおいが残る。追加料金がないと再作業してもらえない
近隣への配慮作業の様子から近所に事情が伝わった。共用部分が汚れた

表にあるトラブルは、どれも特別な業者だけで起きるものではありません。依頼する側と業者の間で「どこまで・いくらで・どうやって」の認識がずれていると、まじめな業者との間でも起こり得ます。だからこそ、契約前に書面で確認し合うことが、いちばん確実な予防策になります。

料金のトラブル:追加請求・高額なキャンセル料

「一式」とだけ書かれた見積書は、あとで金額が変わりやすくなります。
「一式」とだけ書かれた見積書は、あとで金額が変わりやすくなります。

よくあるパターン:「一式」の見積もりと作業後の追加

たとえば、電話で「だいたい〇万円です」と言われ、書面の見積もりがないまま作業が始まり、終わってから「思ったより汚れていた」「ごみが多かった」として高い金額を求められる、というパターンがあります。見積書があっても「清掃一式」「片付け一式」としか書かれていないと、何に対する費用なのかがわからず、追加の理由を確かめられません。

防ぎ方:内訳と追加の条件を書面で

  • 現地を見てもらってから見積もりを出してもらう
  • 清掃・消臭・汚染物の撤去・運搬・処分・遺品整理などの項目ごとに金額を書いてもらう
  • 「追加料金が出るのはどんな場合か」「上限はいくらか」を書面に入れてもらう
  • 作業中に追加が必要になったら、作業を進める前に連絡をもらう約束をする

見積書の項目の見方は特殊清掃の見積もりの内訳で詳しく解説しています。

キャンセル料も契約前に確認

家族と相談した結果、依頼をやめたり、別の業者に変えたりすることもあります。いつまでならキャンセルできるのか、キャンセル料はいくらか、現地調査や見積もりに費用がかかるのかを、契約の前に確認しておきましょう。

相見積もりを取ると、金額だけでなく、作業の範囲や説明の仕方の違いも見えてきます。極端に安い見積もりは、必要な作業が含まれていないこともあるため、「この金額で何が含まれていて、何が含まれていないか」を必ず確認しましょう。安さだけで選ぶと、結果的に追加の費用がかさむことがあります。

遺品のトラブル:残すはずの物の処分・貴重品の紛失

残す物は、作業の前に目で見てわかる形で分けておくと安心です。
残す物は、作業の前に目で見てわかる形で分けておくと安心です。

よくあるパターン:「捨てないで」が伝わっていなかった

写真やアルバム、手紙、位牌、通帳や印鑑など、家族にとって大切な物が、ほかの家財と一緒に処分されてしまうことがあります。口頭で「大事な物は残してください」と伝えただけでは、何が大事かは作業員にはわかりません。

防ぎ方:残す物のリストと目印

  1. 残してほしい物のリストを書面で渡す(「写真類はすべて」「書類は捨てずに箱にまとめる」など、種類で指定するとわかりやすい)
  2. 可能なら作業前に立ち会い、残す物に目印(付せんやテープ)をつける
  3. 見つかった貴重品や現金は、一覧にして写真付きで報告してもらう
  4. 捨てる前に、迷う物は保留箱に入れてもらい、あとで家族が確認する

相続放棄を考えているなら、処分の前に相談を

相続放棄を考えている場合、価値のある家財を売ったり処分したりすると、相続を承認したとみなされるおそれがあります。どこまで片付けてよいかは、作業の前に弁護士・司法書士に確認してください。相続放棄の手続きは家庭裁判所に申し立てるもので、相続人になったことを知った時から3か月以内が原則です。

遠方に住んでいて立ち会えない場合は、作業の前後に部屋全体の写真や動画を送ってもらう、保留箱の中身を写真で確認してから処分を決める、といった方法で、任せきりにならない工夫ができます。報告の方法は契約前に決めておきましょう。

ごみ・仕上がりのトラブル:不法投棄と消臭不足

ごみがどこへ運ばれるかも、依頼する側が確認しておきたい点です。
ごみがどこへ運ばれるかも、依頼する側が確認しておきたい点です。

無許可の回収と不法投棄

家庭から出たごみを回収できるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持つ業者か、市区町村の委託を受けた業者です。環境省は、無許可の回収業者を利用しないよう呼びかけています。許可のない業者に頼むと、ごみが適正に処分されたか確かめられず、不法投棄につながるおそれがあります。ごみを運ぶのは誰で、どの市区町村の許可を持っているかを確認しましょう。許可の種類は特殊清掃に必要な資格・許可で解説しています。

作業後もにおいが残る

においの原因が床下や壁の中に残っていると、作業が終わったあと、暑い日や部屋を閉め切ったときににおいが戻ることがあります。「においが残った場合の再作業は無償か有償か」「確認はいつ、どう行うか」を契約前に決めておくと、言った言わないを防げます。においの残り方については孤独死のにおいはいつまで残る?もご覧ください。

近所への配慮が足りない

作業員が防護服のまま建物の外を歩く、汚れた物を共用の廊下に置く、といったことがあると、近所の方を不安にさせ、事情が広く伝わってしまうこともあります。作業の時間帯、作業車、服装、搬出の方法についての配慮を、事前に頼んでおきましょう。

マンションや長屋のように近隣と距離が近い建物では、作業の音やにおい、搬出の様子が周りに伝わりやすくなります。近隣への配慮をどこまでしてくれるかも、業者を比べるときのポイントです。作業の前後に、管理会社や隣の方へ説明やお詫びをするかどうかも、家族で決めておくとよいでしょう。

契約前にできるトラブル予防チェックリスト

契約書と見積書は、作業が終わるまで手元に保管しておきます。
契約書と見積書は、作業が終わるまで手元に保管しておきます。

業者選びの段階で確認すること

  • 会社の所在地と連絡先がはっきりしているか
  • 家庭のごみを運ぶ許可(自社または提携先)を確認できるか
  • 家財を買い取る場合、古物商許可を持っているか
  • 現地調査をしてから見積もりを出してくれるか
  • できれば2〜3社から見積もりを取って比べたか

契約の段階で書面に残すこと

  • 作業の範囲(どの部屋の、どこまでを行うか)
  • 項目ごとの金額と、追加料金が出る条件・上限
  • キャンセル料の条件
  • 残す物のリストと、貴重品が見つかったときの扱い
  • においが残った場合の対応
  • 作業日・作業時間と完了の確認方法

契約を急がせる業者には注意

「今日決めてくれたら安くする」「すぐに作業しないと大変なことになる」と、比べる時間を与えずに契約を迫る業者には注意が必要です。応急の対応が本当に必要な場合でも、どこまでを応急として行い、残りは改めて見積もるのかを確認しましょう。業者選びのポイントは特殊清掃業者の選び方にもまとめています。

チェックリストは、家族の中で窓口になる人だけでなく、ほかの相続人とも共有しておくと、あとで「聞いていない」という行き違いを防げます。費用を相続人で分ける場合は、とくに大切です。

トラブルになったときの相談先と対応の手順

ひとりで抱え込まず、早めに公的な相談窓口を利用しましょう。
ひとりで抱え込まず、早めに公的な相談窓口を利用しましょう。

まずは消費者ホットライン188へ

契約や料金のトラブルで困ったら、消費者ホットライン188(いやや)に電話してください。地方公共団体が設けている、近くの消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらえます。相談の受付時間は窓口によって違います。契約のいきさつによっては、クーリング・オフなどの制度が使える場合もありますが、使えるかどうかは事情によって変わるため、窓口で確認してください。

相談の前にそろえておくもの

  1. 見積書、契約書、領収書、請求書
  2. 業者とのやりとりの記録(メール、メッセージ、通話の日時とメモ)
  3. 作業前後の部屋の写真
  4. 業者の名前、住所、電話番号、担当者名

法律の判断が必要なときは専門家へ

損害賠償を求めたい、遺品の紛失について責任を問いたいなど、法律の判断が必要な場合は、弁護士に相談してください。また、不法投棄が疑われる場合は、お住まいの市区町村の廃棄物担当の窓口に相談できます。支払いを求められても、納得できない金額をその場で払う必要はありません。いったん持ち帰って相談すると伝えましょう。

賃貸住宅で、大家さんや管理会社が手配した業者の費用を相続人が負担することになった場合も、内訳の説明を求めることはできます。費用の負担の範囲で話がまとまらないときは、賃貸の損害の考え方を整理した賃貸で孤独死したら損害賠償は誰が払う?も参考にしてください。

清掃のトラブルを避けたい方へ、次にできること

清掃と家の今後をまとめて相談すると、関わる業者の数を減らせます。
清掃と家の今後をまとめて相談すると、関わる業者の数を減らせます。

関わる業者が多いほど、確認の手間も増える

特殊清掃、遺品整理、ごみの運搬、リフォーム、不動産の売却と、関わる業者が増えるほど、それぞれと見積もりや契約のやりとりが必要になり、トラブルが起きる場面も増えます。家を売ることを考えているなら、清掃や片付けの前に不動産の相談をするのも一つの方法です。

清掃前・家財が残ったままの状態で買取の相談ができます

株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件を当社が直接買主となって買い取っています。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可を持っているため家財の回収も行えます。契約不適合責任は免責で買い取り、チラシやポータルサイトに載せないため、近所に知られずに売却できます。

相談は無料・秘密厳守です

「清掃業者を頼む前に、家をどうするか決めたい」という段階のご相談でもかまいません。査定・相談は無料です。お問い合わせフォーム、またはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でご連絡ください。