事故物件の空き家を放置するとどうなる?結論は「負担だけが増える」

空き家の状態が長引くほど、建物の傷みと費用の負担は大きくなります。
空き家の状態が長引くほど、建物の傷みと費用の負担は大きくなります。

放置して得をすることはほとんどない

事故物件の空き家を何年か置いておけば、事故のことが忘れられて高く売れる——そう考える方もいます。しかし、国土交通省のガイドラインでは、売買には「何年たてば告知しなくてよい」という期間の目安がありません。賃貸はおおむね3年という目安がありますが、売買では年数がたっても告知が必要と考えるのが基本です。つまり、待っていても告知の負担はなくならず、その間に建物の価値は下がり、税金と管理費だけが出ていきます。告知の考え方は事故物件の告知義務は何年で消える?で詳しく解説しています。

手がつけられないのは自然なこと。ただし「期限のあるもの」だけは先に確認を

亡くなった方の思い出がある家を、すぐに片付けたり売ったりできないのは当然です。無理に急ぐ必要はありません。ただし、相続放棄(相続人になったことを知った時から3か月以内)や相続登記(取得を知った日から3年以内)のように、法律で期限が決まっている手続きがあります。家そのものの結論は後回しにしても、期限のある手続きだけは早めに確認しておくと、あとで困りません。

放置で起きるリスクの全体像

分野放置で起きること
お金固定資産税・都市計画税、光熱費の基本料金、保険料、見回りの交通費が毎年かかる
行政管理不全空家・特定空家に指定されると、住宅用地特例が外れて税金が上がることがある
建物換気されず湿気がこもり、においの再発・カビ・雨漏り・害虫が起きやすい
近隣におい・虫・草木・不法投棄・防犯面で苦情が出る。倒壊や落下物は所有者の責任
相続登記をしないまま次の相続が起きると、相続人が増えて売却の話がまとまりにくくなる

放置で増えるお金の負担:固定資産税と住宅用地特例

住んでいなくても、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税がかかります。
住んでいなくても、毎年1月1日時点の所有者に固定資産税がかかります。

固定資産税・都市計画税は誰も住まなくてもかかる

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者にかかる税金です。家に誰も住んでいなくても、事故があった家でも、税額は変わりません。相続登記をしていない場合でも、相続人の代表者などに納税通知書が届きます。このほか、電気・水道を止めずにおくなら基本料金、火災保険料、庭木の手入れ、遠方なら見回りの交通費もかかります。1年ごとの金額は小さく見えても、5年、10年と続けば大きな出費になります。

管理不全空家・特定空家に指定されると税金が上がる

2023年12月13日に施行された改正空家対策特別措置法で、「特定空家」の手前の段階として「管理不全空家」が新しく設けられました。管理が不十分で、このままでは特定空家になるおそれがある空き家が対象です。市区町村から指導を受けても改善せず勧告を受けると、土地にかかる住宅用地特例が外れます。

住宅用地特例固定資産税の課税標準
200㎡以下の部分(小規模住宅用地)1/6に軽減
200㎡を超える部分(一般住宅用地)1/3に軽減
勧告を受けた場合特例が外れ、軽減がなくなる

つまり、家が建っていることで受けていた軽減がなくなり、土地の固定資産税が大きく上がる可能性があります。実際の税額は土地の評価額や自治体で違うため、市区町村の資産税担当で確認してください。

売却の税金の特例にも期限がある

亡くなった方が1人で住んでいた古い家(1981年5月31日以前の建築など条件あり)を相続して売る場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります(相続人が3人以上なら1人2,000万円)。ただし、使えるのは相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売った場合です。放置しているうちにこの期限を過ぎると、手元に残るお金が大きく変わることがあります。詳しくは事故物件の売却にかかる税金をご覧ください。適用できるかは条件が細かいため、税理士か税務署に確認してください。

建物の傷みと近隣への影響:事故物件の空き家ならではの問題

においや害虫、草木の越境は、近所の方からの苦情につながりやすい問題です。
においや害虫、草木の越境は、近所の方からの苦情につながりやすい問題です。

特殊清掃が不十分だと、においや虫が戻ることがある

孤独死などで発見が遅れた場合、体液が床材の下まで染み込んでいることがあります。表面だけを片付けて閉め切っておくと、夏場に温度が上がったときににおいが再び出てくることがあります。閉め切った空き家は換気されないため、においがこもりやすく、ハエなどの害虫が出ることもあります。清掃の内容や費用の目安は特殊清掃の費用相場で解説しています。

倒壊や落下物は所有者の責任になる

民法717条(工作物責任)では、建物などの設置や保存に問題があって他人に損害を与えた場合、所有者は過失がなくても責任を負うとされています。たとえば、台風で瓦やトタンが飛んで隣家の車を傷つけた、ブロック塀が倒れて通行人がけがをした、という場合です。空き家で人の目が届かないと、傷みに気づくのが遅れます。古い木造住宅や長屋が多い地域では特に注意が必要です。

防犯・不法投棄・うわさの広がり

人の出入りがない家は、不法侵入やゴミの不法投棄、放火の対象になりやすいといわれます。郵便物がたまったままの家や、雨戸が閉まりっぱなしの家は、外から見ても空き家だとわかります。また、事故があった家が長く空いていると、近所で話題になりやすく、うわさが広がる原因にもなります。近隣から苦情やお問い合わせがあったときの対応は事故物件の近隣からの苦情への対応にまとめています。

相続・登記を放置するリスク:時間がたつほど売りにくくなる

相続登記は2024年4月から義務になりました。施行前の相続も対象です。
相続登記は2024年4月から義務になりました。施行前の相続も対象です。

相続登記は義務。怠ると過料の対象

2024年4月1日から、相続で不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に相続登記をする義務があります。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。施行前に起きた相続も対象で、こちらは2027年3月31日までが猶予期間です。名義が亡くなった方のままでは売却もできないため、売ると決めたら必ず必要になる手続きです。登記をしていない家の売り方は相続登記をしていない事故物件を売る方法で解説しています。

次の相続が起きると、話し合う人が増える

相続人の1人が亡くなると、その方の配偶者や子どもが新たに相続人になります。兄弟3人で話せばよかったものが、10年後には甥や姪を含めた大人数の話し合いになることも珍しくありません。売却には原則として共有者全員の同意が要るため、人数が増えるほどまとまりにくくなります。兄弟で意見が合わない場合の進め方は事故物件を兄弟で相続して揉めたときを参考にしてください。

相続放棄を考えている場合の注意

相続放棄をするなら、相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。家財を処分したり家を売ったりすると、相続を認めた(単純承認)とみなされることがあります。また、2023年4月施行の改正民法940条により、放棄した時に家を現に占有している人は、次の相続人などに引き渡すまで保存する義務があります。「放棄したから空き家のことは関係ない」とは言い切れないため、司法書士や弁護士に確認してください。判断の考え方は事故物件を相続してしまったら?で解説しています。

放置しないための選択肢:管理・賃貸・解体・売却を比べる

どの選択肢にも費用と手間があります。比べたうえで決めることが大切です。
どの選択肢にも費用と手間があります。比べたうえで決めることが大切です。

5つの選択肢と向いている人

選択肢向いている人注意点
自分で管理を続ける近くに住んでいて、将来使う予定がある税金・管理費は続く。結論の先送りになりやすい
賃貸に出す立地がよく、リフォーム費用を出せる告知が必要。家賃は下がりやすく、修繕と管理の手間がある
解体して更地にする建物が古く、土地として売るほうが早い解体費がかかる。住宅用地特例が外れる
仲介で売る時間がかかってもよく、室内を整えられる買主探しに時間がかかる。広告で近所に知られることがある
買取業者に売る早く手放したい、片付けが難しい、近所に知られたくない価格は仲介より低めになりやすい

どれを選ぶにしても、比べるときは「今すぐ出ていくお金」だけでなく、結論が出るまでの年数×毎年の負担で考えるのがコツです。たとえば賃貸に出す場合、告知事項ありとして募集するため家賃は相場より下げることが多く、入居者が決まるまでの空室期間やリフォーム費用もかかります。一方、売却であれば、その後の税金や管理の負担はなくなります。家族の気持ちや将来の使い道も含めて、紙に書き出して比べてみてください。

解体は「売れる見込み」を確認してから

「建物があるから売れない」と考えて先に解体する方がいますが、解体すると住宅用地特例が外れ、売れるまでの間の固定資産税が上がります。解体費用もまとまった金額になり、物件や時期で大きく変わります。床面積80㎡以上の解体では建設リサイクル法の届出が必要で、アスベストの事前調査も求められます。解体するかどうかは、売却の見込みや買主の希望を確かめてから決めるのが基本です。詳しくは事故物件は解体して更地にすべき?をご覧ください。

片付けが終わっていなくても相談はできる

「中を片付けてからでないと不動産会社に相談できない」と思われがちですが、そうではありません。家財が残ったままでも、特殊清掃の前でも、査定や売り方の相談はできます。先に売り方を決めておけば、清掃や遺品整理をどこまでやるべきかもはっきりし、ムダな費用をかけずに済みます。残置物の扱いは遺品が残ったまま売却できる?で解説しています。

次に何をすればいい?空き家の事故物件は「現状の確認」から

まずは家の状態と、期限のある手続きを確認することから始めましょう。
まずは家の状態と、期限のある手続きを確認することから始めましょう。

今日からできる3つのこと

  1. 期限のある手続きを確認する:相続放棄(3か月)、相続登記(3年)、相続税の申告(必要な場合は10か月)など
  2. 家の状態を確認する:においの有無、雨漏り、庭木や塀の状態。遠方なら近所の方や管理会社に様子を聞く
  3. 固定資産税の納税通知書を手元に置く:評価額がわかり、売却や税金の相談がスムーズになる

株式会社GEEZにできること

株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件・相続物件の買取を行っています。当社が直接買主になるため、チラシやポータルサイトに載せず、近所に知られずに売却できます。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可があるので、家財の回収も行えます。買取は契約不適合責任を免責とするため、売ったあとに不具合を理由に責任を問われる心配を減らせます。大阪市内の長屋や古い木造住宅(たとえば生野区や東大阪市など)のご相談も受け付けています。

相談は無料・秘密厳守

「まだ売るか決めていない」「家族と話し合う前に相場だけ知りたい」という段階でもかまいません。査定・相談は無料で、秘密は厳守します。お電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)か、相談フォームからお気軽にご連絡ください。