事故物件の重要事項説明書・告知書とは?2つの書類の役割

告知書(物件状況等報告書):売主・貸主が書く
告知書は、売主や貸主が自分の知っている物件の状態を書く書類です。雨漏り、シロアリ、給排水の故障、騒音や近隣とのトラブルなどと並んで、事件・事故・自殺などの有無を書く欄があるのが一般的です。書類の名前は「物件状況等報告書」「告知書」「物件状況確認書」など、不動産会社によって違います。
重要事項説明書:不動産会社が作り、宅建士が説明する
重要事項説明書(重説)は、契約の前に宅地建物取引士が買主・借主に対して説明する書類です。登記の内容や法令上の制限、設備などの重要な事項が書かれます。人の死に関する事案は、重説の「特記事項」や「その他」の欄に書かれるのが一般的です。
2つの書類の関係
| 告知書 | 重要事項説明書 | |
|---|---|---|
| 作る人 | 売主・貸主 | 不動産会社(宅建業者) |
| 渡す時期 | 契約時(媒介依頼時に作成) | 契約の前 |
| 事故物件の情報 | 売主・貸主が知っている事実を書く | 告知書などをもとに記載・説明 |
国交省のガイドラインでは、宅建業者は売主・貸主に告知書への記載を求めることで、通常の情報収集としての調査を果たしたものとされています。つまり、重説の内容は告知書に何が書かれているかに大きく左右されます。ガイドラインの全体像は国交省ガイドラインのやさしい解説をご覧ください。
書くべき4項目と、書かなくてよいこと

書くべき4項目
- 時期:事案が起きた年月。特殊清掃をした孤独死などは、発覚(発見)した年月
- 場所:どの部屋か(例:2階洋室、浴室)、建物内か敷地内か、共用部分か
- 死因:病死・自殺・他殺・火災・不明など。わからない場合は「不明」と書く
- 特殊清掃・リフォームの有無:実施したか、どの範囲を交換・工事したか
書かなくてよいこと
- 亡くなった方の氏名・年齢・住所・家族構成
- 具体的な亡くなり方や、発見されたときの様子
- 発見までの詳しい日数や遺体の状態
ガイドラインでも、こうした情報は告げる必要がないとされています。亡くなった方とご遺族のプライバシーを守るためにも、必要以上に詳しく書かないことが大切です。
あいまいな表現は避ける
「過去に何かあったらしい」「事情あり」など、何が起きたのかわからない書き方は、かえって不安や誤解を生みます。後から「説明が不十分だった」と言われる原因にもなります。わかっている事実を短く、具体的に書きましょう。わからない部分は「詳細不明」と明記すれば足ります。
清掃・工事の範囲は具体的に
「リフォーム済み」とだけ書くより、「床材・壁紙・畳を交換」「ユニットバスを交換」のように、どこをどう直したかを書くほうが、買主・借主は安心して判断できます。オゾン脱臭などの消臭作業をした場合は、その旨と実施した時期も書いておきましょう。工事の範囲がはっきりしていると、内見のときの説明もしやすくなります。
ケース別の記載例(一般的な文例)

ここで紹介するのは、一般的な書き方の例です。実際の記載は、物件の事情に合わせて不動産会社と相談して決めてください。年月は「20XX年X月」の部分に実際の時期を入れます。正確な日付がわからない場合は「20XX年夏ごろ」のような書き方でもかまいません。
文例1:孤独死で特殊清掃をした場合
文例2:自殺があった場合
文例3:詳細がわからない場合(相続した家など)
文例4:建物を解体した土地の場合
文例5:告知不要の病死だが、念のため伝える場合
早く見つかった病死はガイドラインで原則告知不要ですが、買主・借主が気にすることがわかっている場合や、近所で知られている場合などに、トラブルを避けるため記載することもあります。このときも「特殊清掃はしていない」と添えると、事実が正確に伝わります。
土地の扱いは事故物件の土地はいつまで告知が必要?で詳しく解説しています。
募集図面・広告への表記と、書くときの注意点

広告・募集図面は「告知事項あり」が一般的
ポータルサイトや募集図面では、「告知事項あり」「心理的瑕疵あり」と表示し、詳細は問い合わせや内見のときに説明する方法が一般的です。心理的瑕疵(しんりてきかし)とは、建物に傷みはなくても、住む人が心理的に抵抗を感じる事情のことです。言葉の意味は心理的瑕疵とはで解説しています。
売主・貸主が書くときの注意点
- 「なし」にチェックする前に、家族や親族にも確認する
- 日付が不明なら「20XX年ごろ」と幅を持たせる
- 清掃業者・工事業者の見積書や報告書があれば添付する
- 記入した書類の控えを必ず保管する
不動産会社に伝えた内容と書類を一致させる
口頭で不動産会社に話した内容と、告知書に書いた内容が違うと、後でどちらが正しいのかが問題になります。話した内容は告知書にも書き、重説の記載案ができたら、売主・貸主自身も内容を確認しましょう。書き方を間違えたまま契約すると、後で責任を問われるおそれがあります。その責任の内容は事故物件の告知義務違反とはで説明しています。
借主・買主が重要事項説明書で確認すべきチェックポイント

重説を受けるときのチェックリスト
- 特記事項・その他の欄に、人の死に関する記載があるか
- 記載がある場合、時期・場所・死因・清掃や工事の有無が書かれているか
- 「詳細不明」となっている場合、どこまでわかっているかを質問したか
- 告知書(物件状況等報告書)の写しを受け取ったか
- 契約書に、告知事項を前提とする特約(容認事項)があるか
記載がなくても、気になるなら質問する
ガイドラインでは、早く見つかった病死などは原則告知不要とされています。そのため、重説に何も書かれていなくても、「人が亡くなったことが一度もない」とは限りません。気になる方は、「この物件で人が亡くなったことはありますか」と直接質問してください。ガイドラインでは、聞かれた場合は把握している事実を告げるものとされています。聞き方のコツは不動産屋は事故物件を聞いたら教えてくれる?で紹介しています。
契約書の「容認事項」も確認する
事故物件の売買・賃貸では、契約書に「買主(借主)は、重要事項説明書記載の告知事項を了承のうえ本契約を締結する」といった容認事項(了承事項)が入ることが一般的です。これは、告知された内容を理解して契約したことを確認する条項です。署名する前に、どの内容を了承したことになるのか、重説の記載と照らし合わせて確認しましょう。
答えは書面やメールで残してもらう
口頭で「ありません」と言われただけでは、後で確認できません。質問への回答は、メールや書面でもらっておくと安心です。自分で調べる方法は事故物件の調べ方・見分け方にまとめています。
よくある誤解:「書かなければ大丈夫」ではない

誤解1:告知書に書かなければ責任はない
売主・貸主が知っていたのに書かなかった場合、責任はむしろ重くなります。個人の売主は特約で契約不適合責任を免責にできますが、知りながら告げなかった事実は免責されません。仕組みは事故物件の契約不適合責任で説明しています。
誤解2:「告知事項あり」とだけ書けば十分
広告の段階では「告知事項あり」の表記でもかまいませんが、契約前には内容を具体的に説明する必要があります。何が告知事項なのかを説明しないまま契約すると、説明が不十分だったと判断されるおそれがあります。問い合わせや内見の段階で概要を伝え、重説と告知書で具体的な内容を書面にする、という順番で進めるとよいでしょう。早めに伝えておけば、契約直前になって買主・借主が驚いて話が白紙になる事態も防げます。
誤解3:賃貸で3年経ったら記載は一切いらない
賃貸では、事案の発生(特殊清掃をした場合は発覚)からおおむね3年で原則告知不要になります。ただし、事件性・周知性・社会的影響が大きい事案や、借主から聞かれた場合は、3年を過ぎても告げる必要があります。期間の考え方は賃貸の告知義務と売却の告知義務で詳しく解説しています。
書類の書き方に迷ったら:次にすべきこと

事実をメモにまとめる
まず、時期・場所・死因・清掃や工事の内容を、わかる範囲でメモにまとめます。警察や清掃業者、管理会社からもらった書類があれば一緒に保管しておきましょう。表現に迷うときや、過去の事案の扱いが難しいときは、弁護士に確認すると安心です。
売却なら、書類づくりから相談できる
株式会社GEEZは、大阪府全域で事故物件・孤独死物件の買取を行っています。当社が直接買主になるため、告知事項をうかがったうえで価格をご提示し、契約不適合責任は免責で買い取ります。告知書の書き方がわからない段階でも、わかっていることを伺いながら一緒に整理します。特殊清掃前や家財が残ったままでも相談でき、チラシやポータルサイトに掲載しないため近所に知られずに進められます。査定・相談は無料、秘密は厳守します。
賃貸を続ける場合は管理会社と共有
賃貸を続ける大家さんは、記載した内容を管理会社と共有し、募集のたびに同じ説明ができるようにしておきましょう。担当者が変わっても説明がぶれないよう、記載案を書面で保管しておくと安心です。
お問い合わせ
無料相談フォームまたはお電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)でご連絡ください。売却の流れと必要書類は事故物件の売却の流れと必要書類でも確認できます。









