孤独死でペットが残されたとき、最初にやること

まずは命を守ること。次に、落ち着いて行き先を考えます。
まずは命を守ること。次に、落ち着いて行き先を考えます。

健康状態の確認と動物病院の受診

飼い主が亡くなってから発見されるまでの間、ペットは十分に食事や水をとれていないことがあります。脱水や衰弱が見られる場合は、すぐに動物病院に連れて行くことを考えてください。また、衛生状態のよくない室内にいたペットは、体に汚れが付いていたり、感染症にかかっていたりすることもあります。受診の際に「飼い主が亡くなった部屋にいた」と伝えると、獣医師が必要な検査を判断しやすくなります。

警察や管理会社と相談して保護する

発見の直後は、警察が室内を確認しているため、勝手に部屋に入ってペットを連れ出すことはできない場合があります。警察官や管理会社に、ペットがいることを伝え、保護の方法を相談しましょう。状況によっては、自治体の動物愛護センターなどと連携して一時的に保護されることもあります。対応は地域で異なります。

一時的な預け先を確保する

最終的な引き取り先が決まるまでの間、ペットホテルや動物病院の預かり、親族の家などで一時的に預かってもらいます。葬儀や相続の手続きと並行するため、「最終的な行き先」と「当面の預け先」を分けて考えると、慌てずに済みます。発見から葬儀までの手続きの流れは孤独死の発見から葬儀までの流れをご覧ください。

預け先には、ペットの名前、年齢、普段食べているフード、持病の有無など、わかる範囲の情報を伝えましょう。飼い主を亡くしたペットは、環境の変化で食欲が落ちたり、落ち着かなくなったりすることがあります。しばらくは様子をこまめに見てもらえる預け先を選ぶと安心です。預かり費用は誰が負担するのかも、相続人どうしで早めに決めておくと、あとのもめごとを防げます。

ペットは誰のもの?相続との関係

法律上、ペットは相続の対象となる財産として扱われます。
法律上、ペットは相続の対象となる財産として扱われます。

ペットは相続人が引き継ぐ

家族同然の存在であっても、法律上、ペットは飼い主の財産(動産)として扱われ、相続の対象になります。そのため、原則として相続人がペットの所有者を引き継ぎます。相続人が複数いる場合は、誰が引き取るか、飼育費用をどう分担するかを話し合いましょう。

動物愛護管理法が求める飼い主の責任

動物の愛護及び管理に関する法律では、動物の所有者に、動物をその種類や習性に応じて適正に飼い、できる限り命を終えるまで飼うよう努めることなどを求めています。引き取った相続人も、新しい飼い主としてこの責任を負うことになります。引き取りが難しい場合でも、むやみに手放すのではなく、次の飼い主を探す努力が求められます。

相続放棄を考えている場合

相続放棄をすると、ペットも含めて故人の財産を引き継がないことになります。一方で、目の前のペットを放っておくわけにはいきません。命を守るための世話(食事・受診・一時預かり)は、財産の価値を保つための行為として扱われることが多いと考えられます。ただし、ペットを譲ったり売ったりすることがどう評価されるかは事情によって違うため、相続放棄を検討している場合は弁護士・司法書士に確認してください。放棄の判断については親が孤独死したら相続放棄すべき?で解説しています。

残されたペットの引き取り先の選択肢

ペットの年齢や性格に合った行き先を探します。
ペットの年齢や性格に合った行き先を探します。

選択肢の比較

引き取り先特徴・注意点
親族・相続人最も自然な選択肢。住まいがペット可か、家族にアレルギーがないかを確認
故人の友人・知人故人とペットをよく知る人なら安心。譲渡の合意は書面で残す
保護団体・譲渡会新しい飼い主を探してくれる。受け入れ条件や費用は団体で異なる
老犬・老猫ホームなど終生預かりのサービス。費用は施設や期間で大きく変わる
自治体(動物愛護センター等)犬・猫は所有者から引き取りを求められた場合に引き取るのが原則だが、拒否できる場合もある。手数料がかかることも

自治体の引き取りは最後の手段として考える

動物愛護管理法35条では、都道府県などは犬や猫の引き取りを所有者から求められたときは引き取らなければならないとしつつ、相当の理由がない場合などは拒否できると定めています。引き取られたあとに新しい飼い主が見つかるとは限らないため、まずは親族・知人・保護団体などを当たり、それでも難しい場合の相談先と考えるのがよいでしょう。事前に自治体の窓口に相談すると、地域の譲渡活動や保護団体を紹介してもらえることもあります。

新しい飼い主に伝えたい情報

  • 年齢・性別・病歴・ワクチンの接種状況(動物病院の診察券や手帳を探す)
  • 普段のフードや性格、苦手なこと
  • マイクロチップの有無(登録情報の変更手続きが必要な場合がある)

犬の場合は、市町村への登録の変更や、所有者が亡くなった旨の届出が必要になることがあります。手続きは自治体によって違うため、新しい飼い主の住所地の役所に確認しましょう。

ペットがいた部屋の特殊清掃で注意すること

ペットの排泄物や毛は、においの原因を増やします。
ペットの排泄物や毛は、においの原因を増やします。

清掃の範囲と費用が増えやすい理由

ペットがいた部屋では、飼い主が亡くなってからの期間、排泄物の処理がされていないことが多くあります。尿は床材や壁の下の方にしみ込みやすく、孤独死によるにおいと重なると、消臭作業の範囲や日数が増え、費用も上がりやすくなります。毛やフケが部屋中に広がっているため、エアコン内部の洗浄が必要になることもあります。

清掃前にペット用品を確認する

ケージやトイレ、フードなどのペット用品は、引き取り先で使えるものがあれば清掃前に取り出しておきましょう。ただし、汚れやにおいが強いものは、無理に持ち出さず処分を検討します。業者には、ペットがいたことを最初に伝えておくと、見積もりと当日の作業がスムーズです。ペット臭の清掃についてはペット臭の特殊清掃と費用でも解説しています。

多頭飼育だった場合

犬や猫を何匹も飼っていた場合は、引き取り先探しも清掃も負担が大きくなります。自治体の動物愛護担当や保護団体と早めに相談しましょう。室内の衛生状態が悪化していることが多いため、ご家族だけで清掃するのは避け、専門業者に依頼するのが安全です。特殊清掃の費用の目安は孤独死の特殊清掃の費用相場は?をご覧ください。

清掃作業中のペットの扱い

清掃作業では消毒剤や消臭剤を使い、オゾンを発生させる機械を使うこともあります。オゾンは濃度によっては人や動物の体に害があるため、作業中は室内にペットを残さないのが原則です。ペットの保護が済んでから清掃を始めるよう、スケジュールを組みましょう。小さな生き物(魚・鳥・爬虫類など)は見落とされやすいので、室内をよく確認してから作業に入ってもらいます。

賃貸住宅でペットが残された場合の注意点

賃貸では、原状回復の範囲が広がることがあります。
賃貸では、原状回復の範囲が広がることがあります。

ペット可物件でも原状回復の負担が増えることがある

賃貸住宅でペットを飼っていた場合、ペットによる傷やにおいは、通常の暮らしによる傷みを超えるものとして、借主側の負担と判断されることがあります。孤独死が重なった場合は、どこまでが自然死による汚損で、どこからがペットによるものか、区別が難しくなります。見積もりの内訳を確認し、写真で記録を残しておくことが、大家さんとの話し合いの材料になります。

大家・管理会社と早めに話す

相続人として部屋の明け渡しを求められたときは、ペットの保護と荷物の整理にどのくらい時間がかかるかを伝え、スケジュールを相談しましょう。原状回復の費用負担については、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も参考になります。賃貸での費用負担の全体像は賃貸で孤独死したら損害賠償は誰が払う?で解説しています。

大家さん側の対応

大家さんや管理会社の立場では、ペットが残されているとわかった時点で、警察や遺族と協力して早めに保護することが大切です。ペットが室内で鳴き続けると、近隣からの苦情にもつながります。大家向けの対応の全体像は孤独死が起きたときの大家の対応マニュアルをご覧ください。

飼い主が元気なうちにできる備え

「もしものとき」の行き先を決めておくことが、ペットを守ります。
「もしものとき」の行き先を決めておくことが、ペットを守ります。

一人暮らしでペットを飼う人の備え

  • 自分に何かあったときにペットを託す人を決め、了解を得ておく
  • 玄関や財布に「家にペットがいます」と書いた緊急連絡カードを入れておく
  • かかりつけの動物病院、フード、病歴をメモにまとめておく
  • 見守りサービスなどで、異変に早く気づいてもらえる仕組みを作る

遺言や契約でペットの世話を託す方法

ペットの世話を条件に財産を譲る「負担付遺贈」や、ペットの飼育費用を管理する信託の仕組みを使う方法もあります。内容によって効果や注意点が違うため、利用する場合は弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。

大切なのは、仕組みの難しさよりも「誰が引き取るか」を本人が生きているうちに話し合っておくことです。託す相手が決まっていれば、もしものときに遺族が迷う時間が短くなり、ペットの負担も小さくなります。飼育費用の目安や、ペットの性格・好みなども、書き残しておくとよいでしょう。

家族ができること

離れて暮らす親がペットを飼っている場合、ペットは心の支えになる一方、親が倒れたときに助けを呼べないリスクも抱えています。定期的な連絡や見守りの仕組みを整えておくと、親とペットの両方を守ることにつながります。離れて暮らす親の見守りについては離れて暮らす親の孤独死を防ぐ方法や孤独死の見守りサービスで紹介しています。

次に何をすればいい?ペットと住まいの問題を同時に進める

ペットの行き先と、住まいの片付けは並行して進めます。
ペットの行き先と、住まいの片付けは並行して進めます。

やることの順番

  1. ペットの保護と受診、一時的な預け先の確保
  2. 相続人どうしで、引き取り手と費用の分担を話し合う
  3. 特殊清掃の見積もり(ペットがいたことを伝える)
  4. 賃貸なら明け渡しの時期、持ち家なら家の今後を決める

持ち家の場合は、家の今後も早めに考える

ペットのいた家は、清掃やリフォームに費用がかかりがちです。住む予定がない場合は、清掃・リフォームをしてから売るか、そのままの状態で買い取ってもらうかを比べてみましょう。家財が残った状態での売却については遺品が残ったままでも売却できる?をご覧ください。

株式会社GEEZへのご相談

株式会社GEEZは、大阪府全域で孤独死物件・事故物件・相続物件を当社が直接買い取っています。特殊清掃の前、家財やペット用品が残ったままの状態でもご相談いただけます。査定・相談は無料、秘密厳守です。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333)でお問い合わせください。