大阪市で一人暮らしの家族を亡くしたときの全体像

手続き・相続・家の3つを、順番に整理していきます。
手続き・相続・家の3つを、順番に整理していきます。

やることは大きく3つ

一人暮らしの家族が自宅で亡くなったあとに必要になることは、大きく次の3つに分けられます。

  1. 亡くなった後の手続き:死亡届、火葬、年金や保険の届け出など。多くは区役所が窓口です。
  2. 相続の方針を決める:財産と借金を調べ、相続するか相続放棄するかを決めます。相続放棄は、相続人になったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。
  3. 残された家をどうするか:住む、貸す、売る、解体するなどを、家族で話し合って決めます。

家には急いで手をつけない

発見までに日数がたっていた場合、室内の清掃が必要になることがあります。ただ、相続放棄を考えているうちに家財を処分したり家を売ったりすると、相続を認めたものと扱われ、放棄できなくなるおそれがあります(民法921条)。相続の方針が決まるまでは、片付けや解体を急がないのが基本です。においや衛生面で急ぎの対応が必要な場合は、どこまでなら行ってよいかを弁護士や司法書士に確認してから進めてください。

この記事で扱うこと

告知のルールや清掃費用など全国共通の話は、別の記事でくわしく扱っています。この記事では、大阪市ならではの窓口・制度・住宅事情に絞ってご説明します。孤独死が事故物件にあたるかどうかは孤独死は事故物件になる?、発見から葬儀までの流れは孤独死の発見から葬儀までの流れをご覧ください。

数字で見る大阪市の一人暮らし高齢世帯と住まい

区によって、一人暮らしの高齢世帯の割合は大きく違います。
区によって、一人暮らしの高齢世帯の割合は大きく違います。

65歳以上の一人暮らし世帯は過去最高

大阪市が公表している令和5年住宅・土地統計調査の結果の概要では、65歳以上の単身世帯は25万4,900世帯で、世帯全体の16.7%と過去最高になりました。空き家は29万4,600戸、空き家率は16.1%で、全国平均の13.8%より高い水準です。

区ごとの違い

同じ調査をもとに、65歳以上の単身世帯の割合が高い区を並べると次のとおりです。

区65歳以上の単身世帯世帯全体に占める割合空き家率
西成区17,130世帯26.3%25.9%
大正区6,900世帯23.8%17.7%
生野区16,560世帯23.5%22.8%
平野区19,490世帯21.2%16.4%
此花区6,600世帯20.3%16.9%
住之江区12,320世帯19.9%13.6%

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」(区の世帯数は住宅に住む世帯の数)。この数字は事故物件の件数ではありません。一人暮らしの高齢の方が多い地域ほど、ご自宅で亡くなり、発見までに時間がかかることも起こりやすいという背景を示すものです。

長屋と木造住宅が多い地域

大阪市には長屋建の住宅が3万1,200戸あり、区別の割合は生野区6.5%(4,590戸)、西成区5.8%(3,800戸)が高くなっています(同調査、大阪市の結果の概要)。長屋や古い木造住宅、昔ながらの文化住宅に一人で暮らす高齢の方が多い地域では、亡くなったあとに家が空き家として残るケースが少なくありません。各区の状況は西成区の事故物件買取、生野区の事故物件買取、平野区の事故物件買取でもご紹介しています。

大阪市での死亡後の手続きと、身寄りがない場合の市の対応

大阪市では、区役所が手続きの中心的な窓口です。
大阪市では、区役所が手続きの中心的な窓口です。

死亡届と区役所の手続き案内

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に出します。大阪市では、亡くなった後の手続きを区ごとに案内しており、たとえば浪速区は「おくやみ手続き案内」を、西淀川区は「おくやみ手続きナビ」を案内しています。また、身近な方を亡くしたときに必要な手続きや持ち物を検索できる「手続き判定ナビ(死亡)」も用意されています。まずは故人が住んでいた区の区役所のページを確認してください。

引き取る人がいないときの火葬

墓地、埋葬等に関する法律の第9条では、死体の埋葬や火葬を行う人がいないとき、またはわからないときは、死亡地の市町村長が行うと定められています。身寄りのない方や、親族が引き取りを断った方の場合でも、火葬が行われないまま置かれることはありません。

大阪市は「大阪市立斎場保管遺骨取扱要綱」で、斎場で火葬したあと遺骨を引き取る人がいない、または明らかでない場合の扱いを定めています。要綱では、毎年9月中旬に慰霊祭を行ったうえで、南霊園内の無縁堂に合同で埋蔵するとされています。疎遠だった親族が後から遺骨の引き取りを考える場合は、早めに区役所に相談してください。

疎遠な親族として連絡を受けたら

警察や区役所から、長く会っていなかった親族の死亡の連絡を受けることがあります。遺体や遺骨の引き取り、葬儀、家の片付けを引き受けるかどうかは、相続をどうするかとあわせて考える必要があります。対応の考え方は疎遠な親族の孤独死の連絡が来たらにまとめています。葬儀の費用や公的な給付については孤独死の葬儀の費用と形式をご覧ください。

大阪市の見守りの取り組み

大阪市では、各区の社会福祉協議会に「見守り相談室」が置かれ、地域や社会とのつながりから孤立している人などに福祉の専門職(CSW)が対応しています。また、市は頼れる身寄りがいない高齢者等への支援について、死後事務の支援も含めて検討する会議を設けています。ご家族が同じような状況にある場合は、区の窓口や地域包括支援センターにも相談してみてください。

相続人がいない・全員が相続放棄したときの家

相続する人がいない家は、家庭裁判所の手続きで整理されます。
相続する人がいない家は、家庭裁判所の手続きで整理されます。

相続財産清算人が家を整理する

亡くなった方に相続人がいない場合や、相続人全員が相続放棄をして相続する人がいなくなった場合、家庭裁判所は申立てにより「相続財産清算人」を選任します。申立てができるのは、亡くなった方にお金を貸していた人などの利害関係人と、検察官です。申立先は、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所です。清算人は、家や預金を整理して借金などを支払い、残った財産は最終的に国のものになります。

相続放棄をしても、すぐに手が離れるとは限らない

2023年4月施行の改正民法では、相続放棄をした時点で家を現に占有している人は、次の相続人や相続財産清算人に引き渡すまで、その家を保存しなければならないとされました。たとえば亡くなった方と同居していた家族などがこれにあたります。誰が占有しているかは事情によって判断が分かれるため、弁護士・司法書士に確認してください。くわしくは親が孤独死したら相続放棄すべき?と孤独死した人の財産・家はどうなるで解説しています。

相続するなら相続登記を

相続して家を売る場合は、まず名義を相続人に変える相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請しなければなりません。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。登記がまだの家の売り方は相続登記をしていない事故物件を売る方法をご覧ください。

大阪市の空き家相談窓口と解体の補助制度

空き家の相談は、家がある区の区役所が入口です。
空き家の相談は、家がある区の区役所が入口です。

相談の入口は区役所

大阪市では、空き家について困ったときは空き家がある区の区役所の相談窓口に連絡するよう案内しています。市のページでは、不動産の業界団体による活用の提案も紹介されています。また、市の空家等対策計画(第3期、令和8〜12年度)の概要版では、売れない・貸せないといった空き家を専門家が支援する相談ホットラインや、不動産団体の相談員による無料相談会などの取り組みが挙げられています。同じ概要版によると、大阪市の空き家を取得した経緯は「購入」が59.6%、「相続」が23.5%です。

古い木造住宅の解体には補助がある場合も

大阪市には、条件を満たす古い木造住宅の解体費の一部を補助する制度があります。

  • 狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度:幅4m未満の道路に面した、昭和25年以前に建てられた木造住宅などが対象(重点対策地区では対象が広がります)
  • 耐震除却の補助:耐震性が足りない住宅の解体工事の費用の一部を補助
  • 防災空地活用型除却費補助:重点対策地区で、解体後の土地を防災空地として活用する場合

補助の額や細かな条件、申し込みの時期は年度によって変わります。解体の契約や着工の前に申し込みが要る制度もあるため、業者と契約する前に市の担当窓口で確認してください。

解体する前に「建て替えられる土地か」を確認

大阪市の古い住宅地には、細い路地の奥にあり、建て直しができない「再建築不可」の土地もあります。こうした土地で建物を解体すると、新しい家を建てられない更地になり、かえって売りにくくなることがあります。補助があるからと急いで解体せず、建物を残したまま売る場合の価格も比べてから決めてください。判断のしかたは事故物件は解体して更地にすべき?で解説しています。

大阪市の長屋・文化住宅・古いマンションの売却と告知

告知の要否は、亡くなった状況と発見までの経過で変わります。
告知の要否は、亡くなった状況と発見までの経過で変わります。

告知が必要かどうかは全国共通のルールで

国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、老衰や病気による自然死、日常生活の中での不慮の事故による死は、原則として告知しなくてよいとされています。一方で、発見までに時間がかかり、特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は告知の対象になります。売買では告知の期間に目安がなく、買主から聞かれた場合は事実を伝えます。くわしくは事故物件の売却と告知義務をご覧ください。

住宅のタイプ別の注意点

  • 長屋:隣家と壁を共有しているため、解体や建て替えに隣家との調整が要ります。隣家にお住まいの方への配慮も大切です。
  • 文化住宅・古いアパート:ほかの部屋に入居者がいる場合、入居者がいるまま建物全体を売ることができます。入居者が亡くなった部屋の家財は、その方の相続人のものとして扱います。
  • 古い分譲マンション:管理組合や管理会社への連絡、管理費の精算が必要です。住戸の状態や管理の状況も価格に影響します。

大阪の住宅事情と売り方の全体は大阪で事故物件を売却するにはで、マンションの場合は事故物件のマンション売却でくわしくご説明しています。

近隣への配慮

長屋や路地の多い住宅地では、近所の方も故人のことを気にかけていることが多いものです。においや片付けの音などで迷惑をかけた場合は、ひと言お詫びを伝えておくと、その後の売却も進めやすくなります。伝え方は事故や孤独死の後の近隣対応を参考にしてください。

次に何をすればいいか

わかることから一つずつ整理すれば大丈夫です。
わかることから一つずつ整理すれば大丈夫です。

まず整理しておきたいこと

  • 故人が住んでいた区と、家の名義(法務局の登記事項証明書で確認)
  • 相続人が誰か、相続するか相続放棄するかの方針
  • 家が一戸建てか、長屋か、文化住宅か、マンションか
  • 室内の清掃が必要な状態かどうか、家財がどのくらい残っているか

わからない項目があっても構いません。相談先と一緒に確認していけば大丈夫です。

株式会社GEEZにご相談いただけること

株式会社GEEZは、大阪市北区西天満に事務所を置く不動産会社です(宅地建物取引業 大阪府知事(2)第62068号)。大阪市内24区の事故物件・孤独死物件のご相談を受け付けており、長屋や文化住宅、再建築不可の土地など、大阪市に多い古い住まいもご相談いただけます。事故物件・孤独死物件・相続物件・共有持分・空き家を当社が直接買い取ります。特殊清掃の前でも、遺品や家財が残ったままでもご相談いただけ、古物商許可(大阪府公安委員会 第62102R070318号)にもとづいて家財の回収も行えます。チラシやポータルサイトへの掲載をしないため、近所に知られずに進められます。契約不適合責任は免責でお買い取りします。

査定・相談は無料で、秘密は守ります。お電話(06-7777-4333、10:00〜19:00、水・日定休)または無料査定・相談フォームからお気軽にどうぞ。相続や税金の判断が必要な場合は、弁護士・司法書士・税理士と相談しながら進めてください。