持ち家で孤独死があった後の流れ(全体像)

家の今後は、相続の手続きと並行して決めていきます。
家の今後は、相続の手続きと並行して決めていきます。

家がたどる基本的な流れ

  1. 警察の確認が終わり、家の鍵が家族に返される
  2. 必要に応じて特殊清掃を行う(においや害虫の広がりを止める)
  3. 相続人を確定し、相続するか相続放棄するかを決める(3か月以内)
  4. 遺産分割の話し合いで、家を誰が相続するか決める
  5. 相続登記をする(取得を知った日から3年以内の義務)
  6. 住む・貸す・売る・解体するのいずれかを選ぶ

家は自動的に誰かのものになるわけではない

亡くなった方の家は、遺言書がなければ相続人全員の共有の状態になります。誰が家を引き継ぐのかは、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます。話し合いがまとまるまでの間も、固定資産税の支払いや家の管理は必要です。「話がまとまるまで誰も何もしない」状態が一番のリスクになるため、当面の管理担当を先に決めておきましょう。

住宅ローンが残っている場合

亡くなった方が住宅ローンを返済中だった場合、多くは団体信用生命保険(団信)に加入しており、保険金でローンの残りが返済されます。団信に加入していなかった場合や、ローン以外の借金がある場合は、相続するか放棄するかの判断に影響します。金融機関からの書類や通帳の引き落とし記録を確認しましょう。

固定資産税は誰が払う?

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課税されます。亡くなった年の税金で未払いの分は、相続人が引き継いで支払うことになります。翌年以降は、相続登記が済んでいなくても、市町村が相続人の代表者に納税通知書を送ることがあります(自治体によっては相続人代表者の届出を求められます)。家を売るまでの間も税金はかかり続けるため、遺産分割の話し合いで、売却までの費用を誰がどう負担するかも決めておくと安心です。

孤独死のあった持ち家は事故物件になる?分かれ目は特殊清掃

孤独死というだけでは、事故物件にはなりません。
孤独死というだけでは、事故物件にはなりません。

自然死で早く発見された場合は原則告知不要

国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(2021年10月公表)では、老衰や病気による自然死、自宅での転倒や入浴中の溺死などの日常生活の中での不慮の死は、原則として告知しなくてよいとされています。持ち家で孤独死があっても、早く発見されて特殊清掃が必要なかった場合は、通常の家と同じように売却できることが多いのです。

特殊清掃や大規模リフォームをした場合は告知が必要

一方、長い期間発見されず、特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、買主・借主に伝えるべき事実とされています。自殺や事件、火災による死亡も告知の対象です。売買では、告知が不要になる期間の目安は示されていません。時間がたったからといって伝えなくてよいとは限りません。

売主は「知っていること」を正直に伝える

家を売るときは、売主が知っている事実を告知書(物件状況等報告書)に記載するのが基本です。知っていながら伝えなかった場合、契約不適合責任を免責する特約があっても、その責任は免れません。告知の詳しい考え方は孤独死は事故物件になる?と事故物件の告知義務で解説しています。

相続の手続き:相続放棄・相続登記・相続人がいない場合

家をどうするかの前に、誰が相続するかを確定させます。
家をどうするかの前に、誰が相続するかを確定させます。

相続放棄をするなら3か月以内

亡くなった方に借金が多い、家の価値が低く管理の負担だけが残る、という場合は相続放棄も選択肢です。相続人になったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申し立てます。ただし、相続放棄は財産をすべて手放す手続きで、「家だけ放棄する」ことはできません。また、放棄した時点で家を現に占有している人は、次の相続人などに引き渡すまで保存の義務を負います(2023年4月施行の改正民法940条)。判断は親が孤独死したら相続放棄すべき?を参考に、弁護士・司法書士に相談してください。

相続登記は義務になった

2024年4月1日から、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をすることが義務になりました。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。施行前の相続も対象で、2027年3月31日まで猶予があります。売却するにも、まず相続人の名義に変える必要があります。手続きは司法書士に依頼するのが一般的です。登記をしていない家の売り方は相続登記をしていない事故物件を売る方法で解説しています。

相続人がいない・全員が放棄した場合

相続人がいない場合や全員が相続放棄した場合、家は家庭裁判所が選ぶ「相続財産清算人」が管理・処分し、最終的に残った財産は国庫に入ります。清算人の選任を申し立てるには予納金などの費用がかかるため、誰も申し立てずに家が放置されることもあります。財産の行方については孤独死した人の財産はどうなる?をご覧ください。

住む・貸す・売る・解体するの比較

家族の気持ちと、費用・手間の両方から考えます。
家族の気持ちと、費用・手間の両方から考えます。

選択肢ごとの特徴

選択肢向いている場合主な注意点
相続人が住む立地がよく、家族に住む予定がある清掃・リフォーム費用。気持ちの面で住めるか
賃貸に出す賃貸需要がある地域で、修繕費を出せる告知が必要な場合は家賃が下がりやすい。管理の手間
仲介で売る時間に余裕があり、少しでも高く売りたい告知が必要な場合は買主が限られ、時間がかかることも
買取で売る早く手放したい、家財が残っている、近所に知られたくない価格は仲介より低くなりやすい
解体して土地で売る建物が古く、土地として価値がある解体費。更地は固定資産税の住宅用地特例が外れる

気持ちの整理も大切な判断材料

親が亡くなった家に住む、あるいは人に貸すことに抵抗を感じる方もいます。それは自然な気持ちで、無理に住み続ける必要はありません。一方で、思い出のある家をすぐに手放す決心がつかないこともあります。結論を急がずに、まずは清掃と管理をしながら、査定で家の価値を知っておくのも一つの方法です。

価格への影響

告知が必要な孤独死のあった家は、一般の家より価格が下がる傾向があります。どのくらい下がるかは、立地、建物の状態、死因や発見までの状況で大きく変わります。価格の考え方は事故物件はどれくらい安くなる?で解説しています。

相続人の意見が分かれたら

「売りたい」「残したい」と兄弟の意見が分かれることはよくあります。共有名義のまま相続すると、売るときに全員の同意が必要になり、話がまとまらないまま年月が過ぎることもあります。1人が家を相続して他の相続人にお金で調整する方法、売却して代金を分ける方法などを比べて話し合いましょう。進め方は事故物件を兄弟で相続して意見が合わないときで解説しています。

売却するなら知っておきたいこと:税金・解体・家財

売却の手取りは、税金の特例や解体の有無で変わります。
売却の手取りは、税金の特例や解体の有無で変わります。

相続した空き家の3,000万円特別控除

亡くなった方が一人で住んでいた家を相続して売る場合、条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例があります。主な条件は、1981年5月31日以前に建てられた家であること、区分所有登記の建物(マンションなど)でないこと、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であること、耐震改修か取り壊しをすること(2024年1月1日以後の売却は、買主が翌年2月15日までに行ってもよい)などです。相続人が3人以上の場合は1人2,000万円になります。適用期限は2027年12月31日までです。条件が細かいため、税理士に確認してください。

解体してから売るべきか

建物が古い場合、解体して更地にしたほうが買主が見つかりやすいこともあります。ただし、解体費がかかるうえ、更地になると土地の固定資産税の優遇が外れます。床面積80㎡以上の解体には建設リサイクル法の届出が必要で、アスベストの事前調査も義務になっています。解体するかどうかは事故物件は解体して更地にすべき?で比較しています。

家財や遺品が残っていても売れる

仲介で売る場合は、家財を片付けて引き渡すのが一般的です。不動産会社が直接買う「買取」なら、家財が残ったままでも引き取ってもらえることがあります。遺品整理の進め方は孤独死の遺品整理の進め方をご覧ください。

持ち家の孤独死でよくある誤解

思い込みで判断すると、手間や費用が増えることがあります。
思い込みで判断すると、手間や費用が増えることがあります。

誤解1:「孤独死があった家は売れない」

孤独死のあった家でも売却はできます。告知が必要な場合は価格が下がることがありますが、立地や状態によっては一般の買主が見つかることもあります。事故物件を専門に扱う買取業者に相談する方法もあります。売れにくいときの対策は事故物件が売れない理由と対策で解説しています。

誤解2:「しばらく空き家にしておけば普通に売れる」

売買の告知には期間の目安がないため、時間がたったから伝えなくてよいとは限りません。しかも、空き家の期間が長くなると建物が傷み、管理不全空家として指導を受ければ税の優遇が外れることもあります。空き家の放置リスクは孤独死のあと空き家になった家を放置するリスクをご覧ください。

誤解3:「リフォームすれば告知はいらない」

特殊清掃や大規模なリフォームを行ったこと自体が、告知が必要になる理由の一つです。きれいに直したことと、事実を伝えることは別に考えましょう。リフォームと告知の関係は事故物件のリフォーム費用と注意点で解説しています。

次に何をすればいい?家の今後を決めるための第一歩

査定を取ると、選択肢ごとの手取りを比べやすくなります。
査定を取ると、選択肢ごとの手取りを比べやすくなります。

まずやること

  • 相続人を確認し、相続放棄をするかどうか方向性を決める
  • においや害虫がある場合は、特殊清掃の見積もりを取る
  • 権利証・固定資産税の通知書・住宅ローンの書類を探す
  • 家の査定を取り、売った場合の手取りの目安を知る

査定は、売ると決めてから取るものと思われがちですが、実際には「売るかどうかを決めるため」に取るものです。家の価値がわかれば、相続放棄をするか、兄弟でどう分けるか、解体するかといった判断もしやすくなります。孤独死のあった家の場合は、事故物件の扱いに慣れた会社に査定を依頼すると、告知を前提にした現実的な金額がわかります。

株式会社GEEZにご相談ください

株式会社GEEZは、大阪府全域(67エリア)で事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買い取っています。特殊清掃の前、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけます。古物商許可があるため家財の回収も行え、契約不適合責任は免責で買い取ります。チラシやポータルサイトに載せないので、近所に知られずに売却できます。

査定・相談は無料、秘密厳守です。「売るかどうかはまだ決めていない」という段階でも構いません。相談フォームまたはお電話(06-7777-4333、10:00〜19:00・水日定休)でお気軽にお問い合わせください。