特殊清掃業者の選び方:まず押さえる3つのポイント

「早さ」だけで選ぶと、あとで費用や仕上がりのトラブルになりやすくなります。
「早さ」だけで選ぶと、あとで費用や仕上がりのトラブルになりやすくなります。

ポイント1:見積もりの内訳が項目ごとに分かれているか

特殊清掃は、汚れの除去、消毒、消臭(脱臭)、害虫の駆除、家財の撤去、床や壁の解体など、いくつもの作業の組み合わせです。信頼できる業者は、作業ごとに金額を分けた見積書を出します。「特殊清掃一式 〇〇万円」としか書かれていない見積もりは、何にいくらかかるのかが分からず、あとから「これは別料金です」と言われても反論できません。見積書の読み方は特殊清掃の見積もりの内訳と見方でくわしく解説しています。

ポイント2:家財・廃棄物の処分を適法に行えるか

特殊清掃では、汚れた布団や家具、生活ごみなど大量の廃棄物が出ます。家庭から出るごみは「一般廃棄物」にあたり、これを業として集めて運ぶには、原則として市町村長の「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。業者が自分で許可を持っていない場合でも、許可業者に処分を依頼する体制があれば問題ありません。「処分はどこに頼んでいますか」と一言たずねるだけで、業者の姿勢が見えてきます。許可のない回収業者に家財を渡すと、不法投棄や、回収の当日になって高額な料金を請求されるといった問題につながることがあり、環境省も家庭の不用品の回収には原則として市町村の許可が必要だと注意をよびかけています。

ポイント3:追加費用が出る条件を書面で示しているか

特殊清掃は、床をはがしてみたら下地まで汚れていた、ということが珍しくありません。そのため追加費用がゼロとは言い切れません。大切なのは、どんな場合に、いくらぐらい追加になるのかを事前に説明し、追加作業の前に施主(依頼する人)の了承を取る業者かどうかです。

特殊清掃業者に必要な許可と資格の考え方

「特殊清掃の国家資格」はありません。許可と民間資格は分けて考えます。
「特殊清掃の国家資格」はありません。許可と民間資格は分けて考えます。

特殊清掃そのものに国家資格はない

意外に思われるかもしれませんが、「特殊清掃士」のような国の資格は存在しません。特殊清掃や遺品整理に関する資格は、いずれも民間団体が認定するものです。民間資格は、一定の講習を受けた証として参考になりますが、持っていれば安心、持っていなければ不安、と単純には言えません。資格の有無よりも、現場でどんな手順で作業するのか、においが残ったときにどう対応するのかを、具体的に説明できるかどうかを見てください。資格の種類については特殊清掃に必要な資格・許可で整理しています。

確認したい許可は「廃棄物」と「古物」

許可の種類何ができるか確認のしかた
一般廃棄物収集運搬業許可家庭から出たごみを業として集めて運ぶ(市町村ごとの許可)許可を出した市町村名と許可番号をたずねる
産業廃棄物収集運搬業許可事業活動から出たごみを運ぶ。家庭のごみはこの許可だけでは運べない「産廃の許可があるから大丈夫」と言われたら注意
古物商許可値段のつく品物を買い取る・売る(都道府県公安委員会の許可)許可番号と公安委員会名をたずねる

ここで誤解されやすいのが、古物商許可や産業廃棄物の許可では、家庭のごみは回収できないという点です。古物商許可は「再利用できる品物を買い取る」ための許可で、ごみの処分のための許可ではありません。

許可番号は遠慮なくたずねてよい

まっとうな業者は、許可番号をたずねられても嫌がりません。ホームページや見積書に記載がない場合は、電話の段階で確認しておくと、その後のやりとりがスムーズです。あわせて、会社の所在地、固定電話の番号、損害保険(作業中に建物を傷つけた場合の補償)に入っているかも確認しておくと、万一のときに連絡がつかないという事態を避けられます。

見積もりで確認すること:契約前のチェックリスト

見積もりは「金額」より「何が含まれているか」を見ます。
見積もりは「金額」より「何が含まれているか」を見ます。

現地を見てから見積もりを出しているか

特殊清掃の費用は、汚れの広がり、においの強さ、害虫の量、家財の量でまったく変わります。そのため、電話やメールだけで確定金額を出すことはできません。写真で概算を出すのはよくあることですが、契約は現地を確認したうえでの見積もりで行うのが基本です。遠方で立ち会えない場合は、業者が撮影した写真や動画を送ってもらい、作業範囲を一緒に確認します。

契約前に確認したい項目

  • 見積書が作業項目ごとに分かれているか(清掃・消毒・消臭・害虫駆除・家財撤去・解体・処分費)
  • 消臭の方法と、においが残った場合の対応(再作業の有無・費用)
  • 追加費用が出る条件と、追加作業前に了承を取る手順
  • 家財の中の貴重品・写真・書類を探して残してもらえるか
  • 廃棄物の処分先(許可業者か)
  • 作業日数、近隣への配慮(作業車・服装・あいさつ)
  • キャンセルした場合の費用

相見積もりは2〜3社が現実的

比べる相手がいると、金額の妥当性や説明のていねいさがよく分かります。ただ、においや害虫が近隣に広がっている場合は、何日もかけて比べている余裕がないこともあります。その場合は、まず消毒・害虫の駆除など緊急の作業だけを先に依頼し、家財の撤去やリフォームは落ち着いてから別に見積もる、という分け方もできます。

悪質な特殊清掃業者の見分け方とよくあるトラブル

「今すぐ」「今日だけ」と急がせる業者には注意が必要です。
「今すぐ」「今日だけ」と急がせる業者には注意が必要です。

注意したい業者のサイン

  • 電話だけで「全部込みで〇万円」と安い金額を言い切り、書面を出さない
  • 見積書が「一式」だけで、内訳の説明を求めると話をそらす
  • 「今日契約すれば割引」など、その場での契約を強く迫る
  • 家財の処分方法や許可についての質問にあいまいに答える
  • 作業後に「想定外の汚れがあった」と、了承なしに高額の追加請求をする
  • 会社の所在地や固定電話がはっきりしない

よくあるトラブルの形

特殊清掃や遺品整理で多いのは、見積もりより大幅に高い請求、残しておいてほしかった遺品の処分、作業後もにおいが消えない、家財の不法投棄といったトラブルです。不法投棄は、依頼した側が事情を聞かれることもあるため、処分先の確認は自分を守ることにもつながります。トラブルの防ぎ方は特殊清掃・遺品整理のトラブルと防ぎ方でもまとめています。

困ったときの相談先

消費者ホットライン「188」契約や請求でもめたときは、局番なしの「188(いやや)」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。契約書・見積書・請求書・やりとりの記録は捨てずに残しておいてください。

特殊清掃の依頼から完了までの流れと、依頼前の注意点

賃貸か持ち家か、相続放棄を考えているかで、動き方が変わります。
賃貸か持ち家か、相続放棄を考えているかで、動き方が変わります。

一般的な流れ

  1. 問い合わせ(状況・間取り・発見までの期間・季節を伝える)
  2. 現地調査・見積もり(立ち会いが難しければ写真・動画で共有)
  3. 契約(作業範囲・金額・追加条件を書面で確認)
  4. 消毒・害虫の駆除・汚れの除去
  5. 貴重品の捜索、家財の仕分けと撤去
  6. 消臭(オゾン脱臭など)、必要に応じて床・壁の解体
  7. 完了確認(においの確認、写真での報告)

日数の目安や立ち会いの要否は特殊清掃の流れと日数で解説しています。

賃貸物件なら、先に管理会社・大家と相談する

亡くなった方が賃貸に住んでいた場合、部屋の持ち主は大家です。遺族が勝手に業者を決めて作業を進めると、作業範囲や費用負担でもめることがあります。まず管理会社・大家に連絡し、誰が業者を手配するのか、費用をどう分けるのかを確認してから動くのが安全です。

相続放棄を考えているなら、家財の処分は慎重に

相続放棄は、相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。注意したいのは、相続財産を処分すると「相続を認めた」(法定単純承認)とみなされるおそれがあることです。衛生上どうしても必要な清掃と、値打ちのある家財の処分とでは扱いが違うと考えられていますが、線引きは事情によって変わります。業者に依頼する前に、弁護士・司法書士に確認してください。くわしくは親が孤独死したら相続放棄すべき?をご覧ください。

特殊清掃・遺品整理・リフォームは一社にまとめるべきか

まとめて頼むか分けて頼むかは、手間と費用のどちらを優先するかで決めます。
まとめて頼むか分けて頼むかは、手間と費用のどちらを優先するかで決めます。

一社にまとめるメリット・デメリット

孤独死の現場では、特殊清掃だけでなく、遺品整理(家財の仕分けと撤去)や、床・壁を直すリフォームが続けて必要になることがよくあります。これらを一社にまとめて頼むと、連絡先が一つで済み、作業の順番の調整も業者に任せられます。遠方に住んでいて何度も立ち会えない方には大きな利点です。一方で、得意でない作業を下請けに回している場合、そのぶん中間の費用が上乗せされることがあります。見積書で、どの作業を自社で行い、どの作業を外部に頼むのかをたずねておくと安心です。

分けて頼むメリット・デメリット

特殊清掃は専門業者、リフォームは地元の工務店、と分けて頼むと、それぞれの費用を比べやすくなります。ただし、作業の境目で責任があいまいになりやすい点に注意が必要です。たとえば、リフォームのあとににおいが戻ってきたとき、清掃が不十分だったのか、工事のやり方の問題なのかで、もめることがあります。分けて頼む場合は、清掃業者に「においが取れたこと」を確認してから工事に入るという順番を守ってください。

迷ったら「今後の使い道」から逆算する

住む・貸すなら、清掃からリフォームまで一定の水準が必要です。売るなら、どこまで直すかは買い手によって変わるため、先に売却の相談をしてから清掃の範囲を決めると、むだな出費を避けやすくなります。汚れの除去までを特殊清掃、住める状態に戻すまでを原状回復と分けて考えると、見積もりも比べやすくなります。

清掃業者を探す前に:家を手放すなら「現況のまま」相談する方法も

清掃・遺品整理・売却をまとめて相談できると、手配の負担が減ります。
清掃・遺品整理・売却をまとめて相談できると、手配の負担が減ります。

清掃のあとに家をどうするかで、やるべき範囲が変わる

特殊清掃を依頼する前に、一度考えておきたいのが「この家を今後どうするか」です。住み続ける、貸す、売る、で必要な作業の範囲は大きく変わります。たとえば売却を考えている場合、高額なリフォームまで済ませても、その費用が売却価格にそのまま上乗せされるとは限りません。清掃と原状回復の違いは特殊清掃と原状回復の違いで解説しています。

当社は特殊清掃前・家財が残ったままでも買取のご相談を受けています

株式会社GEEZは、事故物件・孤独死物件を当社が直接買主となって買い取る不動産会社です。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可を持っているため、値段のつく家財の買取・回収も行えます。契約不適合責任は免責で買い取るため、売ったあとに不具合を理由に責任を問われる心配を減らせます。チラシやポータルサイトへの掲載をしないので、近所に知られずに進められます。

まずは状況をお聞かせください

「清掃業者を先に呼ぶべきか、そのまま売れるのか分からない」という段階でもかまいません。査定・相談は無料で、秘密は厳守します。相談フォーム、またはお電話(06-7777-4333/10:00〜19:00、水・日定休)でお問い合わせください。大阪府全域に対応しています。