孤独死のあとの空き家を放置するとどうなる?全体像

放置のリスクは「お金」「近隣」「売りにくさ」の3つに分けて考えます。
放置のリスクは「お金」「近隣」「売りにくさ」の3つに分けて考えます。

放置で起きる3つの問題

問題主な内容
お金の問題固定資産税・火災保険・光熱費の基本料金がかかり続ける。管理不全空家などに指定されると税の優遇が外れる
近隣・安全の問題におい・害虫・雑草・ごみの不法投棄・不審者の侵入・瓦や外壁の落下
売りにくさの問題建物の傷みが進み、においも残りやすくなる。相続人が増えると話し合いが難しくなる

孤独死のあった空き家は特に注意が必要

発見が遅れた場合、室内に体液やにおいが残っていることがあります。特殊清掃をしないまま閉め切っておくと、においが壁や床にしみ込み、害虫が外に出て近所に迷惑をかけることもあります。「とりあえず閉めておく」が、あとで費用を大きくする原因になりやすいのです。総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高になりました。空き家は誰にとっても身近な問題で、行政の目も年々厳しくなっています。

まず決めるべきは「誰が管理するか」

相続人が複数いると、「誰かがやってくれるだろう」と全員が手を出さないまま時間が過ぎがちです。売る・貸す・残すの結論が出ていなくても、当面の管理を誰が担当するかだけは先に決めておきましょう。窓を開けての換気、郵便物の回収、庭木の手入れなど、月に1回でも様子を見に行くだけで傷みの進み方は変わります。遠方で通えない場合は、近くに住む親族に頼む、空き家の管理サービスを利用するといった方法もあります。管理の費用を誰がどう負担するかも、あわせて相続人どうしで決めておきましょう。

税金のリスク:管理不全空家・特定空家と固定資産税

勧告を受けると、土地の固定資産税の優遇が外れます。
勧告を受けると、土地の固定資産税の優遇が外れます。

住宅用地特例とは

人が住むための家が建っている土地は、固定資産税の計算のもとになる金額(課税標準)が軽くなる「住宅用地特例」を受けています。200㎡以下の部分は6分の1、200㎡を超える部分は3分の1に軽減されます。空き家でも建物が建っていれば、原則としてこの特例が続きます。

「管理不全空家」の新設で、早い段階から対象に

以前は、倒壊のおそれがあるなど状態がかなり悪い「特定空家」に勧告が出た場合に特例が外れる仕組みでした。2023年12月13日施行の改正空家対策特別措置法で、そのまま放置すれば特定空家になるおそれがある「管理不全空家」が新しく設けられました。管理不全空家として市町村から指導を受け、それでも改善せずに勧告を受けると、住宅用地特例が外れます。つまり、倒壊寸前でなくても、窓が割れたまま・雑草が伸び放題といった状態が続けば対象になりうるということです。

特定空家になるとさらに重い措置も

特定空家に指定されると、助言・指導、勧告、命令と段階的に措置が進み、最終的には行政が代わりに解体などを行う「行政代執行」の対象になることもあります。その費用は所有者に請求されます。指導の段階で連絡が来たら放置せず、市町村の空き家担当窓口に相談しましょう。空き家全般の放置リスクは事故物件の空き家を放置するリスクでも解説しています。

固定資産税以外にもかかり続ける費用

空き家は住んでいなくても、さまざまな費用がかかります。固定資産税・都市計画税のほか、空き家に対応した火災保険の保険料、水道や電気の基本料金、庭木の剪定や草刈りの費用、遠方なら様子を見に行く交通費も必要です。マンションであれば管理費・修繕積立金も毎月かかります。1年ごとに見ると小さな額でも、5年、10年と続けばまとまった金額になります。「いつか考える」のではなく、持ち続けた場合の費用を一度書き出してみると、判断の材料になります。

近隣と安全のリスク:所有者が負う工作物責任

瓦やブロック塀の事故は、所有者に過失がなくても責任を問われます。
瓦やブロック塀の事故は、所有者に過失がなくても責任を問われます。

民法717条の「工作物責任」

建物や塀などの管理に問題があり、他人にけがをさせたり物を壊したりした場合、まず建物を使っている人(占有者)が責任を負います。空き家のように住んでいる人がいない場合は、所有者が責任を負い、この責任は所有者に過失がなくても免れない「無過失責任」とされています。台風で瓦が飛んで通行人にけがをさせた、古いブロック塀が倒れて隣の車を傷つけた、といった場合が典型です。

相続人は「まだ名義を変えていない」では済まない

相続登記をしていなくても、相続によって家の権利は相続人に移っています。そのため、近所から苦情が来たり事故が起きたりしたときは、相続人が対応を求められるのが一般的です。なお、2024年4月1日から相続登記が義務になり、取得を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります(それ以前の相続は2027年3月31日まで猶予)。

孤独死の空き家で起きやすい近隣の困りごと

  • 窓や換気口からのにおい、ハエなどの害虫
  • 郵便受けにたまったチラシから空き家だと知られ、不審者が入る
  • 雑草や庭木が隣の敷地にはみ出す
  • 「何があったのか」という近隣の不安やうわさ

近所へのお詫びや説明の仕方は事故物件の近隣からの苦情への対応でまとめています。

放置するほど売りにくくなる理由

建物の傷みと相続人の増加が、売却のハードルを上げていきます。
建物の傷みと相続人の増加が、売却のハードルを上げていきます。

建物とにおいの問題が進む

人が住まない家は、換気がされず湿気がこもり、カビや雨漏り、シロアリの被害が進みやすくなります。孤独死のあった家では、特殊清掃をしないまま時間がたつと、においが建材の奥まで入り込み、床や壁の張り替えが必要な範囲が広がることがあります。結果として、清掃・リフォーム費用がかさみ、買主から見た価値も下がっていきます。

相続人が増えると話がまとまりにくい

相続人の一人が亡くなると、その人の相続人(配偶者や子)が新たに加わります。相続人が増えるほど連絡や合意が難しくなり、売りたくても売れない状態になりがちです。兄弟で意見が分かれている場合の進め方は事故物件を兄弟で相続して意見が合わないときをご覧ください。

告知の義務は時間がたっても消えない

国土交通省のガイドラインでは、自然死でも長期間発見されず特殊清掃などが行われた場合は告知の対象とされています。売買については告知が不要になる期間の目安が示されていません。「何年か寝かせておけば普通の家として売れる」とは考えないほうがよいのです。詳しくは孤独死は事故物件になる?で解説しています。

孤独死のあとの空き家の選択肢(売る・貸す・解体・手放す)

選択肢ごとに、費用と手間、かかる時間が違います。
選択肢ごとに、費用と手間、かかる時間が違います。

選択肢の比較

選択肢向いている場合注意点
仲介で売る立地がよく、清掃・リフォームをする余裕がある告知が必要。買主が見つかるまで時間がかかることがある
買取で売る早く手放したい、家財が残っている、近所に知られたくない価格は仲介より低くなりやすい
賃貸に出す家賃需要がある地域で、修繕費を出せる修繕費と管理の手間。賃貸でも告知が必要な場合がある
解体して更地建物が古く、土地として売るほうが有利解体費がかかる。更地にすると住宅用地特例が外れる
相続放棄借金が多い、家に価値がない3か月の期限。家だけを放棄することはできない

税金の特例も検討する

一定の条件を満たす相続した空き家を売ると、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。1981年5月31日以前に建てられた家で、亡くなった方が一人で住んでいたこと、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどが条件です(適用期限は2027年12月31日)。条件は細かいため、税理士に確認してください。税金の全体像は事故物件の売却にかかる税金で解説しています。

相続土地国庫帰属制度は建物があると使えない

2023年4月27日に始まった相続土地国庫帰属制度は、相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。ただし建物がある土地は対象外で、審査手数料(1筆14,000円)と原則20万円の負担金もかかります。家が建ったままの状態では使えないことを覚えておきましょう。

賃貸に出すなら修繕と告知の準備を

空き家を貸して家賃収入を得る方法もあります。ただし、長く空いていた家は水回りや屋根の修繕が必要になることが多く、初期費用がかかります。孤独死で特殊清掃を行った場合、賃貸でも借主への告知が必要になり、家賃を下げないと借り手がつかないこともあります。貸す場合の家賃設定や告知の考え方は事故後に賃貸募集する手順を参考にしてください。

空き家を手放すまでの手順と、よくある誤解

手順を決めておけば、相続人どうしの話し合いも進めやすくなります。
手順を決めておけば、相続人どうしの話し合いも進めやすくなります。

手放すまでの基本的な手順

  1. 相続人を確定し、相続放棄をするかどうかを決める
  2. 当面の管理担当を決め、特殊清掃が必要なら早めに手配する
  3. 遺産分割の話し合いをして、家を誰が相続するか決める
  4. 相続登記をする(司法書士に依頼するのが一般的)
  5. 査定を取り、売る・貸す・解体するを決める
  6. 売却なら契約・引き渡し、その後に確定申告

誤解:「解体すれば何でも解決する」

建物を取り壊せば、においや倒壊の心配はなくなります。しかし、解体には費用がかかり、更地になると住宅用地特例が外れて土地の固定資産税が上がります。床面積80㎡以上の解体は建設リサイクル法の届出、アスベストの事前調査も必要です。解体するかどうかは事故物件は解体して更地にすべき?で詳しく比較しています。

誤解:「家財を全部片付けないと売れない」

仲介で一般の買主に売る場合は、家財を片付けて引き渡すのが普通です。一方、不動産会社が買主になる買取では、家財が残ったままでも引き取ってもらえることがあります。遠方に住んでいて片付けに通えない場合は、この方法も検討してみてください。

次に何をすればいい?早めの査定で選択肢を確保する

結論を出す前に、家の値段の目安を知っておくだけでも判断しやすくなります。
結論を出す前に、家の値段の目安を知っておくだけでも判断しやすくなります。

今週できること

  • 家の鍵、権利証、固定資産税の通知書がどこにあるか確認する
  • 相続人の連絡先を整理し、当面の管理担当を決める
  • においや害虫がある場合は、特殊清掃の見積もりを取る
  • 家の査定を取り、売った場合の手取りの目安を知る

孤独死のあった空き家は株式会社GEEZへ

株式会社GEEZは、大阪府全域(67エリア)で事故物件・孤独死物件・相続物件・空き家を当社が直接買い取っています。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可があるため家財の回収も行え、売主様の契約不適合責任は免責で買い取ります。チラシやポータルサイトに載せないため、近所に知られずに手放すことができます。

査定・相談は無料、秘密厳守です。「まだ売ると決めたわけではない」という段階でも構いません。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333、10:00〜19:00・水日定休)でお気軽にお問い合わせください。