中古マンション・中古住宅で事故物件を見分ける方法の全体像

購入の段階ごとにできること
| 段階 | 確認すること |
|---|---|
| 物件探し | 広告の備考欄、周辺相場との価格差 |
| 内見 | 部分的なリフォームの跡、におい、共用部分の様子 |
| 購入申込みの前 | 不動産会社への質問、告知書(物件状況等報告書)の確認 |
| 契約・重要事項説明 | 重要事項説明書・契約書の記載、特約の内容 |
このうち、もっとも確実なのは告知書と重要事項説明書の確認です。書面に書かれた内容は、あとでトラブルになったときの根拠になります。
相場より安い物件は、理由を先に聞く
同じマンションの似た部屋や、近くの似た条件の家と比べて明らかに価格が安い場合は、申込みの前に理由を聞いておきましょう。安さの理由は、事故だけでなく、室内の傷み、管理費の滞納、売主の事情(早く現金化したい)などさまざまです。理由がはっきりすれば、納得して検討を進められます。
一般的な調べ方との違い
事故物件公示サイトの確認や近所への聞き込みなど、事故物件の一般的な調べ方は事故物件の調べ方・見分け方7選で紹介しています。この記事では、購入という手続きの中で使える確認方法に絞って解説します。賃貸では告知の目安が3年とされているのに対し、売買では期間の目安がないため、購入時の確認はより重要です。
完全に見分ける方法はない
最初に知っておきたいのは、どれだけ調べても、過去のすべての出来事を知ることはできないということです。そのうえで、告知が必要な事実を伝えてもらえる仕組みを、きちんと使うことが現実的な対策になります。
売買では事故物件の告知はどう扱われる?

告知が必要になる出来事
2021年10月に国土交通省が公表したガイドラインでは、自殺・他殺・火災による死亡や、自然死でも発見が遅れて特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合などは、告知の対象とされています。一方、老衰や病死などの自然死、階段からの転落や入浴中の溺死、誤嚥といった日常生活の中での事故は、原則として告知不要です。
売買には期間の目安がない
賃貸では、事案の発生(特殊清掃等の場合は発覚)からおおむね3年で原則として告知不要とされています。これに対し、売買には期間の目安が示されていません。何年前の出来事であっても、買主の判断に大きく影響すると考えられる事実は伝えられるべきもの、と理解しておきましょう。期間の考え方は事故物件の告知義務は何年で消える?でくわしく解説しています。
どこで起きた出来事が対象になるか
ガイドラインでは、購入する住戸の中だけでなく、ベランダや、共用の玄関・エレベーター・廊下・階段など、日常生活でふつう使う共用部分での出来事も対象になり得るとされています。反対に、隣の住戸や、日常生活でふつう使わない共用部分での出来事は、原則として対象外です。マンションの別の部屋で起きた場合の考え方はマンションの違う部屋で起きた事故は告知対象かをご覧ください。
不動産会社の調査はどこまでか
ガイドラインでは、宅建業者は売主に告知書への記載を求めるなど、通常の情報収集を行えばよく、周辺住民への聞き込みなどの自発的な調査までは求められていません。つまり、売主が告知書に正しく書くかどうかが大きなポイントになります。
告知書(物件状況等報告書)と重要事項説明書のチェックポイント

告知書で見るところ
告知書(物件状況等報告書)は、売主が物件について知っていることを書く書類です。雨漏りや設備の不具合などとあわせて、「事件・事故・自殺等」「心理的瑕疵」といった項目が設けられていることが一般的です。次の点を確認します。
- 該当する項目に「有」「無」「不明」のどれが書かれているか
- 「有」の場合、時期・場所・内容が具体的に書かれているか
- 「不明」の場合、なぜ不明なのか(相続した物件で売主が住んでいなかった、など)
「不明」は質問のきっかけにする
相続した家や、長く貸していた部屋を売る場合など、売主自身が過去の出来事を知らないことがあります。「不明」と書かれていたら、売主がいつから所有しているか、住んでいたか、前の所有者から何か聞いていないかを、不動産会社を通じて確認してもらいましょう。
重要事項説明書・契約書で見るところ
契約の前には、宅地建物取引士が重要事項説明を行います。告知書の内容が重要事項説明書や契約書の特約欄に反映されているかを確認しましょう。あわせて、契約不適合責任(引き渡した物件が契約の内容と違ったときの売主の責任)を免責とする特約があるかも見ておきます。記載の例は事故物件の重要事項説明書の記載例で解説しています。
中古マンションならではの確認方法

管理組合の総会議事録を見せてもらう
中古マンションの購入では、不動産会社を通じて、管理組合の総会や理事会の議事録を見せてもらえることがあります。議事録には、共用部分の修繕、管理費の滞納、住民トラブルなどが記録されていることがあり、まれに特殊清掃や事故に関する対応が書かれている場合もあります。直近数年分を確認してみましょう。
管理会社の「重要事項調査報告書」
マンションの売買では、管理会社が作成する重要事項調査報告書で、管理費・修繕積立金の額や滞納の有無、大規模修繕の予定などが確認されます。事故の有無が直接書かれる書類ではありませんが、管理の状態を知ることは、購入判断の大切な材料になります。
内見で共用部分も見る
専有部分(購入する部屋)だけでなく、エントランス、廊下、エレベーター、ゴミ置き場なども見ておきましょう。掲示板の内容や清掃の状態から、管理がきちんと行われているか、住民の様子がどうかが分かります。管理がよいマンションは、トラブルが起きたときの対応も整っていることが多いものです。
部分的に新しすぎるリフォームに注意
部屋全体は年数相応なのに、ある一室の床だけ、浴室だけが極端に新しい、ということがあります。もちろん単なる修繕のこともありますが、気になる場合は「いつ、なぜ、その部分を工事したのか」を質問してみましょう。
中古の一戸建て・土地を買うときの確認方法

建物の過去を売主に確認する
一戸建ての場合も、基本は告知書と重要事項説明書の確認です。長く空き家になっていた家や、相続で引き継がれた家は、売主が過去の出来事をくわしく知らないことがあるため、所有の経緯を確認しておきましょう。
たとえば、親が一人暮らしをしていた家を子どもが相続して売る場合、亡くなったときの状況(発見までの日数や特殊清掃の有無)を売主が正確に把握していないこともあります。告知書に「不明」とあれば、遠慮せずに確認してもらいましょう。売主にとっても、事実を整理しておくことは、引き渡し後のトラブルを防ぐことにつながります。
建て替え・更地の場合
以前の建物を取り壊して新しく建てた家や、更地として売られている土地では、前の建物で起きた出来事をどこまで告知すべきか、判断が分かれることがあります。気になる場合は、「以前の建物で告知が必要な出来事はなかったか」を売主に確認してもらいましょう。考え方は事故物件の土地は更地にしたら告知不要?で解説しています。
周辺の様子を自分の目で確かめる
一戸建ては、近所づきあいの影響も大きくなります。昼と夜、平日と休日に周辺を歩いてみると、街の雰囲気が分かります。ただし、近所の人に「事故がありましたか」と直接聞くのは、相手やご遺族への配慮も必要です。聞く場合は言葉を選びましょう。
事故物件の購入で気をつけたいこと・よくある誤解

誤解1:「免責特約があれば、売主は何も責任を負わない」
個人の売主は、特約で契約不適合責任を免責にすることができます。しかし、売主が知りながら告げなかった事実については、免責されません(民法の規定)。また、宅建業者が売主となる場合は、宅地建物取引業法で、買主に不利な特約が制限されています。くわしくは事故物件と契約不適合責任をご覧ください。
誤解2:「告知がなければ何もなかった物件」
自然死や日常生活の中での事故、隣の住戸での出来事などは、原則として告知の対象外です。告知がないことは、「告知が必要な事実を売主・不動産会社が把握していない」という意味だと理解しておきましょう。
注意:事故物件と知って買うなら、将来の売却も考える
事故物件であることを承知のうえで、安く買うという選択もあります。その場合は、将来売るときにも買主へ伝える必要があることや、住宅ローンの担保評価に影響する場合があることを考えておきましょう。事故物件を買うメリット・デメリット、事故物件で住宅ローンは組めるかで解説しています。
購入後に分かったときは
購入後に、告知されるべき事実があったと分かることもあります。その場合の対応は事故物件と知らされなかったときの解約・返金・損害賠償で解説しています。法的な判断は弁護士に確認してください。
次に何をすればいいか:購入前のチェックリスト

購入前のチェックリスト
- 告知書(物件状況等報告書)の「事件・事故・自殺等」の欄を確認する
- 「不明」の項目があれば、理由を不動産会社に確認してもらう
- 部分的なリフォームの理由を質問する
- マンションなら総会議事録や管理の状態を確認する
- 重要事項説明書・契約書の記載と、免責特約の内容を確認する
事故物件を「売る側」の方へ
この記事で紹介したように、買主は告知書や書類を細かく確認します。事故物件を売るときは、事実を正確に伝えることが、のちのトラブルを防ぐ一番の方法です。売主向けの告知の進め方は事故物件の売却と告知義務で解説しています。
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当社は大阪府全域で、事故物件・孤独死物件・相続物件を当社が直接買主となって買い取る不動産会社です。事情を承知のうえで買い取るため、一般の買主を探す必要がなく、契約不適合責任は免責でお引き受けしています。大阪市内なら北区をはじめ各区、府内各市に対応しています。
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