尼崎市で一人暮らしの家族が亡くなったときの全体像

3つのことを順番に
- 亡くなった後の手続き:死亡届(死亡の事実を知った日から7日以内)、火葬、年金・保険・税金などの届け出
- 相続の方針:財産と借金を調べ、相続するか相続放棄するかを決める(相続人になったことを知った時から3か月以内)
- 家の行き先:住む・貸す・売る・解体するのいずれかを決める
家財や家には急いで手をつけない
相続放棄を考えているうちに家財を処分したり家を売ったりすると、相続を認めたものと扱われ、放棄できなくなるおそれがあります(民法921条)。発見が遅れてにおいや衛生面の対応が必要な場合も、どこまでなら行ってよいかを弁護士・司法書士に確認してから進めてください。
賃貸の部屋で亡くなった場合
故人が借りていた部屋で亡くなった場合は、家主(大家さん)や管理会社との間で、部屋の明け渡しや原状回復の話し合いが必要になります。相続人がこれを引き継ぐかどうかも、相続放棄の判断と関係します。賃貸での考え方は賃貸で孤独死したら損害賠償は誰が払う?で解説しています。この記事では、主に故人が所有していた家について扱います。
数字で見る尼崎市の一人暮らし高齢世帯と住まい

長屋の多さが特徴
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査によると、尼崎市の住宅に住む世帯は22万2,700世帯で、そのうち65歳以上の単身世帯は3万3,740世帯(15.2%)です。この割合は兵庫県全体(15.3%)とほぼ同じですが、住まいの形には特徴があります。
| 項目 | 尼崎市 | 兵庫県 |
|---|---|---|
| 65歳以上の単身世帯の割合 | 15.2% | 15.3% |
| 長屋建の住宅の割合 | 4.7%(1万370戸) | 2.5% |
| 共同住宅の割合 | 61.8% | 47.7% |
| 空き家率 | 14.5% | 13.8% |
出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」。尼崎市は長屋建の住宅の割合が兵庫県平均の約2倍で、共同住宅の割合も高い市です。これらの数字は事故物件の件数ではありませんが、古い長屋や木造の賃貸住宅で一人暮らしをしていた方が亡くなり、家が空き家として残る、という状況が起こりやすい背景を示しています。
市の補助制度にも表れる住宅事情
尼崎市の空き家施策には、借地上の長屋や道路に接していない土地の住宅の空き家を対象にした解体補助や、老朽化した木造賃貸住宅(共同住宅・長屋建て)の解体補助があります。こうした制度があること自体が、尼崎市にこのタイプの住宅が多く、扱いに困るケースが多いことを表しています。地域の情報は尼崎市の事故物件買取でもご紹介しています。
尼崎市のおくやみコーナーと、身寄りがない場合の対応

おくやみコーナーは予約制
尼崎市は市役所中館1階におくやみコーナーを設け、死亡時に尼崎市に住民登録をしていた方のご遺族などの手続きを案内しています。事前予約制で、来庁を希望する日の3開庁日前までに、オンラインまたは電話で申し込みます。遠方から来る場合は、日程を決めて予約し、必要な書類をそろえてから行くと、一度で多くの手続きを済ませやすくなります。
引き取る人がいない場合の火葬
墓地、埋葬等に関する法律の第9条では、埋葬や火葬を行う人がいないとき、またはわからないときは、死亡地の市町村長が行うと定められています。身寄りのない方が亡くなった場合でも、火葬が行われないまま置かれることはありません。疎遠だった親族が後から遺骨の引き取りや納骨を考える場合は、早めに市に問い合わせてください。
疎遠な親族として連絡を受けたとき
警察や市から、長く会っていない親族の死亡を知らされることがあります。引き取りや葬儀、家の片付けを引き受けるかどうかは、相続の判断とあわせて考える必要があります。考え方は疎遠な親族の孤独死の連絡が来たら、葬儀の費用は孤独死の葬儀の費用と形式をご覧ください。
尼崎市の見守りの取り組み
尼崎市では、地域住民が主体となって見守り活動を行う「尼崎市高齢者等見守り安心事業」に取り組んでいます。また、業務中に高齢者等の異変に気づいた事業者が市に通報する協力事業者の登録制度もあります。親が一人暮らしをしている方は、こうした地域の仕組みも知っておくと安心です。
相続人がいない・相続放棄したときの家

相続財産清算人
相続人がいない場合や、相続人全員が相続放棄をして相続する人がいなくなった場合、家庭裁判所は申立てにより相続財産清算人を選任します。申立てができるのは、亡くなった方の債権者などの利害関係人と検察官で、申立先は亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所です。清算人が家や財産を整理して借金などを支払い、残った財産は最終的に国のものになります。
放棄した人に残ることがある保存義務
2023年4月施行の改正民法では、相続放棄の時点で家を現に占有している人は、次の相続人や清算人に引き渡すまで保存しなければならないとされています。くわしくは親が孤独死したら相続放棄すべき?をご覧ください。判断は事情によって異なるため、弁護士・司法書士に確認してください。
借地の家を相続する場合
尼崎市には、土地を借りてその上に家を建てている借地の家もあります。借地の家を相続すると、建物の所有権とあわせて借地権も引き継ぎます。売却には原則として地主の承諾が必要で、承諾料がかかることもあります。地代の支払いが止まったままにならないよう、相続の方針が決まるまでの間の扱いも地主と確認しておきましょう。進め方は借地上の建物で事故があった場合の売却で解説しています。相続して売る場合は、2024年4月から義務になった相続登記(取得を知った日から3年以内)も忘れずに行います。
尼崎市の住まいと空き家の相談窓口と補助制度

住まいと空き家の相談窓口
尼崎市は、市役所本庁北館5階に「住まいと空き家の相談窓口」を設けています。市のページでは、ほかの相談先として、市と協定を結ぶNPO法人の無料相談、不動産の業界団体による無料不動産相談、兵庫県内の空き家対策の団体の窓口などが紹介されています。
空家バンク・寄付受け・おしかけ講座
市の空き家施策の一覧には、空き家・空き地を売りたい・貸したい方と利用希望者をつなぐ空家バンク、一定の要件を満たした空き家と土地の寄付受け事業、市の職員や弁護士などの専門家が出向く空き家対策おしかけ講座などが並んでいます。相続登記や遺言書作成の費用に関する補助も掲載されています。条件は制度ごとに違うため、市のページで最新の内容を確認してください。
特殊空家除却費補助(借地上の長屋・無接道の住宅)
尼崎市の特殊空家除却費補助は、借地上にある長屋住宅や、道路に接していない土地にある住宅の空き家を対象に、解体費の一部を補助する制度です。市のページでは、補助対象額の3分の2で、上限は一般の場合50万円、切り離しが必要な長屋は1戸70万円などとされています。令和8年度の申請期間は令和8年4月1日から12月28日までで、交付決定を受けてから着工する必要があります。所得などの条件もあるため、事前に相談窓口で確認してください。
老朽化した木造賃貸住宅の解体補助
敷地が300㎡以上、または住戸が5戸以上あり、老朽化して不良な状態の木造賃貸住宅(共同住宅または長屋建て)を解体する場合の補助もあります。古いアパートや長屋の一棟を相続した方は、売却とあわせて検討する価値があります。一棟の売り方はアパート一棟で事故・孤独死が起きたときも参考にしてください。
尼崎市の長屋・古い家を売るときの告知と注意点

告知のルールは国のガイドラインで
国土交通省のガイドラインでは、老衰や病気による自然死や、日常生活の中での不慮の事故による死は原則として告知不要です。発見が遅れて特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は告知の対象で、売買では期間の目安がありません。くわしくは事故物件の売却と告知義務をご覧ください。
長屋の一戸を売る
長屋は隣家と壁を共有しているため、解体には隣家との調整や、残る壁の補修(切り離し)が必要です。一般の買主は住宅ローンが組みにくいこともあり、仲介では買い手が限られます。現状のまま不動産会社に買い取ってもらう方法や、隣家の方に買ってもらう方法も比べて考えましょう。
道路に接していない土地
建築基準法上の道路に2m以上接していない土地は、原則として建て替えができません。こうした土地の家を解体すると更地としての価値も下がることがあるため、解体の前に売却の可能性を確認してください。尼崎市の補助制度を使って解体するか、建物を残したまま売るかは、両方の見積もりと査定額を比べて決めるのが確実です。考え方は事故物件は解体して更地にすべき?にまとめています。
家財が残ったままでも相談はできる
一人暮らしの方の家には、長年の家財や思い出の品が残っています。形見として残したい物や、通帳・権利証などの大切な書類を先に取り出せば、残りの家財は買取の条件に含めて引き取ってもらえるかを相談できます。相続放棄を考えている場合は、片付けの前に専門家に確認してください。くわしくは家財・遺品が残ったまま売れるかをご覧ください。
次に何をすればいいか

整理しておきたいこと
- おくやみコーナーの予約と、必要な手続きの一覧
- 相続人と、相続するか相続放棄するかの方針(3か月以内)
- 家が所有地か借地か、長屋か戸建てか、道路に接しているか
- 清掃や家財の片付けが必要な状態か
株式会社GEEZにご相談いただけること
株式会社GEEZは、大阪市北区西天満に事務所を置く不動産会社です(宅地建物取引業 大阪府知事(2)第62068号)。兵庫県尼崎市の事故物件・孤独死物件のご相談も受け付けており、長屋や借地の家、古い木造アパートもご相談いただけます。事故物件・孤独死物件・相続物件・共有持分・空き家を当社が直接買い取ります。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけ、古物商許可(大阪府公安委員会 第62102R070318号)にもとづいて家財の回収も行えます。チラシやポータルサイトへの掲載をしないため、近所に知られずに進められます。契約不適合責任は免責でお買い取りします。
査定・相談は無料で、秘密は守ります。お電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)または無料査定・相談フォームからお気軽にどうぞ。相続や税金の判断が必要な場合は、弁護士・司法書士・税理士と相談しながら進めてください。









